欧州・ロシア

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ルース駐日米大使:インタビュー全文和訳(2/4ページ)

 ◇情報共有と日米同盟

Q 米国と日本との間の情報共有、特に震災直後の状況についてどう思われますか。

A お話ししたように、今回の事態は地震、津波、さらにそのうえに原子力危機が起きるという複合的な危機でした。危機的状況においては、政府や民間機関、個人の間の情報交換は、時がたつにつれて改善されていくものです。今回もそうでした。(日本側とは)当初から、極めて緊密な協力関係にありましたが、意思疎通のレベルは、日ごとに良くなりました。

Q なるほど。ですが、原発事故に関して日本政府と東京電力はパニック防止を理由に情報を表に出さない傾向があったように思います。どう思われますか。

A それを判断するのは日本の人々だと思います。NRCやエネルギー省など原子力に関わるあらゆる専門家が米国から日本に来ましたが、日本での私たちの役割はとにかく、日本政府を助けるため、専門的な知識、装備などあらゆる支援を提供しようということでした。

Q これまでのところ、日本政府との情報共有には満足されていると。

A 日本政府とは極めて緊密に協力しています。

Q 一つ、関連質問です。平田オリザ内閣官房参与が韓国を訪問した際、低濃度の放射性物質を含む汚染水の太平洋への放出は米国の要請で実施されたと発言しました。米政府は日本政府に助言をしたのでしょうか。

A その件に関しては、そうではなかったと発表した日本政府の声明を参照してください。

Q 事実ではないということですね。わかりました。「トモダチ」作戦ですが、在日米軍に対する日本の世論に前向きな影響を与えたと思いますか。

 A そうですね。日米関係と、昨年50周年を迎えた日米同盟はこれまでも常に深く、幅広いものでした。1年前は(沖縄における)米軍の普天間飛行場移設問題が注目されがちでしたが、私は当時、両国関係は様々な面において非常に広範囲にわたり、深く及んでいるので、難しい問題が生じたとしても、何とか解決できると述べました。今回の事態は、惨事ではありましたが、日米の緊密さと、米国民が日本の人々に抱く深い称賛の気持ちを明らかに示したと思います。ですから、この悲劇的な状況から、新たな、より深い日米関係が生まれることを期待しています。

毎日新聞 2011年6月7日 2時53分(最終更新 6月7日 3時04分)

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