東京都立川市の「日月(にちげつ)警備保障立川営業所」から約六億円が奪われた事件で、実行役として強盗傷害などの疑いで逮捕された渡辺豊(41)と植木秀明(31)の両容疑者は、事件の一、二日ほど前になって連絡を取り始めていたとみられることが、立川署捜査本部への取材で分かった。
渡辺容疑者は事件前後の短時間に、暴力団関係者ら十人以上と頻繁に携帯電話でやりとりしていたことから、捜査本部は犯行グループが面識のなかった二人を実行役として事件の直前に引き合わせたとみて、グループの解明を進める。
捜査本部によると、携帯電話の通話履歴から、事件前の五月十〜十一日ごろ、渡辺容疑者から植木容疑者に数回、電話をかけたことが確認された。それ以前の接点は分かっていないという。
二人は十一日深夜に合流し、十二日未明に営業所を襲ったとされる。渡辺容疑者は逮捕後の調べに「三十歳ぐらいの男と強盗に入った」と供述しており、植木容疑者の名前を知らなかった可能性がある。
捜査本部は、渡辺容疑者は逃走の際、車を運転したり、犯行グループと連絡を取り合ったりするなど実行役の主導的立場にあり、植木容疑者は補助的役割だったとみている。
捜査本部によると、渡辺容疑者は逮捕時に持っていた約五百万円について何も語っていない。
植木容疑者は雑談に応じるが、事件のことには「もう少しゆっくり考えさせてほしい」と口を閉ざしているという。
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