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吉田所長「止めていたら死ぬかも」

TBS系(JNN) 6月6日(月)11時56分配信

 「強い気持ちでというか、士気高くやっています」(福島第一原発・吉田昌郎所長)

 JNNの単独インタビューに答える福島第一原発の吉田昌郎所長。3月11日の事故以来、福島第一原発の現場責任者として、2500人に及ぶ作業員をとりまとめ復旧作業の陣頭指揮をとり続けています。その吉田所長が初めて語りました。

 「あの時点の現場は生きるか死ぬかでしたから」(吉田昌郎所長)

 福島第一原発の現場責任者、吉田昌郎所長。JNNの単独インタビューに応じましたが、メディアの取材に答えるのはこれが初めてです。

 「まずやることを丁寧に一つ一つやること。現場でたくさんの人が働いてますから、健康や安全をちゃんと確保する。この2点だけですね」(吉田昌郎所長)

 吉田所長は大阪府出身。1979年に東京電力に入社した後は主に原子力畑を歩み、去年6月に福島第一原発の所長に就任しました。3月11日に事故が起きてからは、現場責任者として復旧作業にあたっています。

 「深刻な状況にありますので、大至急工程を詰めていく必要あります。よろしくお願いします」(吉田昌郎所長)

 依然として深刻な状況が続く福島第一原発。1号機から3号機まで全てメルトダウンした原子炉の内部では今、何が起きているのでしょうか。

 「現時点では1〜3号機とも原子炉の中は冷えている。百数十度の中で冷えた状態にある。そういう意味で原子炉は安定していると考えていい」(吉田昌郎所長)

 1号機から3号機の現状について吉田所長は「安定している」と説明しましたが、10万トンにも及ぶ高濃度の「汚染水」が復旧作業の大きな障害になっています。

 「汚染した水をどう処理するか、ここが一番大きな課題。そこが最大のポイントだと思って取り組んでいる」(吉田昌郎所長)

 そして、政治問題にもなった1号機への海水注入。事故発生の翌日の3月12日。官邸の意向を受けた東京電力の本社は、吉田所長に対し海水の注入を中断するよう指示しました。しかし、吉田所長はこの指示に従わず、自らの判断で注入を継続しました。

 しかも、事故から2か月以上、その事実を本社に伝えていなかったことが先日、明らかになっています。吉田所長は、本社の指示に背く形で、なぜ、海水を注入し続けたのでしょうか。

 「ひと言で言うと、あの時点で現場は生きるか死ぬかでしたから、もし(海水注入を)止めていたら死ぬかもしれない。そういう気持ちでいたということはお伝えします」
 「(Q.判断は間違っていなかった?)間違っていなかったというよりは、入れ続けないといけないと思っていた。その手順でいろいろあってご迷惑をおかけしましたけど」(吉田昌郎所長)

 「止めていたら死ぬかもしれない」。吉田所長の説明はさらに続きます。

 「海水を入れるというのは、その前から決まっていた。(海水注入を)ずっと我々も早くやりたくて入れていて、途中で1回中断という話がありましたけど、1回止めると何時間止めるか分からない。これはもう入れ続けるしかない。プラントの脇にいる我々からすると、生きる死ぬの話でしたから、それだけですね」(吉田昌郎所長)

 そのうえで、海水を注入し続けていた事実を本社に伝えなかった理由についてこう話しました。

 「(Q.本社に報告しなかった理由は?)忙しかったからですよ。1号機だけでなく2号機、3号機も危機的な状態が続いていた。その後も海水が漏れたり事象が起きていました。(報告を)忘れてはいないですけれども、いちいち前に戻ってどうのこうのではなく、第三者委員会ができれば、きちんと経緯を話そうと思っていた。タイミングが若干遅れたということ、非常に申し訳なく思っています」(吉田昌郎所長)

 吉田所長は、インタビューの最後に今回の原発事故について謝罪の言葉を口にしました。

 「福島県の地元の皆さんにご迷惑をかけたということ、これはこの事故が起こってから忘れたことはありません。本当に皆さんに申し訳ない。しっかり謝りに行きたいが、なかなかそういう状態にならない。そういう皆さんのためにも一刻も早く(事故を)収束させたい。サポート、応援いただければと思いますので、よろしくお願いします」(吉田昌郎所長)
(06日15:53)

最終更新:6月7日(火)5時35分

TBS News i

 
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