2011年5月26日9時54分
宮城県沖のプレート(岩板)境界から枝分かれした断層が、東日本大震災の高い津波の原因になった可能性があることが、京都大や東北大などのチームの調査でわかった。千葉市で開催中の日本地球惑星科学連合大会で26日、発表する。
チームは2008年に海洋研究開発機構の有人潜水調査船「しんかい6500」で海底を調べ、仙台市の東200キロ、水深5千メートルで、長く続く切り立った崖を発見。海底の音波調査で分岐断層があると推定された場所と一致していた。
この場所を震災後に海洋機構が調べたところ、海底が南東方向に約50メートル、上に約7メートル動いていた。辻健京都大助教らは、プレート境界がずれると同時に、分岐した断層も動いたことで断面がくさび形をした海底全体が上に飛び出すようになると推定。海底の動きが大きくなり、津波が高くなった原因の一つと分析している。(瀬川茂子)