リニア中央新幹線整備をめぐって県は３日、建設主体のＪＲ東海と県内３地域が６日以降、順次意見交換すると明らかにした。ＪＲ東海幹部が６日に諏訪、８日に木曽、９日に飯田地域を訪れ、整備計画決定までの経緯や南アルプスを貫くＣルートでの整備について説明。地元側は中間駅までのアクセス向上や駅位置に関する要望をそれぞれＪＲ側に伝える。

　県は一連の意見交換などで各地域の意見・要望が出そろった後、県全体で整理・集約し、ＪＲ東海が県内の中間駅位置案や路線案を公表する前に伝える考えだ。

　意見交換の場の設定は、阿部知事が５月のＪＲ東海の山田佳臣社長との会談で、各地域の意見を十分聞いて必要な協議、調整をするよう要請したのがきっかけ。県がＪＲ側と日程調整を進めていた。

　地元側は３地域とも、リニア建設促進期成同盟会の役員を務める地元首長らが出席。諏訪は６日午後３時から諏訪市役所、木曽は８日午後３時半から木曽郡木曽町日義の木曽文化公園、飯田は９日午前９時から飯田市役所で、いずれも冒頭以外非公開で行う。

　一方、諏訪・伊那谷回りのＢルートの実現を求めてきた上伊那、松本など中信の両地域は現時点でＪＲ側との意見交換を求めておらず、ともに県に対し、リニア整備を想定した県内の交通体系のビジョンを示すよう求めている。