欧州・ロシア

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ルース駐日米大使:インタビュー全文和訳(3/4ページ)

 ◇被災地訪問と原発事故

 Q 今回の作戦は、日米二国間の関係や将来の協力にどう影響するとお考えですか。

A (日米の)協力のレベルは既に深くて幅広いわけですが、我々両国には極めて強い絆があり、関係は良くなる一方だと思います。

 Q 次に、被災地への訪問を通じて感じられたことについてお聞きします。どのような感想を持たれましたか。印象的なエピソードがあれば。

 A まず最初は、ヘリコプターで被災地の沿岸付近一帯を見て回りました。実際に現場を見るまでは、どれほど破壊されたのか、思い浮かべるのは難しかった。しかし現場に降り立ち、石巻市で避難所となっている小学校を訪れ、これまでの私の人生で最も辛く、胸が痛む経験をしました。同時にとても勇気づけられたのです。日本の人々の立ち直る力、強さを目の当たりにしたからです。今では世界中の人々がそれを目にしています。いくつもの心に残る経験がありましたが……、一人の小さな男の子が、避難所で私のところに駆け寄り、抱きついてきました。彼こそ大変な経験をしたのに、まるで私を(逆に)なぐさめるかのように。私はとても感動し、大きな希望を抱きました。若い世代が日本再建と復興に向けて立ち上がり、日本を震災前よりも力強い国にするだろうと感じたからです。

 Q 石巻以外にも、沿岸地域を訪問されたのですか。

 A 仙台に行きました。まだ発表していませんが、6月には宮城県と岩手県に行きます。このほかの訪問先はまだ決まっていませんが、被災地を再訪して被災者を見舞い、できるだけの支援をしたいと思っています。

 Q 原発の安全性に関し、今回の原発事故で得た教訓は何ですか。

 A 今も私が最も関心を寄せているのは、進行中の危機(への対処)です。米国は日本政府と東電をできる限り支援するため、懸命に取り組んでいます。実際、我々の在日米大使館にも原子力の専門家がいます。ですから今回の原発事故で学んだ教訓を振り返る時間はたっぷりありますし、国際社会と日本も取り組むでしょう。しかし今は、現在進行中の状況にあらゆる方法で支援に当たることに全力を傾けています。

毎日新聞 2011年6月7日 2時53分(最終更新 6月7日 3時04分)

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