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数多くある大学工学部で、どこが一番高く評価され、入学するのが難しいのだろうか。答えはソウル大学工学部ではない。第1位は浦項工業大学、2位は大田のKAIST=韓国科学技術院、3番目がソウル大工学部なのだ。

このランキングは全国紙の中央日報がまとめたもの。経営状態を含めた教育条件、教授陣の研究発表、評判・社会への進出、改善度の4つの角度から採点して、毎年発表している。

2005年の工学部ランキングを改めて見てみよう。1位浦項工大、2位KAIST=韓国科学技術院、3位ソウル大、4位延世大、5位高麗大、6位成均館大、7位漢陽大、8位西江大、9位梨花女子大、10位慶熙大で、慶熙大が前の年に11位だったのが10位に上がった以外は、前の年と変わっていない。



浦項工業大学はこのところ3年連続1位だが、どんな大学なのだろうか。学校が発足して、まだ20年足らずと歴史は浅い。韓国政府が韓国経済発展の原動力として1968年に設立したポスコ、以前の浦項総合製鉄が86年に国際的水準の研究者、技術者を養成しようと浦項に作った私立の単科大学だ。新素材工学科、化学科、数学科など11の学科と13の大学院があって、学部1300人、修士課程700人、博士課程750人、合計2750人のこじんまりした大学だ。しかし全員に奨学金を支給、全寮制で結婚した学生のためのアパートまである。

韓国唯一の放射光実験施設を持つ加速器研究所、博士40人など450人が研究する生命工学研究所、ナノ技術産業化支援センターといった研究施設をかかえ、短期間で世界的な存在となった。大学構内には将来、ノーベル賞をとる人のための銅像の土台が置かれている。

一方、KAIST=韓国科学技術院は、一流の研究者育成を目的に科学技術部が1971年に設立した国立韓国科学院を母体に89年に現在の形になった。 浦項より大きくて自然科学部、工学部、学際学部、人文社会学部の4つの学部13学科と2つの大学院、10研究所29研究施設を持つ。学部3000人、修士課程2000人、博士課程2350人、教員394人。学長は04年5月に公募した結果、ノーベル物理学者のアメリカ人ロバート・ロフリン氏が就任した。KAISTは浦項が伸びてくる前はずっと韓国1位だった。

こうして見てくると、これら2つの大学はむしろ特殊な存在で、ソウル大学より魅力があることは間違いない。



ところで、2003年に韓国で初めて開校した英才高校である釜山科学英才高校では、初の卒業生となる3年生137人全員がすでに国内外の名門大学に合格が決まっている。内訳はダブル合格も含めて、浦項工大に16人、KAISTに117人、ソウル大に24人、延世大に3人、プリンストンやスタンフォードなどのアメリカの大学に7人。このうち浦項工大と KAISTはこれらの高校生に大学の単位取得を認めているので、すでに大学卒業に必要な単位の27%を高校時代に取っているという。

また韓国で一番有名な企業、三星電子は2006年から、KAISTとソウルの成均館大にそれぞれ半導体学科を新設して、学生に授業料全額免除と三星電子への就職保証をすることになった。
韓国経済のめざましい発展は、こうした大学工学部同士の猛烈な競争が支えているといってもいい。