ドル80円前半、アジア休場でドル大幅安免れる

2011年 06月 6日 12:23 JST
 
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 [東京 6日 ロイター] 東京外為市場正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と同じ80円前半。さえない米雇用統計を受けてドルの大幅下落が懸念されたが、アジア市場の多くが休場だったこともあり、外国為替市場は動意が薄かった。

 米経済の減速があらためて確認されたことで、今後もドル安地合いは続きそうだが、米景気の本格的な腰折れを予想する声はあまり聞こえなてこない。ドルは緩やかに売られそうだ。

 <豪ドル小しっかり>

 ドル/円は仲値にかけて売り買いが交錯。事前には若干のドル不足が見込まれていたが、実際には外銀が売ってきたという。一方で輸入企業や機関投資家の買いも多く、下値を支えた。80円付近にはオプションに絡んだ買い注文が並んでおり、「簡単に下抜けることはなさそうだ」(信託銀行)との声が聞かれた。

 3日の5月米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比5万4000人増と、市場予想の15万人増を大きく下回ったが、ドル/円は80円を割らずに市場参加者を驚かせた。「今の局面で米経済が悪いのは事実だが、市場は景気腰折れまではないと思っているのだろう」(外為どっとコム総合研究所の植野大作社長)との声が出ていた。「本当に米景気の腰折れを懸念しているのであれば、資源国通貨や商品はもっと下落するはずだが、豪ドル/円は84円台に差し込んで戻してきた」(同)という。豪ドルはこの日、対ドル、対円ともにやや強含んだまま横ばいで推移した。

 「5月のISM(供給管理協会)非製造業指数が堅調だったことなどをみても、米国経済がこのままリセッション入りするリスクは現時点で限定的。ドル/円が80円を割り込んで一方的にドル売りが加速する可能性は小さく、緩いドル安を予想する」(住友信託銀行マーケット・ストラテジスト、瀬良礼子氏)との指摘もあった。

 <ユーロは上方向>

 この日のユーロは朝方に1.4643ドルを上回り、1カ月ぶり高値をつけた。欧州連合(EU)と欧州中央銀行(ECB)、国際通貨基金(IMF)が3日、ギリシャに対する次回融資について7月初旬にも実施されるとの見通しを明らかにしたことがユーロの支援材料となった。ドル安と相まって、1.4659ドルまで上値を伸ばした。「きょうはアジアの多くが休場でそんなに買いが入っていないが、ユーロの流れは完全に上。ユーロ/円も120円台への戻り局面に入った」(前出の信託銀行)との声が聞かれた。

(ロイターニュース 久保 信博記者)

 
 
 6月6日、東京外為市場正午のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点と同じ80円前半。写真は2009年4月、都内のディーラー(2011年 ロイター/Yuriko Nakao)

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