仮設住宅 当選の7割入居せず
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仮設住宅 当選の7割入居せず

6月4日 19時36分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

津波で大きな被害を受けた宮城県南三陸町で、町内の仮設住宅に当選した世帯のおよそ70%が、実際には入居していないことが町の調査で分かりました。入居すると食料や物資の支給が打ち切られるため、避難所などで生活しているとみられ、町は説明会を開いて、1週間以内に入居しなければ部屋を明け渡してほしいと求めることにしています。

南三陸町ではおよそ2000世帯が仮設住宅への入居を申し込んでいますが、用地の確保が難しく、着工できたのは50%余りにとどまっています。このため、入居は抽せんで決められていて、これまでに町内に完成した仮設住宅では、およそ300世帯が当選して鍵が渡されました。ところが、3週間以上が過ぎた今も、およそ70%にあたる200世帯ほどが、実際には入居していないことが町の調査で分かりました。中には、荷物を運び入れただけで生活していない住民や、鍵を受け取っただけで住宅に行ってさえいない住民もいるということです。町は、仮設住宅に移ると食料や物資の支給が打ち切られることや、光熱費などを負担しなければならないため、避難所などで生活を続けている住民が多いとみています。こうした事態に、入居できなかった住民から「自分たちに譲ってほしい」という不満の声が上がっていることから、町は5日にも当選者を集めた説明会を開き、1週間以内に入居しなければ部屋を明け渡してほしいと求めることにしています。南三陸町の遠藤健治副町長は「仮設住宅に入居するということは自立するということ。食材等の確保も自分でやらないといけないので、不安になるのだと思う。義援金の配分などで不安を解消していきたい」と話しています。