嫌われまくりのIE6の現状と仲良く付き合う方法


TwitterでWeb屋さんのつぶやきを見ていると「IE6のせいで…」「IE6さえなければ…」なんて声がよく聞こえてきます。産みの親からも見放されつつあるInternet Explorer 6。一体なぜここまで嫌われているのか?どれほどの人が涙を流してきたのか?そんなIE6と付き合っていく方法は?IE6にまつわる情報を簡単にまとめてみました。

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IE6のシェア

2001年に世にリリースされたInternet Explorer 6。通称IE6。リリースされて10年たった今も色んな意味で話題のこのブラウザーを使っているユーザーは現在どれくらいいるのでしょう?

ie6シェア

マイクロソフトが(!)IE6撲滅のため「Internet Explorer 6 Countdown」というサイトで世界中でIE6がどれくらい使われているかを公式に発表しています。この図を見ると日本でのシェアは5-9%。どちらかというと少ないほうに入っていると思います。欧米諸国は1-5%が基本。北欧にいたっては1%未満という羨ましい数値です。


2011年4月のブラウザシェア

最近の日本のシェアについては、マイコミジャーナルで2011年4月のブラウザシェアを見ることができます。ChromeはまだIE6を越えられないもよう。うむむ。

Web業界で嫌われまくりのIE6

Twitterで「IE6」と検索すると悲痛な叫びが至る所で聞こえてきます。その他世界各地でIE6撲滅運動が行われています。

Web屋さんに聞く「IE6に対応させていますか?」

海外サイトで実施されていた「IE6に対応させているか」というアンケートを見て、日本ではどうなんだろう?と思いWebクリエイターボックスのサイドバーにてアンケートを行いました。まずは海外のアンケート結果をご覧ください。

IE6に対応させていますか?
  1. クライアントが追加料金を払うなら対応させる (30%, 598票)
  2. 絶対に対応させない (28%, 550票)
  3. 依頼があれば対応させている (19%, 368票)
  4. 機能・レイアウトは対応させ、装飾系は対応させない (12%, 427票)
  5. 常に対応させている (8%, 166票)
  6. 場合による (3%, 53票)

基本的には対応させない方向で制作しているようです。続いてこのサイトで実施したアンケート結果はこちら。

Webサイト制作の際、IE6に対応させていますか?

  • 常に対応させている (40%, 260 Votes)
  • 依頼があれば対応させている (21%, 137 Votes)
  • 場合による (12%, 81 Votes)
  • 絶対に対応させない (9%, 59 Votes)
  • クライアントが追加料金を払うなら対応させる (9%, 58 Votes)
  • 機能・レイアウトは対応させ、装飾系は対応させない (9%, 57 Votes)

投票数: 652

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ほぼ真逆の答えですね。私も日本ではある程度対応させているだろうと思っていましたが、まさか「常に対応させている」が一位になるとは思っていなかったので、非常に興味深い結果でした。ちなみに私がお仕事を頂く時にIE6への対応を依頼された時は追加料金を頂いてます(今まで働いてきた会社がどこもそうだったので)。

IE6がなかったらどんなに幸せか…

なぜIE6はそこまで嫌われているんでしょうか?大きな理由は下記3つにあると思います。

  • 互換性の問題
  • セキュリティの問題
  • 10年前の古すぎるブラウザーだし

Web屋さんが日々頭を悩ませているのはこの「互換性」。FirefoxやChromeでは問題なく表示されるCSSも、IEではうまく表示されない…なんていうことは日常茶飯事です。中でもこのIE6は一般的な互換性のない古いブラウザーなので、うまく表示されない事が非常に多いのです。最近徐々に使われ始めているCSS3などの新しい技術はもちろん対応していません。そのため、いちいちIE6に仕様をあわせてCSSを書いたり、まわりくどいやり方で表示させなければならなくなります。


…これを書きながら、CSS3を初めて知った頃、友人に「CSS3ってIE6でどうなの?」と聞いたところ「CSS2にすら対応できてないのにCSS3が表示されるわけないじゃんwww」と死んだような目で笑われたのを思い出しました。

IE6のサポートを終了したWebサービス

IE6のサポートを終了

内閣官房情報セキュリティセンターもIE6からIE8への移行を推奨しています。それをうけてIE6に対応させていないWeb制作会社も少しずつ増えてきているようです。世界的に人気のWebサービスでもIE6のサポートを終了し始めています。サポートを終了した主なサービスはこちら。

ではなぜIE6がいまだに使われているのか

IE6を好んで使っているユーザーより、使わざるを得ない状況にあるユーザーが多いようです。会社で古いWindowsを使っている場合、IE6以上のバージョンを利用できなかったり、会社のルールで他ブラウザーをインストールできなかったりします。社内システムをIE6全盛の頃に作った会社だとそうなってしまいますね。


アクセス解析をしてみて、IE6ユーザーがどの時間帯にアクセスしているかを見てみるとわかりやすいです。平日の就業時間内のアクセスが多い場合は企業でIE6が導入されている可能性が高いため、こういったサイトのユーザーを見捨てるのは非常に困難です。

IE6対策

それでもIE6に対応させなければいけない事も残念ながらあるかと思います。大人の事情は残酷です。そんな場合の対処法をいくつか紹介します。

正しいコーディングを心がける

正しいコーディングをするだけでIE6のレイアウト崩れの回避率が高くなります。もちろんこれはIE6に対応させるためだけではなく、HTMLの基礎なのでWeb制作時には必ず押さえておくべきポイントです。「IE6などのクロスブラウザに強くなる、22のHTML+CSSコーディングの基礎」という記事でわかりやすく説明されているので、ぜひ一度読んでみてください。

IE6だけ別のCSSファイルを作成する

うまく表示されていないセレクターと、その対処用CSSを書いて新規CSSファイルを作成します(ie6.cssなど、わかりやすいファイル名をつけておく)。それを下記コードのようにhead内に記述すればIE6で見ている場合のみこちらのCSSが上書き表示されます。

<!--[if IE 6]>
    <link rel="stylesheet" type="text/css" href="ie6.css" />
<![endif]--> 

これはIE6に限らず、数字を変更することでIE7やIE8のみに対応するCSSを適応することができます。

IE6をCSS3に対応させる

角丸・ボックスシャドウなどにはCSS3 PIEを使ってIEでも表示できるようにしています。一行で対応できる手軽さが便利!「たった一行を追加するだけでIE6/7/8をCSS3対応にする -CSS3 PIE」という記事で詳しく紹介されています。


また、グラデーションはIE用の書き方で対応することができます。

div{
     filter:progid:DXImageTransform.Microsoft.gradient
     (startColorstr=#ffeeeeee,endColorstr=#ffffffff);
     zoom: 1;
     }
IEのグラデーション

IE6をHTML5に対応させる

HTML5はIE6に限らずIE8以下のブラウザーには対応していないので、Google Codeに置かれているhtml5.jsというスクリプトを使用して対応させなければいけません。上記にも書いた条件分岐をhead内に記述してIE8以下のブラウザーにを読み込むよう設定します。

<!--[if lt IE 9]>
     <script src="http://html5shim.googlecode.com/svn/trunk/html5.js"></script>
<![endif]-->

ブラウザーチェック

IE6でうまく表示されるか確認するためのツールを紹介します。最近はほとんどありませんが、まれにIE6に対応するよう依頼がくるので、その時に使っています。

Web SuperPreview

Microsoft純正の確認用ツールExpression Web SuperPreview。公式のものなので信頼できるかと。Windowsにインストールして使います。使い方などはこちらの記事が参考になります。

Adobe® BrowserLab

Adobe® BrowserLab

AdobeからリリースされているAdobe® BrowserLab。ブラウザーで確認できます。ユーザー登録をすると使えるようになります。読み込みが遅いのが微妙なところ。

IETester

IETester

IETesterもWindowsにインストールするタイプ。いろんなバージョンのIEで動作確認ができます。上記2つは画像にて表示確認ができますが、こちらはマウスオーバーやJavaScriptなどの動作も確認できるので便利。たまに嘘つきます。



Microsoftは2014年までIE6のサポートをしていくようです。あと3年は完全消滅しないのでしょうか…。今後IE6ユーザーが減っていくことを切に願うばかりです。ちなみにWebクリエイターボックスを読んでいるIE6ユーザーは2%以下(ありがたい!)なのでIE6はサポートしておりません。すみません。IE6に対応させなければいけない時は、正常に表示されるよう根気強く付き合っていきましょう…!

※申し訳ございませんが「IE6で動かない!助けて!」というお問い合わせには返答いたしかねます。ご了承下さい。




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コメント

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  1. こんにちは。

    私もデータを取ってるいるのですが、現状まだまだIE6のユーザーは多くいます、最近ではIE8ユーザーも増えてきました。

    ただターゲットにしている年齢層でもかなりの違いが出てきます。年配向けのサイトに対しては古いパソコンを使用している方が多いためかIE6ユーザーが大半です。

    私個人の意見としてはECサイトなどは特に気を使うべきだと考えていてどのブラウザでも対応できるようにしておいたほうがいいと思っています。
    fontサイズ、fontの種類で1pxのズレが生じることはよくありますが、その際は画像にしてしまいaltで説明を書くという対応に切り替えズレを無くしています。

    私はデザイナーではありませんが、現状まだIE6ユーザーがいる限り無視する、対応しないということはどうなの?という考えです。

    また、合わせることがなかなかできない、対応しきれない、あきらめてしまうから嫌われているとい感じがよくします。
    ですが、あの1pxのズレをハックしないで対応できたときの感覚っていいですよね。

    今まで私自信も経験して、IE6への対応がスムーズにできるように努力する人、できる人はまた違う意味で成長が見えます。

    依頼されたサイトがIE6対応でなくてもいいという場合でもすぐに対応できるくらいのスキルは必要ですね。

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