欧州・ロシア

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ルース駐日米大使:インタビュー全文和訳(4/4ページ)

 ◇今後の課題と日本への期待

 Q 原発の安全性に関する国際的な基準が必要との声が高まっており、フランスでの主要8カ国首脳会議(G8サミット、5月26、27日)の議題にもなりました。原発の安全性を確保するため、どのような国際協力が可能と考えますか。

 A 国際協力は極めて重要です。オバマ大統領は一年前、原子力分野の協力を目的にワシントンで核安全保障サミットを開催しました。次回はソウルで開かれます。原発の安全と保障措置は日本の関心事であり、米国や国際社会全体の関心事でもあります。国際原子力機関(IAEA)のような組織も既にありますが、日米のリーダーシップのもと、原発の安全性と保護に取り組んでいかねばなりません。我々が学ぶほどに、良い方に向かうからです。

 Q 震災発生から間もなく3カ月です。米国の支援に関して、日本国民へのメッセージをお願いできますか。

 A 発生当初のオバマ大統領の言葉が私のメッセージであり、それは今も変わりません。必要ならばいつでも、どこでも、米国は日本と、日本の人々と共にあります。日本は非常に困難な時期にありますが、米国にとって、日本と日本国民は親しい友人であり、日本は緊密な同盟国、重要なパートナーです。米国はこれからも、困難な状況にある日本と共にあります。

 Q 震災を受けて、日本国民がより悲観的になっていくとの懸念があるのですが、どう思われますか。

 A 日本の将来について、まったく悲観的には感じていません。日本は素晴らしい国です。私はこの2年間、駐日米大使という名誉ある地位を授かっていますが、とりわけ若者たちには日本復興に向けた責務だけでなく、素晴らしいチャンスがあると信じています。日本国民の力強さと立ち直る力は世界の人々を感動させています。この国が成し遂げられないことなどありません。

 Q (4月に)来日したクリントン国務長官は、今後はビジネス界の協力も重要だと話されました。

 A クリントン長官は日米の官民のパートナーシップについて言及しました。現在我々が取り組みむ中で最も重要なことの一つは、日本は(震災はあったが)企業活動は続いているのだというメッセージを送り出すことであり、それは極めて重要なことなのです。

 Q ありがとうございました。

 A ありがとうございました。

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毎日新聞 2011年6月7日 2時53分(最終更新 6月7日 3時04分)

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