松山市発注工事で市の元職員が「裏金づくり」に関与したとされる疑惑で、裏金捻出に加担したと報道機関に証言していた孫請け会社の社長(56)が6日、県庁で会見し、現役市幹部と元職員の実名を挙げ「工事代金から裏金をつくって(元職員に)手渡した。政治資金として(市幹部に)渡すと聞いた」と話した。市幹部は報道陣に対し「根も葉もないこと」と金銭の授受を全面否定した。
社長によると、2001年ごろ、同市溝辺町の市之井手浄水場で元職員や公営企業局の課長=当時=から持ち掛けられ機械器具設置工事会社を設立。少額の市発注工事の下請けをしていたが、元職員から「課長が(02年に)死去し、政治資金集めの役目が回ってきた」と言われ、大可賀雨水排水ポンプ場機械設備工事など01~03年発注の高額工事を孫請けとして受注し、裏金を捻出してきたという。
大可賀の工事では下請けから支払われた2000万円の手形を現金化し、うち1600万円を元職員に現金で手渡したと説明した。
市幹部は、この元職員と知り合いであることは認めたが、金銭授受や工事情報の提供について「全然知らない」と強く否定。元職員はこれまでの愛媛新聞社の取材に応じていない。