放射性物質拡散予測、またはシミュレーションの解釈を間違えるとデマのもと

4/4の読売新聞に「日本で公表されない気象庁の放射性物質拡散予測」と題する記事が出ました。紙版にも同じものが出たようです。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110404-OYT1T00603.htmLink

冒頭を引用すると
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 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、気象庁が同原発から出た放射性物質の拡散予測を連日行っているにもかかわらず、政府が公開していないことが4日、明らかになった。

 ドイツやノルウェーなど欧州の一部の国の気象機関は日本の気象庁などの観測データに基づいて独自に予測し、放射性物質が拡散する様子を連日、天気予報サイトで公開している。
...............

となっています。気象庁の話はあとで書きますが、問題はこの記事に付けられた図版です。これはドイツ気象庁の拡散予測の結果で、説明には

...............
ドイツ気象局による福島第一原発から出た放射性物質の拡散分布予測(日本時間4月5日午後9時を想定)。原発からの放出量は不明とした上で、色が濃いほど、濃度が濃い傾向にあるとしている(ドイツ気象局のホームページより
..............

と書かれています。この図を見るといかにも関東以西の太平洋側には、九州に至るまで放射性物質が大量に拡散したような印象を受けます。図の説明どおりなら、これが4/5午後9:00の予想だというわけです。

この記事がきっかけなのか、あるいはそれ以前からなのか、このドイツ気象庁の予測を取り上げて、「こんなに放射性物質が広がっている」という主張がネット上に多く見られました。不安に思ったかたも多いようです。

しかし、これはまったくの誤りです。実際、各地の放射線のレベルは毎日発表されており、東京では完全に平常時の値になっていますから、この説明は何かおかしいと気づくべきでしょう。

では、この図は何を表しているのか。幸い、元のドイツ気象庁のウェブサイトを日本語に翻訳しているかたがおられます。未読のかたは、以下の山本堪さんのサイトをどうぞ。

http://www.witheyesclosed.net/post/4169481471/dwd0329Link

これによれば、この図は「発電所からの仮想上の放出が天候条件によってどのように分布し希釈化されていくのか」を予測したものです。どうやら、朝6時に放射性物質が放出されたとすれば、今後どのように広がるかという予測になっているようです(放出条件についてはあまりよくわかりません。たぶん朝6時なのだろうという程度で)。
読売新聞の説明では単に「原発からの放出量は不明とした上で」と書かれていて、これでは放出そのものはあったかのように勘違いしてしまいますが、そうではなく、「放出があったと仮定」なのですね。
ですから、これは現実の放射性物質の分布を表したものではありません。現実には放射線レベルは下がってきています。

これを野尻美保子さんなどとtwitterで議論していたところ、kamimariさんというかたから、実際にドイツ気象庁に問い合わせたというコメントをいただきました(4/5 11:11の@kamimariさんのツイート)。

....................
私も少し前にある雑誌記者の図のみのツイートが拡散されているのを見て、ドイツ気象庁にメールして確かめました。翌朝にはご説明の通りの内容の返事をしていただきました。シミュレーションという言葉の意味を勘違いしている方が多いんだと思います。
......................


これは「シミュレーションとは何か」について考えさせられるいい例題になっています。僕たちは計算機シミュレーションを研究道具に使っているので慣れていますが、そうでないかたには「現実とは違う計算機シミュレーション」という概念自体、なじみがないかもしれません。しかし、現実とは違うさまざまな設定で計算機シミュレーションをするというのは、ごく普通のことです。どういう計算をするかは、何を知りたいかという目的によります。ドイツ気象庁は「仮に放射性物質が放出されたとすれば、その後どうなるか」を知りたいからこの計算をしたわけです。実は日本の気象庁もIAEAの要請によって、同様のシミュレーションをしています。

もうひとつ、この図で注意したいのは、色で表されている濃度が対数表示であることです。色が一段階変わるごとに濃度がひと桁(ひと桁の半分とかかもしれませんが)ずつ変わる、つまり、色が薄くなると、その色で表現されている濃度は濃度は急激に小さくなるわけです。こういう対数表示は、濃度が低いところを詳細に見るには適していますが、いっぽうで、一見すると実際よりもはるかにたくさんの放射性物質が拡散しているように思わせてしまいかねないという問題もあります。実際には中程度の色の部分でも「非常に薄まっている(considerably diluted)のです

というわけで、読売新聞の説明は不十分、というよりもミスリーディングで、これのために誤解が広まったようです。さて、読売新聞の記者はこれをどういうつもりで書いたのか。本当に意味を知らなかったのか、あるいはわざとやったのか。単に説明不足では済まないように思いますが、どうでしょうか。

さて、気象庁の予測シミュレーションの結果も公表されました

http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/kokusai_eer.htmlLink

詳しくは説明を読んでいただきたいのですが、これはドイツ気象庁の計算と同様に「仮に放射性物質が放出されたとしたら」という仮定のもとでの計算です。説明によるとIAEAの要請は「72時間にわたって1ベクレルの放射性物質が放出される」という仮定で計算することだそうです。たとえば、計算例として挙げられている

http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/EER/eer_sample.pdfLink

を見ると、4/2の12時(たぶん世界標準時・・かな)から72時間にわたって放出が続いた場合が示されています。もちろん、これは現実に福島の原発から放出されているという意味ではありません。


日本の研究機関のシミュレーションがなかなか発表されないのは問題なのですが、だからといって外国のシミュレーションを見て「なんの目的で、どのように行なったか」を調べもせずに「大変だ大変だ」と大騒ぎするのも、まずいでしょう。それは結局「デマ」以外のなにものでもありません。これをなんの注釈もなく紹介したマスコミや「大変だ」と大騒ぎしたジャーナリストなどは、情報を読む能力がないだけでなく、「デマの発生源」にもなっているわけですから、反省してもらいたいものです。訂正なり反省なりがない限り、僕ならその人たちの言うことを今後信じませんね。

なお、現状に即したSPEEDIというシミュレーションについては、改めて書くかもしれません

[追記]
あらゆるシミュレーションは「なんのために」「どういう条件で」がわからなけれぱ、意味がありません。シミュレーション結果を見る側も伝える側も、そこに注意するべきでしょう。
ついでですが、仮に現実の条件を使ったとしても、何日も先までのシミュレーションがどれくらい正しいかといえば、あまり期待しないほうがいいと思いますよ、個人的には。
現状は、毎日発表されている線量データに注目しているほうがいいと思います

[追記]
ドイツのシミュレーションの条件はわかりません。「ずっと出続けているとしてある日の6時以降の拡散を計算する」なのかなという気もします。どなたか、わかるかたがおられればご教示ください。どこかに技術的な詳細が出ているのだろうと思います。
また、もともと「どれだけ放出されたか」は考えていないので、あくまでも放出量を基準としたときの相対的な拡散量を計算したものです。だから、読売の「原発からの放出量は不明とした上で」という説明が間違っているというわけではないのですが、それでもこの説明だけでは却って誤解をまねくでしょう。
[追追記]
http://www.dwd.de/bvbw/generator/DWDWWW/Content/Oeffentlichkeit/KU/KUPK/Homepage/Aktuelles/Konzentrationsvorhersagen__en,templateId=raw,property=publicationFile.pdf/Konzentrationsvorhersagen_en.pdfLink
には、continuous point sourceと書かれているので、ある時刻以降ずっと放出し続けるという仮定のようです。
それから、改めてチェックすると対数だということは明記されていないようなのですが、他のシミュレーションと比較すると、対数であることは間違いありませんね(気象庁の計算と比較してみてください)

[追記]
気象庁のシミュレーションを発表しなかった理由は、避難の役に立たない(目的が違う)からだということはわかりましたが、発表しないと勘ぐられるという面もあるので難しいところです。きちんと説明をつけて発表すればよかったのではないかとは思います。SPEEDIも発表が遅れた理由はなんとなくわかりますが、これもきちんと説明をつけて発表したほうがよかったのでしょう。

[追記]
気象庁のシミュレーションにはたくさんの注意書きがあるので、ぜひ読んでください。計算条件や計算精度について書いてあります。「100kmは誤差のうち」という点など。

[追記]
拡散シミュレーションについて、既に他のエントリーでコメントをいただいています。これもぜひお読みください

masudakoさん(3/21、早い!)
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1300643454#CID1300687196Link

げおさん(4/6)
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1301510533#CID1302022243Link

それから、野尻美保子さんのブログにも僕よりはるかに見識の高い内容が書かれているので、合わせて。

― posted by きくち at 04:25 am commentComment [248] pingTrackBack [3]

この記事に対するコメント[248件]

1. kurita Website — April 6, 2011 @04:40:34

↓ 日本からも拡散予測が公開されたことを報ずるこの記事ですが…
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110405-OYT1T00872.htmLink
もう少し、色の使い方に気を使ってもらえないもんだろうか、と思いました。 色が濃い方が降下予測量が多い、というのは良いとしても、「赤」という色が特定の意味をもつことを考えると、真っ赤、というのはあまりにも刺激的というか、無神経に過ぎませんか。 (色をつけたのは読売でしょうか?)

↓ 毎日の方は「実態を表したものではないので注意してほしい」と明記してあるところとか、好感が持てます。 (科学関連記事で毎日を褒める日が来ようとは!:)
http://mainichi.jp/select/today/news/20110406k0000m040086000c.htmlLink

2. Mehehe — April 6, 2011 @06:16:31

ドイツにおいても、これが拡散の現状と誤解しているドイツ人が結構たくさんいます。読売のミスリーディングは批判されるべきですし、それを脊髄反射的にRTしまくるツイッター利用者もどうかと思うのですが。

3. zorori — April 6, 2011 @06:03:55

各国の拡散予測を見ていると、継続的に一定量の放出があるという仮定のように見えますが、そのあたりどうなんでしょう。数日から数週間の予測でも、放出源付近の色の濃さは変わりません。IAEAの指定する条件の「放出の想定時間」はどうなっているんでしょうかね。


「この結果は国内の対策には参考になりません。」と言うことは、国際的な対策にIAEAが使うというなんでしょうか?国内の行政や政府も使えないとなると、国内の一般人はお出かけの参考にもならないような気もします。毎日の風向予報でも見ていた方がよさそうです。

4. zorori — April 6, 2011 @06:26:14

すみません、「72時間にわたって1ベクレルの放射性物質が放出される」と書いてあるのを見落としました。日本の気象庁はその期間の拡散予測をしているようが、各国はもっと長い期間の予測もあって、その期間に渡って放出が続いているという仮定なんでしょうか?

Up5. リオ Website — April 6, 2011 @06:07:19

[挨拶]
:)核と書く時各国が核拡散防止条約を拡大解釈して核物質の海洋投棄をしたので核を持つ資格を欠くと書かれて、オハヨウゴザイマス。

[はじめに]
:D先生がご指摘になっている気象シュミレーションの話を読んで、海流シュミレーションのことを思い出したので書かせて下さい(無関係と判断されれば消して下さい)。

[沿岸部の海流は著しく遅い]
8-)カリブ海油田事故の時に海流シュミレーションを検討してみたことがあります。その時、シアフロー(ちょっと違和感有る表現ですが、速度差の有る流体界面の現象と同様のことが沿岸で起きる、の意味です。)の特徴で、カリブ海流は大西洋に勢いよく流れ出していたのに、沿岸部では停滞していました。
;-)そこで福島県近傍でも同様に、北から南へ流れる親潮は、強力に流れて原発からの排水を薄める効果が大きいと考えられますが、沿岸部では停滞して希釈効果が低いと考えられます。

[汚水の初期値が大きい]
:Pまた、昨日の排水の放射性物質の濃度は、大気への放射性物質と異なりの無視できない程濃かったので、大気シュミレーションの読み方とは逆に、問題有りと見ます。つまり、廃棄された汚水の初期値が大きいので明確に現れるかも、と見ます。
:oさらにギザギザな形状の海岸と浅瀬が海流停滞に効くはずです。

[沿岸で排水してはいけない]
:(そこで、どうせ排水するのであれば、今運んでいる浮島タンクに排水を積み込んで、沖合で廃棄すべきと考えます。
(TT)そうすれば、工場排気を煙突から出しているのと同様に、より早く希釈され、福島沿岸近傍での漁業被害の程度が小さくなるとか、短期間で基準値以下になるとかいった効果を期待できるかも、と書いてみました。

[このままではハイエナ新聞の餌食に]
):Tさらに、沿岸部の海洋シュミレーションにハイエナ記者が気付くと、ここぞとばかりに積極的に書いてくるかも。なので、大阪大学から厳しく解説してやって下さい。

6. エス — April 6, 2011 @07:36:54

マスコミだけではなく政府も悪い。
データ公開して、ここで書かれてるような内容を説明してればこんなことにはならない。
マスコミも海外の情報を持ってくる必要なかった。
此処でのマスコミ批判は政府に情報隠蔽の理由を与える気がします。

7. Don太 — April 6, 2011 @08:01:43

http://www.asahi.com/health/news/TKY201104050616.htmlLink

普通、事故直後に基準を一時的に引き上げて、1ヶ月もしたら累積線量が問題になってくるから基準を下げるのが常識。

事故直後は隠蔽工作に走り、どれだけ放射性物質が放出されているか不明でごり押ししようとして、当然基準の変更もできず。今になって、米軍に計れといわれて、ようやくしぶしぶ退避圏内で測定を始め、その数値が基準を超えないよう緊急時の基準をとりあえず最大限に適用してお茶を濁すとか、まさに曲学阿世。下種の極み。こんなのが専門家面する原子力業界は、どこまで腐っているのか。

厳しい基準が日本ブランドを守っていたが、もはやそれを投げ捨てた。

8. キクチコヘイのラッパ — April 6, 2011 @07:58:23

讀賣と産経の報道は、今に限った事じゃないですが、単に政府批判(→政権交代?)に結び付けたいだけなんじゃないかと思いますね。ドームナイターを潰されて、未だに怒り心頭なのでしょう。

9. Hotta — April 6, 2011 @08:11:56

精度の問題はあるにしても、原発周辺や各地の線量測定値でどのタイミングで放出されたかある程度分かっているはずですよね。仮定ではなくもっと現実に近い推測値をインプットしたシミュレーションって出来ないのでしょうか(すでに誰かはやってるんですかね)?放出量の絶対値が不明なら、シミュレーション結果と実測値を比較してイタレーションすれば、今起きていることの理解も深まるし、今後の予測の精度も上がると思うのですが。

Up10. disraff — April 6, 2011 @08:17:22

ありがちですが、
× シュミレーション
○シミュレーション
です。「シムシティ」とは「都市のシミュレーション」の意、と覚えておくと忘れにくいかと思います。

今回の場合、実際の放出ソースはむしろδ関数に近いんじゃないかと思うのですが、そういう条件のシミュレーションはやられてないのでしょうか。

11. のざわ温泉 — April 6, 2011 @08:38:38

直感的に普通の人が確率密度のシミュレーションデータを見れば、エロ写真を見るのと変わらない現象が起きることを、ドイツの気象庁は知ってたのか?と言うところに焦点を当てています。

但し書きがキチンとしていたから問題ないと思うのは、結局は但し書きを読めば正しく情報を受け取る能力がある人を前提にした話だと思います。

確率密度データなんて説明されても結局読めないから、気象予報士なんて商売もなりたつわけで、新聞屋に、そこまでの性能を期待するのは、現実問題ちょっと無理だと思います。

直感的にエロ写真だと思った記者がエロ記事を書いたと言うのが事の真相では無いでしょうか?

12. A — April 6, 2011 @08:44:17

政府と東電が発表すべきではないでしょうか。
原発から出ている数値を測り、風向きの拡散予測から、
各地への影響の大体の数値予測を出すべきでは。
そうすることで、数値が少ないのであれば、風評被害も
収まってくるし、高いのであれば、なるべく避ける方法も
とれます。
もちろん、何らかの理由で放出量が増えたら、その都度
報告を。今、出される情報が、後手後手になっているから、
皆不安を抱き、海外サイトに頼らずを得ないのでは?

13. 技術開発者 — April 6, 2011 @09:00:40

こんにちは、皆さん。

実の所、なんで、そんなシミュレーション結果で騒いでいるのか良くわからないんですね。というのは各地の実測のデータが刻々と官邸ホームページで更新されて公表されている訳です。

http://www.kantei.go.jp/saigai/monitoring/index.htmlLink

これを定期的に見ているだけで、シミュレーションよりもはるかにリアルに今の大気中拡散の状況は理解出来る気がするのです。

Owner Comment きくち  April 6, 2011 @10:53:12

はい、実測データがきちんと公表されているので、それを見ているほうがずっとよいです

シミュレーションが実測と違うときに、「日本の発表する実測データはごまかしだ」と思い込む人もいるのでしょうが、実際にはいろいろな機関が測定していますから、そう簡単にはごまかせないですよ

Up15. kitten — April 6, 2011 @09:11:37

 ぱっと見で悪そうなニュースには飛びつきやすいんでしょうね。

 逆に言うと、各地の実測データの実態が、
「ぱっと見で問題すくなそう」だから、ニュースになりにくいのかも。
(微減傾向続いてますし。)
累積で高くなってしまっているところはあるので、そこはニュースになってますよね。

Owner Comment きくち  April 6, 2011 @10:53:57

原発の北西側は濃度が高く、大きな問題だと思います

17. yukke — April 6, 2011 @08:40:37

僕は経験上、シミュレーションはあくまで行動の指針を決定するものだと理解していたので、分析結果をみて誤読してましたが、こういう予測かぁ、実態とちょっと違うし精度高くないのかな、と思ってただけでした。
分析能力のない人間が見て行動するのは、情報を与えない以上に危険なので、こう言った論調が非常に気持ち悪いです。(読売の記事の方です)

政府が説明しろ、といっている方もいますが、説明しても現状政府を信じてない方々は信じないのではないでしょうか?
そもそも、実測値を公開しているのに、この説明をしないとわからない人にただのシミュレーション結果を公開する意味はありますか?
海外のシミュレーションどおりに放射性物質が散布されているはずだ、実測値は改ざんされている!という論調はおめでたすぎて、どんなデータを与えても同じことをいいそうです。

大半がSPEEDIという単語を知ったから、そんなもんもあるのか!なんで公開しないんだ!と野次馬根性で騒ぎ立ててるだけにしかみえないですね。

東電の根本的な対応の悪さ、政府対応が後手後手にならないようにケツをたたき続ける必要はありますが、記者が無知であることがネットで少しずつ検証されていく様ももっと書かれるべき時かもしれません。

18. bonstar — April 6, 2011 @08:26:10

周りにせっつかされて今頃あまり実効性のなさそうなシミュレーション結果を出すというのはいかがなものでしょうか。わざわざIAEAの依頼書の翻訳までつけて。ふてくされている様子がありあり。

今してほしいのは、事故当時にどのような危険に曝されていたかの検証です。点としてはすでに実測がある程度あります。その実測値の上に面をシミュレーションして他に危険が及んでいたのではないかを探ることができるはず。汚染拡散が一気にすすんだ 3/15、3/16、そして雨が降った3/21-23などを徹底的に追求してもらいたい。

すぐにはできないのであれば、当時計算していたものを提示すべきではないでしょうか。毎日2回計算していたということですから。問題が起きているのは岩館村だけなのでしょうか。人があまり住んでいない地域も含めて追求すべきではないでしょうか。

19. SF物理マニア — April 6, 2011 @08:57:23

>#1. kurita — April 6, 2011 @04:40:34

色の問題は、温暖化(擬似)シミュレーションはましですね。
黄色の部分は必要ではなく、オレンジ色部分以上をもう少し細分化をしたほうがいいと思う。

>#5. リオ — April 6, 2011 @06:07:19

汚染水は、処理プールに蓄えるより、タンカーを使いは太平洋の海流等の影響のない海域に放棄すべきであると思う。

Up20. 技術開発者 — April 6, 2011 @09:41:48

こんにちは、yukkeさん。無駄話です。

>そもそも、実測値を公開しているのに、この説明をしないとわからない人にただのシミュレーション結果を公開する意味はありますか?

その昔、ずいぶん反りの合わない上司に当たった事がありましてね。なんて言うかひたすら、いろんな資料を出させる訳ですよ。結構分厚い奴ね。でもって、その資料を読んで参考にしてくれるなら、まだやりがいもあるんだけど、大抵は積まれていくだけでしてね。でもって、簡潔な説明みたいなものが必要になると、やはりその説明も作らされる訳ですね。その簡潔な説明をつくる元になるのは、上司の手元に出した分厚い資料と同じ手元のデータなんですね。私に作らせるなら、分厚い資料を出させる必要なんて無いということで、結構反発したりした訳ですね(私も若かった:笑)。

私は「民主主義というのは君主の地位に国民の総意が座っている政体」なんて言う言い方をする訳ね。つまり大臣というのは「臣」という字がついているみたいにあくまで家来ね。だから国民は政府の上司であるわけですよ。そういう意味では「部下をうまく使う上司であって欲しいと思いますね。

21. ハッター — April 6, 2011 @09:48:16

ドイツのシミュレーションはずっと汚染源から放射性物質が出ている設定なのは図を見てわかりました。関西の方に拡散する予報の前に北海道にやってくる予報があったので、その辺の日には、モニタリング情報をちょくちょく見ていました。雨が降ったりもしたのですがまったく線量は増えませんでした。

ヨウ素の減り方を見ても
3月15日あたりに何があったのかがわかると良いですよね。

22. のざわ温泉 — April 6, 2011 @09:47:47

>周りにせっつかされて今頃あまり実効性のなさそうなシミュレーション結果を出すというのはいかがなものでしょうか。

だって日本のは5億円掛かってるし、読売みた人達から日本のも税金掛かってるから出せよと言われれば、出さざるを得ないわけでしょ。

あんたら出すのはいいとして、出したらちゃんと読めるんかい?とも言えないわけでしょ?

だから頼まれれてもいないのに、どういうつもりでドイツは勝手に公表までしちゃったの?と思うわけです。

おかげで実質は、最高の風評派生装置としてSPEEDIが活躍しちゃっています。

Owner Comment きくち  April 6, 2011 @10:19:37

SPEEDIは気象庁のシミュレーションとは別で、結果は一度だけ発表されています。原発の北西側で濃度が高いなど、現実をうまく再現しているようです(南側の分布は実際とは角度がずれているように見えます)

24. むっちん — April 6, 2011 @10:32:36

お初です。この記事を読んで急に不安になり、オタオタし始めたムチムチの無知な大阪在住のむっちんです
今回の発表はあくまでもシミュレーションであり、実際にこの通りになるとは限らない(そもそも実際に放出されている数値を基準にしていない)
又もし風向きや放出量がこの通りの結果になったとしても、風向きどおりに放射性物質が流れ着くとは限らない
そして、流れ着いたとしてもその量は24時間365日浴び続けても(体内被曝は考慮せず)、成人における国際的な基準値に迫るものではない
という認識で大丈夫でしょうか

UpOwner Comment きくち  April 6, 2011 @10:43:52

今後、放射性物質の大きな放出があって、拡散する可能性はあります。
しかし、数日そこにいたくらいでどうこうなるようなレベルになる可能性はまずないでしょうから、あわてずに、放射線レベルの実測値を見ているのがいいと思いますよ。

今のところ、シミュレーションは避難の参考にはならないようです

26. のざわ温泉 — April 6, 2011 @10:41:12

>この記事を読んで急に不安になり、オタオタし始めたムチムチの無知な大阪在住のむっちんです

そうですよね。それが普通の反応だと思います。

なにやら科学的に相当カネの掛かる難しい計算をしないと、いけないなんて相当事態は悪化してそうに見えますよね?

けど大阪に居るなら、さっぱり関係無い話です。
これから原発が最悪の場合、爆発しても大丈夫。

27. 技術開発者 — April 6, 2011 @10:37:49

こんにちは、むっちんさん。

>大阪在住のむっちんです

書き込まれる方が「どこに住んでいるか」を言っていただけると、とても話がしやすいですね。とりあえず、大阪の実測データを示しますね。

http://mextrad.blob.core.windows.net/page/27_Osaka.htmlLink

大気中は自然放射線のレベルが続いていますし、水道水中も検出限界以下です。

>今回の発表はあくまでもシミュレーションであり、実際にこの通りになるとは限らない

既に現実と合っていません。近隣他県のデータもご覧になると良いと思いますが、風向きとかで変わる範囲以上に合っていないと言って良いと思います。

>そして、流れ着いたとしてもその量は24時間365日浴び続けても(体内被曝は考慮せず)、成人における国際的な基準値に迫るものではない
という認識で大丈夫でしょうか

その認識で問題は無いのですが、私なんかは、米ソの原水爆実験が盛んな1960年代に基準値以上の体内被曝もしていると思いますが、今のところ何も問題有りませんのでね。「じゃあ基準値ってなによ?」みたいな話になってしまうんですけどね。基準値そのものが、ものすごく安全側に倒して設定しているという事も認識した方が「心安らか」かも知れません。

28. テツ — April 6, 2011 @10:32:18

シミュレーションに限らずですが、色々な情報それぞれにそれを出さない理由をつけて、こういう事情なのであまり意味を持たない、もしくは混乱をきたすだけなので出しません。
という形で言ってもらえればいいのですが。
その理由が技術寄りで一般に理解されないものであれば、わかるジャーナリストがきちんと租借して曲げずに伝えてくれれば、と。
内部では当然、これは言うべき、言わないべき、という検討はした上で各種発表をしているはずで、言わないには言わないなりの理由が必ずあるはずですね。

その話に何も触れないというのははたから見れば、何もしていない、もしくは隠しているのと同義なことになります。
(関連するかどうかISO9000などでは、チェックリストが空欄になっていると、それは何も確認していないという意味だと捉えられ、チェックマークでも何でも入れるよう是正されます)

その積み重ねで政府にも東電にも不信感がどんどん蓄積してきているように思います。

Owner Comment きくち  April 6, 2011 @11:02:27

はい、政府は今「役に立たない情報で混乱させない」ということを優先させすぎているように思います。
これが陰謀論的な解釈を生んでいるので、むずかしいところですが、やはり充分な説明とともに公開するほうがいいのではないでしょうか

Up30. のざわ温泉 — April 6, 2011 @11:06:00

>やはり充分な説明とともに公開するほうがいいのではないでしょうか

充分な説明をつけて公開した場合、正しくメリットを受ける人と、その逆の人では、どちらが多いと思われますか?

私は、結局は後者のほうが圧倒的に多いと思っています。

実際の所はわかりませんが。

31. 技術開発者 — April 6, 2011 @11:07:34

こんにちは、きくちさん。

>やはり充分な説明とともに公開するほうがいいのではないでしょうか

理想的にはそうなんだけど、現実は難しいのね。一番難しいのは「充分な説明」の部分ね。何を持って「充分」って言うのかなのね。説明を聞いた人が100%「なるほど」となるのが充分なのか、95%なのか60%で良いのか、とかね。実は、社会のコミニュティー内の補完機能(つまり、説明がわからなかった人に周囲が補完説明をするということね)が充分にあると60%くらいでもパニックとかは起きないんだけどね。今の日本の都会では、その部分があまり機能しなく成っている面がありますからね。

少し無駄話を書くと「日本政府は国民に隠し事をする政府」というのは、いろいろとネットで不安を煽る人の前提条件みたいになっているんだけどね。

その前提で言うと、
1.福島原発の事故は当然国内に発表されずに、外国のモニタリングで指摘されて始めて国民は知ったのですよね(チェルノブイリの時がそうだった)。
2.原発の周りの住民は非常に高い放射性ヨウ素が降り注いでも知らされずに、充分に浴びてから避難させられたのですよね(チェルノブイリの時がそうだった)。
3.原発の漏洩閉じこめには、国の命令で集めた労働者が使われていて、放射線に関する教育も防御もなく従事させられているのですよね(チェルノブイリの時がそうだった、4000人くらい死んでいる)。

なんて言いたくなったりするんです。

32. げお — April 6, 2011 @10:58:50

今回の気象庁の計算がどんなものかというと、技術開発者さんが引いてくれた
http://www.kantei.go.jp/saigai/monitoring/index.htmlLink
を例にとれば、ここにある図の範囲がほぼ100km四方(もうちょっと広いかも)です。つまりこの範囲を平均化したデータしか扱っていません。発生源強度もこのエリアを平均したものになりますし、得られる結果もそうです。(エリアの切り方が一致してるかどうかはまた別です)

下手に情報を隠したり小出しにするよりはきちんと出すほうがよいというのは原則そうなのですが、たぶん今のままだと結果の図の数倍もの説明をつけなければならず、ほとんどの人が読まない保険の約款みたいになりそうで難しいところです。その意味ではいわゆる「科学リテラシー」の問題の一つなのでしょうけれど。

33. YNB — April 6, 2011 @10:50:39

1Beqの放出で1E-10,1E-23などと但し書きしても、一般の人々は色の濃淡の印象だけしか受け取りません。また、「規制値」は疑いの目で見られており、たとえば、過去1週間の平均的な放出量の10倍が1日放出された場合に、急性障害が1000(000・・・)人に1人、1年間で癌の発症者1000(000・・・)人の中で1人増えるといった日常語に近い具体的な危険を明記した表現で範囲を表示しなければ、一般の方々は当然としてメディアにも理解できないと考えています。
このブログにたどり着く人は理系人が多いのか、一般の方々に判るシミュレーションを出さなかったことへの危機感が小さすぎるように思います。各地の実測値が出ているのでそれを評価しろというコメントは理系人の単なる優越感の表明ではないでしょうか。みなさんはその数値で不安を抱える周囲の「一般人」を説得できましたか?気象台の気圧を見て等圧線をイメージできる人が限られるように、放射線量数値について様々な解説を聞いても多くの人は自分にかかるリスクの理解は難しいでしょう。
すでに日本の科学・技術力・システム運営能力、そしてそれを伝えるメディアに対する信頼は地の底まで落ちてしまいました。現状では人々にとって学術的な正確さなど無価値です。権威ある理系人として学術的に正確な評価がどうこう言っても一般の人々を納得させるのは至難です。オオカミ少年になることを恐れずに、人々に向けて直接、少し大げさな日常表現で警告を発するべきではないでしょうか?人々は、もう一言も信用できない政府発表と、それを垂れ流すメディア以外理解できる日本語の情報がないので、海外の濃淡で判る動く図を高く評価するのです。一般の人々が理解できるように情報を届けるのも科学・技術力です。
原発災害の発生を防ぐことができず、発生後の悪化を防ぐことができず、適切な警告を人々に届けられないなら日本自前の科学技術力になんの価値があるのでしょうか。

34. ハッター — April 6, 2011 @13:18:39

海洋への汚染物質の拡散のシミュレーションは停電で計算機が動かせなかったというのが主な理由であまり進んでいなかったようですね。

Up35. disraff — April 6, 2011 @13:27:51

>YNBさん
現状、日本のほとんどの地域で「大げさな日常表現」はむしろ不適切な状況であると認識しています。「適切」かというとそうではないのかも知れませんが、ものによっては若干不必要なほどには警告は出ているのではないかと思います。

36. 電気屋 — April 6, 2011 @13:24:29

>1Beqの放出で1E-10,1E-23などと但し書きしても、一般の人々は色の濃淡の印象だけしか受け取りません。

 そこが問題。
 件のシミュレーション図は図表なので感じ易いが、解り易いワケではないのね。そもそもシミュレーションって仮定積み上げた上の試算であるってのすらどれだけ解ってる人がいるのやら。

>各地の実測値が出ているのでそれを評価しろというコメントは理系人の単なる優越感の表明ではないでしょうか。

 優越感も何も、難しくもなんともないコトですよ?
 言ってみれば、晴れてるのに観測されてもいない台風の予測にオタついてるよーなもんです。「台風が来たらこーなる」て話と、「台風が来る」て話はぜんぜん違う。
 ただ、ヴィジュアルな情報公開はできたはずでは?とは思うな。
 実際の放射線のモニタリングを件のシミュレーション図みたいな地図にかぶせた図表にするのはそんなに難しいことじゃないはずだのに、ただ表で生の数値を羅列するだけじゃ感じ取れない。ホンモノはこっちであって、シミュレーションは仮想の言ってみればニセモノってのに、インパクトが逆転してるのはそのせいだと考えます。
 政府のコメントでも「モニタリングは強化していく」と言っていて、たしかに観測密度自体は高まってるのだろうけど、それを示すプレゼンテーションはお寒いんじゃない?て感じてます。なんでしないのかな。
 毎日地図にかぶせた放射線強度観測結果を速報してれば、より多くの人が実際の状況を理解できるはずです。
 なんつか、みんなリアルよかヴァーチャルが好きだったのね、みたいに思っちゃうヨ。

37. まっつん — April 6, 2011 @12:18:46

十分な説明は必要ないから、はじめからオープンにすれば良かったのでしょう。中途半端に情報を絞るから、何か裏があるのではないかと勘ぐられるのだし、後手後手の対応が、それに輪をかけたというところでしょうね。まぁ、今の政府・県に限らず、過去にも公害を隠蔽してきたさまざまな実績がありますからねぇ。信用してくれと言う方がムリな話なのかも。うちのばあちゃんは、戦時中の日本とそっくり、と言ってましたよ。トラブルが起きたときは最初が肝心。これ社会人なら常識w

38. 落花生 — April 6, 2011 @14:01:40

#33 YNBさん

政府でも学者でもない東京都水道局が
「大人には問題ないが、念のため乳児は水道水の摂取を避けてほしい」
と発表した結果、どういうことが起きたか、考えてみてください。
この表現は正確さを欠いていたでしょうか。
一般には分かりにくい表現だったでしょうか。

皮肉なことに市場から水が消えて最も困ったのは、最も保護されるべき乳児たちでした。


> 一般の人々は色の濃淡の印象だけしか受け取りません
> 現状では人々にとって学術的な正確さなど無価値です

と、あなた自身が言い切るような社会状況のときに、

> オオカミ少年になることを恐れずに、人々に向けて直接、少し大げさな日常表現で警告を発する

ことがどのような結果をもたらすか、想像に難くないはずです。

YNBさんがもし、「自分の飲み水が安全ならそれでいい。乳飲み児がどうなろうと自分の知ったこっちゃない」というお考えなのでしたら、私からは他に何も言うことはありません。

39. 技術開発者 — April 6, 2011 @13:51:52

こんにちは、皆さん。無駄話です。

私は悪徳商法批判サイトで悪徳商法の被害者がお金を取り戻したりするのを励ましたり知恵付けたりとかしていたんですけどね。でもって、そのサイトには私みたいに被害者をなんとかしてあげたいという人が沢山居たわけです。ずいぶん沢山の被害者が全額じゃなくても、お金を取り戻すのを見てきた訳だけど、そういうサイトでももてあます相談者に「泣き寝入りアドバイスを求める人」というのがいる訳ね。つまり、本人はもう泣き寝入りする気が満々なんですね。でもって、こっちが「こうやれば良いよ」なんてのは一切聞きはしません。とにかく欲しいのは「それは無理だから諦めなさい」という言葉と「可哀想だね」みたいな慰めの言葉だけなのね。「そんな人が居るのか?」って言われそうだし、私も最初のうちは「心のどこかではなんとかしたいと思っている」と信じて色々アドバイスしたりもしていたんだけど、そういうどうにもできない相談者がいることは居るわけですよ。

なんていうかな、今日本には「危険だといって欲しい人」というのがやはり或る程度の比率でいるのかも知れないと思ったりします。「この程度だと何も問題はありませんよ」なんて言う情報は全て嘘としか思えなくて「危険だ」という情報だけが真実だと思い込んでいる様な人ね。そんな人に何を言っても無駄なんじゃないかと思ったりします。問題はそういう人が、「政府は嘘しか言っていない」と言いふらさずに、国外移転でもなんでも自己責任でやってくれるなら、何も問題は無いんですけどね。しぶとく自分が「全く信頼できない」と思っている政府が対応している国で、科学者やマスコミも含めて「信頼出来ない」と言い続けられるとけっこう迷惑だったりしますね。

Up40. むっちん — April 6, 2011 @14:23:03

皆さんとても速い反応いただき有難うございます

>きくちさん
仮に大きな放出が有ったとしても、瞬時には福島から何百キロ単位で離れた地域に害が及ぶ事は無い
又その放出によって何百キロ離れた地域に放射性物質が飛散した場合でも、数日そこに居たくらいではどうこうなるとは考えにくい
つまり、万一及んだところで避難すれば充分間に合う為シミュレーションに意味が無く、それよりは現在の実測値に注意せよという事でしょうか
何分こういった事に慣れておらず、言葉のコミュニケーションを慎重に行いたいのでしつこくなってます、申し訳ないです

>のざわ温泉さん
自分は、”かの”有名な武田氏のブログ→NATROM氏の日記→こちらという順で辿り着いておりまして…
そういったモノ自体の存在は承知してましたので事態の悪化という認識は余り無く、
「風がこっちに吹くのか!偏西風で関西は大丈夫なんじゃないの!?もしかしたら自分に危害が及ぶかも知れないぞ!!!」
という寧ろ、自体の悪化の心配と言う恥ずかしい考えから、こちらで質問させていただきました

>技術開発者さん
こんにちは。
示していただいたリンクは書き込む前に確認させてもらってました
ただその時は、予測する事こそが重要で有ると思ってましたので余り注意深く見てませんでした…
基準値の件にしても、明確なご回答いただけて感謝しております

41. kitten — April 6, 2011 @14:09:32

 最初から公開すべき、という意見は私はどうかなぁ?と思います。

 こうなってからであれば、そりゃ、最初から公開すべきと思いますが、
そうなる前の時点で、公開するという判断ができたかどうか・・・。
もし私が担当者なら、公開できたとは思えませんね。

 公開したところで、「現実のデータと違う」とか、「かえって混乱を招く」とか、「縦割り行政の弊害」とか・・・。
どっちにしても、批判されることに変りはないんじゃないかと。

 原発に限ったことじゃありませんけど、そういう「後出しじゃんけん」
のような批判は、どうかと思います。

42. テツ — April 6, 2011 @14:24:21

> 技術開発者さん、

> 今日本には「危険だといって欲しい人」というのがやはり或る程度の比率でいるのかも知れないと思ったりします。

これは同感です。
今、日常感じている異常や、あらゆる不信感から、「原発は危険である」ということ以外信じない人が少なからずいると思います。
もう誰がなんと言おうと危険と言ってくれないと気がすまない。
(だからといって私が安全と思ってるわけでもないですが)
そういう人たちは「危険」を強調してくれる人や情報に同調しがちですし、危険をことさら煽る傾向にあります。

そこに中途半端な(技術的にはきちんとしていても受け手が理解し切れない限り中途半端の域を出ないと思います)説明つきの情報が来れば、渡りに舟(ちょっと意味的に不適切?)とばかりにその情報から、危険性を見つけ出し、ことさらに危険を感じて、さらに煽っていくリスクは少なくないと思います。
また、そこに乗っかるジャーナリストも公の場で発言して、それがまた広がってというリスクももちろん。

実際最初にシミュレーションを報じたところはその意味を理解しきれないうちに「わかりやすい絵柄」として出してしまったため、こうして今シミュレーションは云々と論議になってしまった感もあります。

43. 技術開発者 — April 6, 2011 @15:14:27

こんにちは、電器屋さん。

>毎日地図にかぶせた放射線強度観測結果を速報してれば、より多くの人が実際の状況を理解できるはずです。

官邸のホームページは、もっと細かいタイムスケールで、地図に被せたデータが示されているし、私のとっている新聞(朝日ですが)には、毎日そのデータが載っています。私には、よくわからないんですよ、政府に文句を言っている人たちが、政府に何をさせたがっているのかがね(マジでです)。

なんていうかな、上に「危険だといって欲しい人」と言うのが居て、それ以外の言い方を受け付けないなんて書いたけど、「政府は無能だ」という以外の言説はいっさい受け付けない人は、もっと沢山いる気がします。もともと民主主義国の国民やマスコミというのは、政府・政策のチェック機能として働くべきなので、「良くやった」なんて褒める必要は無いんだけど、やっている事を「やっていない」と無視するのはどうかと思います。

44. CID — April 6, 2011 @15:10:48

>実際にはいろいろな機関が測定していますから

そうなんですよね。
精度はともかく、いろんな学校や機関が測っていて、いわゆる反原発の人たちまでも。
だから政府が隠していても、シミュレーションがどうであっても、クリティカルな数字が出てればあっさりとばれてしまうんですが。
役に立たないどころか誤解を招くマスコミって残念です。

原発に限らず技術開発者さんのコメントを読むたび、民主主義というのは主権者にそれ相応のレベルがないと・・、と暗澹とした気持ちになります。
子供たちの読解力不足が指摘されていますが、大人の読解力テストなんてやった日には目も当てられないことになると思いますf(--;

Up45. ぶんや — April 6, 2011 @15:31:34

はじめまして。いつも、kikulogを読ませていただいております。中途半端に教育を受けた「文系人」からみますと、ここでの議論は「イラっ」と来ることが多いのですが、まさしくそれは、中身のある議論をされているからであり、またしばしば痛いところを衝かれているからだと感じております。

放射性物質拡散についての情報公開をめぐる議論を拝読していて、改めて感じましたが、個人的には、kikulogのコミュニティの論調は、技術を「提供する側」の論理に収斂していく傾向があると思っています。(そのことはコミュニティとしては、あまり深刻に自覚されていないわけですが、それを求めるのは過剰な要求というものでしょう)

kikulogに出入りするような、「洗練された技術屋」が科学技術やアカデミズムに対してとる態度は、方法的な楽観主義(が不適切なら「前向き思考」)のようにみえます。それは、ともかくもそれらを信頼しなければ、物事は一歩も改善していかないという、健全な確信からきているのでしょう。

これは、習性(エートス)のようなもので、人文・社会科学系の人間が、「国家」や「政府」や「権力」、そして「科学技術」等々…に対する不信感をどうしてもぬぐえず、いくら留保を付けたところで、心の底では常にそれを警戒していることと、少し似ているのかもしれません。(「いや似ていない」と反論されそうですが)

「技術屋」が信頼をおくのは、良くも悪くも「事実」と操作しうるかぎりの技術であって、「人間」や市民ではありません。どのようにしたら、結果として情報が正確に過不足無くいきわたるかも、人間の権利の問題ではなく、「工学的」な問題として処理されるのだと思います。

一方、「文系人」からみると、「たかが一介の技術者連中や(これまた政策科学の技術屋である)官僚が、情報の公開の可否を決めるなどとんでもない。それは根底的には一般市民が決める”政治的”問題だ」と考える傾向が強いと思います。はっきりいえば、技術屋が主体となって情報をコントロールような世の中は、背中をケムシが這うくらい「生理的にイヤ」「ふざけんな」、というのが本音だと思います。

さらにいえば、こういうkikulog的な態度は、まさしく技術屋の病理で、それこそがこうした原発事故を生み出す一つの土壌になったのだ、と短絡されることすらあるでしょう。

で、思いますに。たぶん、こういう「文系人」からの根強い反発を打ち負かすか、少なくとも一定程度取り込まない限り、事実として、ここで議論されているような論調が社会的影響力をもつことはないと思います。
(そもそも、大きな社会的影響力を志向しているとも必ずしも思えませんが)

46. 落花生 — April 6, 2011 @15:27:19

#39 技術開発者さん
#42 テツさん

> 今日本には「危険だといって欲しい人」というのがやはり或る程度の比率でいる
> もう誰がなんと言おうと危険と言ってくれないと気がすまない

同感です。
さらに言えば、「原発が危険である」と「福島第一原発の現状が危険である」の区別ができなくて、現状で大きな危険はない、という説明をすると「原発推進派のウソにだまされるな!」というレッテル張りの非難をされる傾向も感じています。

実際、福島第一原発の事故に対しては冷静に構えてるけど、今回のことで原子力利用に消極的な立場へと意見を変えた人って、かなりの数いると思うんですけどね。(私を含めて)

47. 技術開発者 — April 6, 2011 @15:40:05

こんにちは、ぶんやさん。

理系か文系かわからなく成っている私が言うのも変なんだけど、私に言わせると、ぶんやさんの言っている事が全く逆に見えるんですね。

>技術屋が主体となって情報をコントロールような世の中は、背中をケムシが這うくらい「生理的にイヤ」「ふざけんな」、というのが本音だと思います。

きくちさんが、No.28へのコメントで「やはり充分な説明とともに公開するほうがいいのではないでしょうか」と書かれている様に、純粋な理系人間なら、「基本は情報開示」と思うと思います。私の中の理系の部分も常にその方向です。No.31で、私はそのきくちさんの発言に対して「理想的にはそうなんだけど、現実は難しいのね。」なんてコメントしていますが、これは、むしろ私の中の社会学とかを勉強してきた文系のセンスが言わせている面があります。

このブログでは過去に「理系」「文系」みたいな区分について議論した事があります。或る意味で、そんな区分には実際の意味はありません。私はいぢわるな人なので「私は文系ですから」なんて言い方で責任逃れをする人には、「じゃあ社会学として議論しますか?それとも法学で語り合いますか?経済学でやりますか?」なんて言ったりします。本当の専門でやっている文系の人には当然かなわないと思いますが、或る程度の議論ならついていける自信はあります。

では、ぶんやさん、情報公開の判断基準について社会学を基礎として文系センスで議論しませんか?

48. テツ — April 6, 2011 @16:50:38

難しいところで全ての日本人を納得させる解は無いと思うのです。

正しい技術情報を十分に出せば、それを理解する人は正しいことをしていると納得するからまあよしとして。
性格その他個々によるのですが、理解できない部分があった時悔しいから分かるように調べまくる人と、わからないのが不満、で終わる人。
その双方を満足させる情報開示の方法ってあるのでしょうか?
それが無ければ議論の収束は見られないと思います。

もうこれは今となってはですが、情報開示の仕方で政府は信頼を失う(というか災害以前にかなり失墜していたわけですが)という大失態をしてしまったわけです。
信頼を持たれていれば、細かい理屈はわからなくてもこうしていれば安心という言葉も受け入れてもらえるし、詳細が知りたい向きにはリクエストに合ったデータを示すということで収めることもできたはず。

が、今は何を聞いても信用できない(けれど日本はもう終わりですと言われれば多分信用しそうな)という人が増えてしまったが故(どれくらいかわかりません。ネットで不満を書き込む人が、全く書かずに身の回りにしか不満を言わない人とどれくらいの割合で存在するかわからないので)、この掲示板含め国内外からあらゆる情報をあさっているということなのかな、と思います。

一旦失った信頼を回復するには難しいことで、単に次から気をつけて説明しますというだけでは回復できないだろうこと。
これは文系理系とか関係なくどうすればよいかしっかり考え、どう誠意を持って根気良く接するかというコミュニケーションの問題と思います。

49. lucky Website — April 6, 2011 @17:48:14

シミュレーションはいいですが、問題は風+αだと感じます。(QQ)食べ物や水、多くの不安要因の足し算されていくこと。
人が吸い込めば体内蓄積され?足し算で算出された総量は個々に判らないから不安なのでしょう。
直接的な因果関係は立証できないですが、日本において癌患者が
多いのはどうしてでしょうか?私は遺伝だけではないと思います。因果関係が立証できなければ、これも妄想ですが。
記事の内容から反していたら失礼しました。

記事を読んだ時、胸騒ぎしたので。


皆様のお体にご自愛ください。

UpOwner Comment きくち  April 6, 2011 @18:21:59

日本で癌死亡率が急上昇している主因は高齢化です。
これは、完全にはっきりしていまして、高齢化の効果を補正する「年齢調整」を行なうと、女性については1960年頃から一貫してガンによる死亡は減っていることがわかりますし、男性は微増だったものの今は明らかな減少傾向です。
つまり、日本人は癌で死ななくなってきているものの、高齢化の速度がそれを上回っているために、癌による死亡が急増しているように見えるわけです

結論は簡単で、癌以外の病気で死ななくなってきたということです

51. LiX — April 6, 2011 @18:07:17

アメダスに放射線量測定器が積んであって「今日の放射線量の移り変わり」とか言って、お天気のお姉さんが毎日解説してくれたら便利なんですが。

52. disraff — April 6, 2011 @18:03:47

luckyさん>
他国に比べて日本において癌患者が多いかどうかは存じませんが、日本において癌患者が「昔に比べて増えている」理由の筆頭に挙げられるのは長寿(高齢)化ですね。要するに、癌になる前に死ぬ人が減ったからです。

Owner Comment きくち  April 6, 2011 @18:22:35

あ、すでに答えていただいてましたね

54. ぶんや — April 6, 2011 @18:36:31

>技術開発者さま

レスありがとうございます。

>理系か文系かわからなく成っている私が言うのも変なんだけど、私に言わせると、ぶんやさんの言っている事が全く逆に見えるんですね。

そうですね。このあたりの認識については、やはり「本音」を伺ってみたい(あるいは失礼を承知で言えば”探り出して”みたい)ところです。

例えば、今回、黒木玄さんなんかが面白いことをツイートしておられたんですね。
http://twitter.com/genkuroki/status/52688384853934080Link

私には、早野龍五先生や、野尻美保子先生のような方が、科学者、あるいは技術畑の方の多数派であるとは思えませんし、むしろ良心的なマイノリティかと思います(事実、例に挙がっているのは、あまたおられるはずの関連・周辺分野の研究者のうち僅か二人ですから・・・)
そもそも「権力への意志」みたいなものは、潜在的なものですから、当事者の自覚や言明を、さくっとそのまま信用するわけには、さすがにいかないわけですね。

理系の方は、しばしば社会学などを勉強されて、社会学の論点を先取りする形で、「あなたたち文系人の言いたいことは分かるけど、現実の科学者はそんなにナイーブではなくてだね・・・」と一生懸命に弁護するのだけど、あまり人は説得されませんし、「素朴な科学者」(社会心理学には naive scientist model というのがあります)像は、全く根拠のないものでもないので容易に崩れない、と個人的には思っています。


#そもそも、理系/文系といった種の区別は、論理的に厳密に定義なり区別なりされるようなものではなく、その区別を用いて何らかの現象を理解する際に「意義」なり「利益」があるかどうかの問題になりますから、「区別出来ない」という言説はちょっとスジが違っていると思います。(文系研究者の用いる概念や仮説は基本全てそのようなものです)

#もちろん、「血液型性格診断」のように、大衆的なイメージが堅固であるからといって、区別が実態に即したものという保証はありませんし、さらに言えば、区別そのものが目的になると「差別」になりますから大変危険ですが


さて、それで、本題の情報公開についてなんですが、私の感覚から言いますと、多くの社会学者は「できうるかぎり情報公開せよ」と答えると思うんですが、そのようには言いそうにない社会学の考え方として、一体どのようなものを想定されているか、少し具体的にご教示いただければと思います。(そんな人、学説は存在しない、という意味ではなく、純粋にどのへんの議論なのかなぁと)

一般論として、無限に詳しい情報を公開することはできませんから、つねに「できうるかぎり」という限定はつくわけですが、例えば「正確な情報を発信することが、直接、間接にパニックを惹起するから」という論理で公開しないのは、特に危ういと思います。
また、「一般市民には情報を読み解く力が無いので、この情報は公開すべきでない」といった理由も、しばしば見かけますが、これも非常に危ういといいますか、サラっと流してはいけないような危険な言説だと思います。

Up55. テツ — April 6, 2011 @18:44:10

> ぶんやさん
仕事の上での事とこうした日本全体を巻き込んだことを同列に考えていいのかどうか疑問は大きいですが、という前置きの上で。


何かしらの問題が起こったとき、その内容について技術的説明が必要な場合が多いです。
解決しました、あるいはこういう手段で解決を試みようとしていますという時に。
それがしばしば専門外の人にも説明しなければならないこともあり(というか会議の席上でそういう人が入っていることが少なくなく)。

そういった時、以前は専門外の人にも話を聞くからには曲りなりにでも理解を得られるよう話の厳密性よりわかりやすく例えて話そうとしていました。
すると専門外の人は何となく理解するのですが、あくまで何となく自分なりのスキルの中で消化し、じゃあこうすればいい、と提言してくることがあります。
が、その内容は何となくの理解の上に成り立っているのでほとんどの場合的外れです。
けれどその的外れなアイデアも、その発言者が力を持つ人物であれば、ごり押しされてしまうこともあります。
それにより余計な時間、労力を割かなければなりません。

そういった経験から最近は、厳密にかつ専門的に、最低限の専門知識が無いと理解できないように(もちろん嘘を言うのではなく正確に話すのです)話します。
もちろん、その専門外の人は理解できないからくすぶるものはあるでしょうが、事をスムースに運ぶ方策です。

どっちがいい方法というのは私はわかりません。
とりあえず自分にとってのいいと思った方法を取ってるだけです。


今のケースではどうなのでしょう?

56. lucky — April 6, 2011 @19:00:09

#52への解答
レスありがとうございます。
その根拠は?どのソースを用いてますか?

ソース元なければ原発情報のデマと同じ。

結局、大衆はしらないことだらけなのだと思います。

お悔やみ申し上げます。
(これにて。失礼しました)

Owner Comment きくち  April 6, 2011 @19:47:03

癌死亡についてのデータはいくらでもあるし、すぐに出てきますよ。

たとえば、年齢調整した部位別データなら
http://www.fpcr.or.jp/publication/pdf/statistics2010/fig11.pdfLink

「癌 死亡率 推移」などで検索してみてください

これだけ簡単に手にはいるデータを「デマ」と表現されるのはいただけませんね。

58. TAKESAN — April 6, 2011 @19:13:54

今晩は。

もう来られないという方の言った事を採り上げるのも何ですが。

年齢調整とガンなどの言葉を組み合わせて検索でもすればいくらでも出て来る話なのに、大衆云々と仰ってよく解らない話をされて去っていく、というのは何なんでしょうね。

59. ヤマト — April 6, 2011 @19:08:42

ガン患者数の増加と死亡率について補足をさせていただきますね。
私は発癌メカニズムと分子標的治療薬の解析技師なので。

戦前戦後あたりでは、日本人の死因の多くが「感染症」でした。
いわゆる、不治の病といわれていた肺結核のような、細菌による感染症が多く占めていました。
これらの病気は、現在は「抗生物質」といわれる特効薬を飲むと完治します(戦前には、なかった)。
風邪のときに病院でもらうような薬だけで治る(死なない)ので、長生きできるようになりました。

ガン発生リスクは、年齢があがるほど高くなる(体内に取り込んだ発癌性物質や放射能、加齢による細胞損傷などが増える)ため、みかけ上では増えてみえます。
新興国では、薬が足りないので、子供が感染症などで若くして死ぬため、平均寿命が下がり、ガン発生確率も下がります。
先進国と日本を比べると、差は有りません。

データがほしいのであれば、アメリカ癌学会誌(キャンサーリサーチ)あたりを論文検索で検索して、読んでいただければよろしいかと。
ネイチャーでもいいですかね。
遺伝や食生活による、国や地域の違いでのガン発生しやすい臓器は異なりますが、日本人が原爆の影響でガンが多いとのデータはありません。

Up60. 落花生 — April 6, 2011 @19:30:10

#56 luckyさん

#49の菊池先生のコメントはご覧になりました?

データとしては、このへんでしょうか。
がん年齢調整死亡率・罹患率年次推移

http://www.fpcr.or.jp/publication/pdf/statistics2010/fig18.pdfLink

ちなみに、#49
> 日本において癌患者が多いのはどうしてでしょうか?

にも、ソースらしきものは全く提示されていないことも付け加えておきますね。

Owner Comment きくち  April 6, 2011 @19:49:52

あ、同じところからのデータが示されていましたね
ありがとうございます

62. com — April 6, 2011 @19:56:13

こんばんは。 
 
ぶんやさん、comからもいくつか質問させてください。 以下の引用 
 
>中途半端に教育を受けた「文系人」 
 
などと、謙遜なぞ必要無いかと思います。また、わざわざ「文系」と括るのもどうかと個人的には思いますが…あ、これは感想であり、質問ではありません。 
 
一連の情報伝達において、comは明らかなリスクコミュニケーションの失敗と愚考しておりますが、いかがお考えでしょうか?これは、東電やコメンタリの学者さんだけではなく、一次情報発信者全てが受信者層をどう設定したのか、この辺りの思いっきり振り出しの辺りからコケたのではないでしょうか。 
 
実は、この話題、出したくてずっと我慢していたのですが、今現時点ではなく、もっと状況が落ち着いた後でも良いな、とは思っていたのですが…あえてこの時期を選んで書き込まれたようですし、どうお考えなのかを伺えるのが非常に楽しみです。 
 
可能な限り、メタな議論ではない、実りのある議論をしたいところですね。

63. と — April 6, 2011 @18:16:24

技術開発者さん、こんにちは。

私は以前、技術開発者さんが悪徳商法の解約交渉を詰め将棋に例えられていたことを、印象深く記憶しています。それは、情報を公開することで不利になるのではないかと恐れる相談者を安心させるためだったかもしれませんし、なにか切り札をうまく叩きつけることで業者をへこましてやろうという相談者を戒めるためだったかもしれません。ともかく、契約に至った経緯の全てを丁寧にまとめて、最善手を打っていけば、問題なく解決するということだったと思います。

最近では、病院にいくと、お医者さんが(こちらが理解できなくても(++!))詳細に病状と治療方針を説明してくれます。そのおかげで、病気という敵に対してお医者さんと一緒に戦うという心構えになります。しかし、ここでお医者さんが説明をサボると、疑念が生じることになります。病気という敵に対しては、手の内をさらしたところで別に問題ないはずなのに、情報を隠してポーカーのようなゲームをするということは、お医者さんが敵だと思っているのは人間(つまり自分)なのではないかと。

今回の件も、本来の敵は発電所の事故であるべきだし、そうであるという共通理解がなければ、戦い抜くのは難しいと思うのです。そこで詰め将棋を放棄してポーカーのようなゲームを始めると、一般市民を出し抜いて自分達だけ何らかの利益を得ようとしていると疑われて、良いところが無いように思うのです。

もっとも、そういった疑念を起こしてでも、パニックを防げれば、その利益のほうが大きいという考え方があることも理解できます。ただ、そうした場合、パニックを防ぐためであって、情報を独占して利益を得ようとしているわけではないということについて、説明責任が出てくると思います。説明責任というのは、ある種の難しい線引き問題ともいえます。どの情報を出してどの情報を出さないか。それに頭を悩ますよりかは、情報を説明する手間のほうが、なんぼかましなのではないかと思うのです。

さらに、パニックが起こったときの不利益は、どの程度かということもあります。今回、東京の水道局の発表によりペットボトルの買占めが起きたのは、むしろよかったことだと思うのです。こういうことが起こるという経験が得られた一方、今回ペットボトルが得られなかった乳幼児にもリスクがほとんどなかったからです。本当にリスクがあるときに、ぶっつけ本番でやらなくてすんだことは僥倖とも思えます。そのため、私は些細なことで開示をしないほうが良いという意見には否定的なのです。

以上、技術開発者さんのおっしゃる理系的な感覚に偏った上にまとまりのない意見で申し訳ありませんが、投稿してみます。

64. YMN — April 6, 2011 @19:58:28

>ソース元なければ原発情報のデマと同じ。
 
1、ソクラテスは人間である。
2、人間は死ぬ。
3、ソクラテスは死ぬ。
 
 1と2を前提として3を導くのにソースを示す必要はありません。
 
1、高齢になるほどがんのリスクが増大する。
2、日本は高齢社会である。
3、日本ではがんで死亡する人が多い。
 
 上の2つは議論の余地のない常識的な事実で、これから3は必然的に出てくる結論になります。
 
>お悔やみ申し上げます。
>(これにて。失礼しました)
 
 直感、思いつき、感情だけでなく、少しは考える、せめて30秒は考えてみることをお奨めします。

Up65. YMN — April 6, 2011 @20:55:55

 濃度が対数表示であることを考慮せずに図を見ると、あたかも汚染が増大しながら広がるように見えてしまうことになります。
理系以外では「対数表示」がピンと来ない人の方が普通でしょうし、濃度に対応した色の濃さにすれば、急激に薄まりながら広がる現象がもう少し直感的に捉えやすかったことでしょう。
 
 ドイツ語が得意な日本人は滅多にいませんし(少しかじった人は結構いますけど)、日本語が得意なドイツ人がそう多いはずもなく、日本語とドイツ語の世界の(英語を介さない)直接的な情報の通路はかなり狭いことになりそうです。
対数表示、シミュレーション、ドイツ語はそれぞれある種の分かりにくさがあり、その複合効果にさらにインターネットがデマの拡声器になってしまったようです。
 
 9.11陰謀論では数々の疑問点を投げかけて、「ほら、変でしょ、不思議でしょ」と疑問から陰謀論へと膨らませる形で、崩落現象など一般の人だけでなく専門家でも分かりにくく疑問があるのは当然で、その分かりにくさが9.11陰謀論の重要な仕込みになっているように思います。
それに比べると今回のデマは比較的全貌が捉えやすく、デマ研究において重要なエピソードのひとつになるかと思います。

66. ながぴい — April 6, 2011 @21:33:18

こっちのほうの話はどうなったんでしょ?

「放射性物質予測、公表自粛を 気象学会要請に戸惑う会員」
http://www.asahi.com/national/update/0402/TKY201104020166.html?__from=mixiLink
asahi.com, 2011年4月2日19時25分
『福島第一原発の事故を受け、日本気象学会が会員の研究者らに、大気中に拡散する放射性物質の影響を予測した研究成果の公表を自粛するよう求める通知を出していたことが分かった。自由な研究活動や、重要な防災情報の発信を妨げる恐れがあり、波紋が広がっている。』

「東北地方太平洋沖地震に関して日本気象学会理事長から会員へのメッセージ」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj/others/News/message_110318.pdfLink
日本気象学会理事長 新野 宏 2011年3月18日

これからも自粛されるのかな?

Owner Comment きくち  April 6, 2011 @22:02:07

これ、おかしいですよね
発表のしかたを考える必要はあるにしても、いろいろな計算があってしかるべきで、どうも納得いきません

68. zorori — April 6, 2011 @21:37:33

>YNBさん

>1Beqの放出で1E-10,1E-23などと但し書きしても、一般の人々は色の濃淡の印象だけしか受け取りません。また、「規制値」は疑いの目で見られており、たとえば、過去1週間の平均的な放出量の10倍が1日放出された場合に、急性障害が1000(000・・・)人に1人、1年間で癌の発症者1000(000・・・)人の中で1人増えるといった日常語に近い具体的な危険を明記した表現で範囲を表示しなければ、一般の方々は当然としてメディアにも理解できないと考えています。

そういう分かりやすい説明は各所で随分なされていますが,見たことはありませんか。別エントリー「地震・津波・原発事故に関する信頼できそう.な科学情報」で紹介されています。
もっとも,YNBさんにとっては分かりやすいそのような説明が理解できない,確率なんてピンと来ないという不満を持つ人は多いのですが。

ところで,急性障害は確率的ではなくて,ほぼ確定的なものです。

69. masudako — April 6, 2011 @21:28:15

気象学の態度、とくに気象学会理事長の発言についてのわたしの考えは次のところに書きました。
http://d.hatena.ne.jp/masudako/20110403/1301805917Link
気象庁が公開したシミュレーションの件は、もう少しわたしが理解してから、同じブログに書くつもりです。ともかくこれはグローバルスケールであり、SPEEDIはローカルスケールなので、基本は同じでも実用的意義はまったく違います。(前に紹介したオーストリア気象庁のものもグローバルスケールです。)

理事長を含む気象学者たちは、研究者によるシミュレーション結果をリアルタイムで発表するべきでないと判断しましたが、観測値を発表することに関しては否定的ではありません。また、シミュレーション結果を何か月かかけてよく検討したあと発表することはするべきだと考えている人が多いと思います。

残念ながら、SPEEDIを作った原子力安全技術センター以外には、気象学者と他の分科の専門家とが協力して、放射性物質の輸送から地上(土壌中など)のプロセスまでつなげて地上の線量を定量的に評価できるモデルを構築したチームはなかったようなのです。今の事態で気象学出身のシミュレーション研究者にできることは、発生源を仮想的に与え、大気中の輸送の部分だけは精度よく計算し、地上のプロセスを大ざっぱに計算することだけでしょう。過去の例によって精度を検証することもすぐには困難です。その結果を公開するのは、いわば製品検査をしていない製品を出荷するようなものであって、食品などの製造者ならばやってはいけないことでしょう。

研究者によるシミュレーションがすでにされているとしても、その結果は、この事情をよく理解できる人に説明して精度を検討してもらうべき段階であり、一般公開する段階に至っていないのです。

Up70. いまだ — April 6, 2011 @21:51:03

#63 と さま

結局は、臨床の現場での医師と患者さまとのコミュニケーションと、相似な事象が起こっているのだと私も思います。1対1のコミュニケーションである臨床の場でも、ミスコミュニケーションによる不幸な事例が発生してしまうことを考えると、対大衆である今回のようなケースは更に難度が高いわけです。

一般の科学者・技術者は、そのようなコミュニケーションの訓練を受けている訳ではないので、多くの場合、誤解ないし不満を与えてしまう結果になってしまうのでしょう。

最近medtoolsさんが、「医療とコミュニケーションについて」という本を出版されましたが、今回のケースにも妥当する話が多々みられます。また、ブログの最近のエントリでは、今回の件についても書いておられます。
http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/Link

そういえば、ステレオタイプなイメージについても、同書を出版する企画を立てておられる段階で、

  冷淡で、尊大で、独立心が強い。たいしたことを話すわけでもない
  のに、出会ったその瞬間から、 「あなたの問題点は全て把握済み
  である」かのような態度を取って、間違えがあっても容易にそれを
  認めない。
  
  医師という人種は、たぶんこんなステレオタイプを通じて、
  その人間性を理解される。

と論じられていました。
http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/169Link

71. GrayEye — April 6, 2011 @22:14:05

2ちゃんねるで見つけた情報の出所が2ちゃんねるだった、なんてのは典型的なデマなんでしょうね。

私が見かけたのは「5号機6号機倒壊の恐れ」って話でした。裏取ろうとして色々なニュースサイト回ったりした結果、元ネタが記者同士の雑談を勝手に配信したUstreamの動画だったという・・・

72. doku — April 6, 2011 @23:03:20

どの道、汚染水垂れ流してる時点でダメだろ。

Owner Comment きくち  April 6, 2011 @23:14:22

ダメにもいろいろあるという話ですよ。
どういう意味でダメかを考えないと

ダメなものは全部ダメというのを僕(たち)は「二分法思考」なんて呼んでいます。考えることを放棄しているという意味ですけれども

74. e10go — April 7, 2011 @00:08:20

癌で死ぬ人が増えたのは、こういう事でしょう。

1、昔は感染症で死ぬ人が多かった。
2、医学の発達と生活環境の改善で感染症で死ぬ人を減らした。
3、その結果、老衰か癌で死ぬ人の比率が上がった。

UpOwner Comment きくち  April 7, 2011 @01:38:31

癌死亡率が増えたのは、それ以外の病気で死なず、長生きするようになったからですよね

たしか、NATROMさんのブログにわかりやすい記事があったはずです

76. ROM歴三年 — April 7, 2011 @01:05:32

某所で、ドイツのシミュレーションの図を見たときに、「これは、困った。これほどとは・・・」が第一印象でした。
しかし、その図の内容を読み解こうとして、全く解りませんでした。色が何を意味しているか説明文を読んでもよく解らない。
付け焼き刃の知識を動員しても、色分けの色調が余りに変な感じでしたし、直感的な判断では原子炉から漏れ出している同位体の初期値がいい加減ではないかという考えに至りましたが、そこまで判断する能力に欠けていたので、専門的に関わる人達から、これがどのような意図で作られたもので、どういう目的・意味があるのかというのは、追々出てくるだろうと留保しました。
ぶっちゃけ、ここでの論客達の解説や、信頼出来きるソース開示に頼ったんです。
全面的に信じる訳ではなりませんが、私の知識や能力として一から検索して信頼できる情報を集めるより、ここをとっかかりとして、信頼できるそうなソースに行き着くことを期待しました。

そしてある程度満足する結果をえています。それについては、大変ありがたいと感じています。:)

生半可な科学ファンというのは、こんなものではないでしようか?
でも、私とは違う物差しの人達は別の判断をしているのかもという事はひしひしと感じていました。
でも、「のど元過ぎれば・・・」という予感は拙い経験からすると、十分にあり得るという予感がしています。

77. LiX — April 7, 2011 @04:54:22

>YMNさま、 — April 6, 2011 @19:58:28

>1、高齢になるほどがんのリスクが増大する。
>2、日本は高齢社会である。
>3、日本ではがんで死亡する人が多い。
 
> 上の2つは議論の余地のない常識的な事実で、これから3は必然的に出てくる結論になります。

癌のリスクの増大が全て加齢によるものというわけでもなく、放射線障害等その他もろもろでも起こりうるため、論理学的にすっきりとしていないわけでして、癌の原因に関する定量的な議論こそが必要であるということを補足させていただきます。

ついでに、
>技術開発者さま、 April 6, 2011 @10:37:49
>私なんかは、米ソの原水爆実験が盛んな1960年代に基準値以上の体内被曝もしていると思いますが、今のところ何も問題有りませんのでね。

1960年代にちょっとした奇形児として産まれて来た私としては、米ソ中とかの(中国も忘れないで)原水爆実験も妊婦には確率論的に微妙に影響したのかもなと感慨にふけることがあります。因果関係なし、影響なし、単なる偶然と言われるとみんなに存在を否定されているようで少々寂しいですね。私の心情とは無関係に、私は今のところ大して問題なく生きております。なお、私の妻は無頓着なため三人の子宝に恵まれて、三人とも大した病気一つしない健康優良児です。というわけで、皆さまはシミュレーションより実測値を見ながら、まだまだ安心して浴びて飲んで食って生きて下さい。

>YNBさま、 April 6, 2011 @10:50:39
>オオカミ少年になることを恐れずに、人々に向けて直接、少し大げさな日常表現で警告を発するべきではないでしょうか?

難しいのは、警告を発する方ではなく、まだそこまで警戒する必要はないと「逆警告」を発する場合かもしれませんね。こういうときは、どこの誰がどんな言葉を発しても疑われるし、叩かれることはあっても注目されないと思われます。「危険だといって欲しい人」は厄介ですね。

Up78. FROY — April 7, 2011 @04:57:20

またまた幼稚な質問ですみません。
前に書いた東海村JCO臨界事故のケースについてなのですが、
沈殿槽のジャケットにあった水が中性子を反射して臨界状態に陥り、
その水を抜き取ることによって臨界状態を終息させたと言われていますが、
水が中性子を反射するとはどういうことなのでしょうか?
ネット上で色々調べたのですが、うまいことみつかりません。
どなたかわかる方いらっしゃったらご教授頂けると助かります。

79. tadys — April 7, 2011 @05:53:34

>水が中性子を反射するとはどういうことなのでしょうか
同じぐらいの重さの物にぶつかると効率よく減速するのです。

小石を砂粒にぶつけると砂粒は弾き飛ばされますが小石の速度はあまり落ちません。
小石を大きな石にぶつけると跳ね返されて向きは変わるけど速度はそれほど落ちません。

水には水素が多量に含まれています。
水素の原子核は中性子と重さがほぼ同じなので水素にぶつかった中性子は減速します。

中性子の減速材としてパラフィンが使われることが有ります。
パラフィンも比較的に水素が多い化合物です。
水と違って腐ったり蒸発しないので安定して使用できます。

80. りっぴ — April 7, 2011 @06:07:17

こんにちは。はじめて書き込ませていただきます。
皆様の文章は興味深く読ませていただきました。

私自身は、読売新聞の記事を読んで、菊池先生がエントリ文でお書きに
なっておられるように正しく解釈できました。
要は、拡散分布の図の濃度は相対的な表現であることが
理解できるかどうかですね。

(なお、厳密に言えば、今現在も少量の放射性物質は持続的に
放出されているとおもわれますので、
>>放出そのものはあったかのように勘違いしてしまいますが、
>>そうではなく、「放出があったと仮定」なのですね
という菊池先生の文章は間違いだとおもいます)。

ところで、私は、読売新聞の報道は
>>単に説明不足では済まない
とは全然おもいませんでした。
というのは、新聞報道は一般的な事件などでも
むしろ今回のように背景事情を知っているか推理しなければ正確には
理解できない場合が多く、「説明不足」が常態だと思っているからです。

今回、読売新聞は最低限の事実を伝え、ウソは伝えてないとおもいます。
そこから先は、「読み手の力量」だとおもいます。
デマをにくむあまり、情報が出てこない方を恐れます。

81. りっぴ — April 7, 2011 @06:30:04

連投ですみません。

私自身は、この予想図は、大いに参考にしました。
というのは、現在、可能性は低いとはいえ、水素爆発や再臨界の
可能性がゼロではなく、その結果放射性物質の絶対濃度が増えた場合、
この予想図がその後の行動選択のために、
ある程度参考になるとおもわれるからです。

要するに、「最悪シナリオ」のときの参考になるのです。
これは、
>>毎日発表されている線量データ
では代替できません。

Owner Comment きくち  April 7, 2011 @10:58:06

読売の記事だけからそこまで読み取れるかたには、役に立つのではないでしょうか

ネットを見ていると、きちんと理解されたかたと「現在の事実」だと思い込んだかたとがおられるようです。

Up83. と — April 7, 2011 @06:54:48

いまださま、フォローいただきありがとうございます。

リンク先、興味深く拝見しました。ご紹介いただいた本も、ぜひ手に入れようと思います。

常日頃から、まったく前提知識を持たない人を相手にしているというのは、本当にプロの技だと思います。

84. キクチコヘイのラッパ — April 7, 2011 @07:53:56

>YNBさま、 April 6, 2011 @10:50:39
>オオカミ少年になることを恐れずに、人々に向けて直接、少し大げさな日常表現で警告を発するべきではないでしょうか?

大筋では間違っていないとしても、「イエロージャーナリズム化、2ちゃんねる化を促進せよ」とも言ってるように解釈できますね・・・。

85. 技術開発者 — April 7, 2011 @07:42:29

こんにちは、とさん、ぶんやさん。

とさんの例えてで言うと、例えば医師が患者さんに病状を説明して「こういう治療を行いましょう。なかなか急には改善しませんが3ヶ月くらいで症状が軽くなると思います」という説明で治療を始めたとしますね。その矢先、その医師の友人の医師が、診察もしていないのに「その病気だと、治療を1年くらい続けないと症状は改善しないと思う」と医師にメールしてきたとします(普通、医師は主治医の診療を尊重するので、あり得ない想定ですけどね)。さて、医師は患者さんに全ての情報を与えるために、この友人の医師の話を患者さんに伝えるべきかどうか、なんてね。

実の所、核事故がおきると世界中で荒っぽいシミュレーションをして結果を交換するというのは、チェルノブイリの時なんかは役に立ったんですね。なにせソ連政府が詳細を公表しなかったからね。色んなシミュレーションを付き合わせる事で、世界各国はソ連の事故の影響を見積もる事ができた訳です。今回は、日本政府はかなり詳細な実測データを初期から公表していますから、その荒っぽいシミュレーションの結果の価値はずいぶん低いものなんですね。「とにかく関係する情報なら何でも公開しろ」ではないと思ったりもします。

>多くの社会学者は「できうるかぎり情報公開せよ」と答えると思うんですが、そのようには言いそうにない社会学の考え方として、一体どのようなものを想定されているか、少し具体的にご教示いただければと思います。

直接という訳ではありませんが、社会心理学などでは集団心理、集団パニックの研究などが或る程度は進んでいますよね。とさんは「水の買いだめ」がおきて、結果として一番必要な乳児用の水が不足したことなどを挙げておられますが、これは防衛型のパニックの典型ですね。私が気にしているのは、モラルパニックなんですけどね。これはモラル意識が強まる事で生じる訳です。災害時には強いモラル意識つまり「良い事をしよう、悪い事を止めよう」という意識が喚起されやすくなり、その結果として、フォーク・デビルが生じやすくなる事が知られています。フォーク・デビルというのは、その「悪い事を止めよう」という時に「悪い事をしようとしている」と名指しされる者のことを指します。関東大震災の時のデマ被害などが有名ですが、デマに基づいて暴行や殺害を行った人たちは、「悪い事をする人間を止めよう」というモラルに突き動かされているわけです。現在、フォーク・デビルの部分が政府やら東電に向いているようにも思いますね。

他にも行動経済学で用いられる社会心理学理論にプロスペクト理論というのがありますね。一般には投資傾向を解析するのに使われますが、「100万円をそのまま貰うのと、200万円と0円の丁半博打をするののどちらを選択するか」という命題で普通の状態なら「そのまま貰う」方の選択がおきるけども200万円の借金がある人は博打の方を選ぶなんてね。これは利得に関しては堅実性を重視し損失に関しては投機的な回復を好んでしまう傾向です。災害が起きた時というのは基本的に何らかの形で損失を受けている事が多く、そしてその損失の回避に関しては投機的な行動が起きやすい訳です。

別に、自然科学者が情報の取捨選択をすべきだという事ではなく、単純に「国民は賢いから、きちんと分かる様に説明しさえすれば、正しい行動を取るだろう」という期待は、社会心理学的にこのような、モラルパニックが起きやすく、プロスペクト理論から考えて成り立つのかどうか、ということを気にしています。

86. のざわ温泉 — April 7, 2011 @09:08:32

話を心理学にまで広げなくても、たとえば対数の話が出ていますが、拡散データを読む為には、平均と分散などの基本的な概念を理解した上で情報を受け取る能力を必要とします。


分散は無理でも平均くらいは正確に、どんな人でも全員確実に捉えるだろう?と思いますかね?

知り合いの商業の高校教員は、一年掛けて生徒を電卓検定を受けさす為に計算を教えていますが、足し算そのものも出来ない子もかなりいるようで苦労しています。

そこは養護学校ではなく、成績は悪いけれど普通の人が行く高校で、こんな事が当たり前に起きている事なのですよ?

対数、平均、分散、などを電卓で足し算も出来ない子でも説明が正しければ、拡散情報を正確に受け取れる可能性そのものがあるでしょうか?

こういう人達には、生活が掛かった拡散情報は、確実に歪曲錯乱して伝わるだけのエロ写真でしか無いんです。

もちろんY新聞の記者もエロ写真と受け取ったようですが。

87. ながぴい — April 7, 2011 @10:05:56

>研究者によるシミュレーションがすでにされているとしても、その結果は、この事情をよく理解できる人に説明して精度を検討してもらうべき段階であり、一般公開する段階に至っていないのです。

まあ、いづれにせよ、新野理事長のやり方はあまり適切ではなかった、と思いますね。
気象学会がどんなとこか知りませんが、学会が会員の活動を規制しようとするのはおかしいと思う。

業績出さないと生き残れないのに、みんな我慢して、より正確なデータを出そうとするのが、普通の科学者だと思うのですけどね。

いっそのこと、
『シミュレーションなんて所詮仮想の話なんだから、ちっともあてになりません。そんなもん見るよりも、実測のモニタリングデータを見ましょう』
と言っちゃったほうがよかったような?

そもそもこの騒動は、「海外の予想」を見て勃発したのではなく、
「海外が予想を発表してるのに日本はしてない」から起こったのではないでしょうか?

あんな予想図なんて見ても素人にはよくわからない、ってのが実情のような…

Up88. tadys — April 7, 2011 @10:56:45

産経新聞が、「30キロ圏外の飯舘村一部は避難を 研究者「被曝限度1日で超す例」」と報道しています。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110406/fks11040612280001-n1.htmLink

上記の研究者と言うのはこちらの方でしょう。
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdfLink

89. Ely — April 7, 2011 @11:05:12

初めまして。
大変勉強になります。


日本で癌患者が増えている理由として、高齢化に加えて、診断技術の進歩、も入れておいていただけませんか。
X線、CT,MRI,腫瘍マーカー等、昔はなかった種々の検査法を駆使して、無症状の癌も発見できるようになっています。
昔老衰とされていた中にも、実は癌患者さんがかなり含まれていたことが推定されます。
出所は、といわれても、今すぐにはご呈示できませんが・・・調べたらわかることだと思いますので・・・

90. Isshocking — April 7, 2011 @12:26:52

Elyさん:
>日本で癌患者が増えている理由として、高齢化に加えて、診断技術の進歩、も入れておいていただけませんか。
初期癌の発見率と死因としての癌、すなわち末期癌を混同してますよ。
初期癌の発見率が上がっていれば、癌による死亡率は減少しているはずですが、そうなっていないのです。
で、死亡に至るような癌は臨床症状が老衰とは外観からして異なりますから、昔であっても大きく間違えることはなかったと思います。

91. 電気屋 — April 7, 2011 @12:27:56

 わを、流れが速いよ!

>官邸のホームページは、もっと細かいタイムスケールで、地図に被せたデータが示されている

 ええっ!なんと、ホントだ。コレはお恥ずかしい(汗
 実はウチは東京なもんで、ぶっちゃけ緊張感はないんですヨ。距離考えたらどー考えても福島が本気でヤバくなってからでも遅くないって考えられるから。
 なので、おっとり刀で先の記事の直前にドロなわで「放射線、測定値」でググってみたけど、官邸は上位に出てませんでした。引っかかってきたのは千葉だの東京だのの自治体による住所と測定値のリストばっか。
 官邸のマップも気象図の等圧線みたいに視覚化すればよりワカりやすくできると思いますけど、それでもただのリストよりはグッとワカりやすいですネ。
 正直集団ヒステリーみたいなの多いなって思う。なんていうか「パニクりたがり」こたいな。「てェへんだてェへんだ」って叫んでるけど、ナニがどーてェへんなのかよくわからんコト多いです。
 ネットのシロートはともかく、TVでコメント述べてる著名人にもそーゆーのちょくちょくってのはどーなのよ?
 周りの人の反応見るにつけ、理科に弱い人ほどあおり耐性低いって感じ。正直学校では英語より理科を教えろって改めて思っちゃう。
 理系のヤツらの上から目線がムカつく、みたいなのも見かけるけど、裏にはワカらないから必要以上にオタついてるっていう無意識の自覚があるのかも。でも、ハナから解ろうとしないで胸張って大いばりでオタつくってのはカッコ悪い。せっかくだからしつかり勉強してキチンと解るよーになってほしいナ。

92. Ely — April 7, 2011 @12:59:04

Isshocking さん、コメントありがとうございます。

データも示さず反論もできないのですが・・・
ただ、検査によって明らかになるのは初期癌だけではありません。初期癌だけを対象にしたつもりもありません。

かつては発見するのが難しかった膵胆道系の癌などは、検査法の進歩でかなり発見できるようになっています。

何年前と比較するか、にもよりますが、病院で検査して診断が付いて亡くなられる最近と、自宅で寝込んで往診にきてもらっていた頃とでは、死亡診断名のつけ方からして違っていると思います。

天寿癌といった概念もあるように、高齢者の癌では顕著な症状を示さない場合もありますので。

それから、臓器別に見ると、胃癌に関しては早期発見されるものも増えたため、死亡率は少しですが減少傾向にあります。
それでも残胃からの再発や、多重癌の問題もありますから、統計も難しくなっていますけれども・・・

Up93. さんちゃん — April 7, 2011 @14:31:24

だから、罹患率は上がっているけど死亡率は下がっているでいいのでは?

http://www.fpcr.or.jp/publication/pdf/statistics2010/fig18.pdfLink

94. と — April 7, 2011 @16:19:29

技術開発者さん、お返事ありがとうございます。

モラルパニックの話は興味深かったです。私も、正直なところ、あれだけお金を使って大口叩いてこのざまかい、と内心穏やかでないところもあるのですが、幸いずいぶん離れたところにいるということもあり、今だれかを悪者に仕立てかねない責任追及をやるのは違うなあ、と思うだけの心の余裕はあります。ただ状況的に追いつめられると、いろいろ問題が出てくるのですね。

実のところ、基本的にクローズドなものでしたが、15日ごろには、ある程度のシミュレーションを目にしていました。ドイツの気象庁が出しているものよりは細かかったですが、今から考えて本当に必要とされるようなレベル(原発の付近で北西に延びたホットスポットを予測できるような)とは程遠いものでした。ただ、そのときは、政府はこの程度のこともできないのか、という空気が漂ったことは確かです。

いざ実際にパニックに陥りそうであるというときには、お医者さんの例でいえばセカンドオピニオンが有効かもしれません。本来ならばマスコミがその任を担うのでしょうが、いかんせん説得力が足りません(++!)
私も今日知ったのですが、ネイチャー誌による解説なんかは選択肢になるかもしれません。
http://yokofurukawa.wordpress.com/2011/04/06/%e8%8b%b1%e8%aa%9e%e5%9c%8f%e3%81%ae%e7%b7%8f%e5%90%88%e7%a7%91%e5%ad%a6%e8%aa%8c%e3%80%8c%e3%83%8d%e3%82%a4%e3%83%81%e3%83%a3%e3%83%bc%e3%80%8d%e3%81%ae%e7%a6%8f%e5%b3%b6%e5%8e%9f%e7%99%ba%e4%ba%8b/Link

95. Ely — April 7, 2011 @17:41:30

さんちゃん さん、データをありがとうございます。
本題と離れたコメントで申し訳ありませんでした。


とー さん、Nature誌による解説のブログURL、ありがとうございます。
皆さんのご討論、参考に挙げられている資料、大変勉強になります。

96. bloom Website — April 7, 2011 @18:20:26

初めまして。
私のブログでこの記事が紹介されていたので、参考にさせて戴きました。

とりあえず、読売新聞のご意見箱のようなものには連絡しておく方が良いと思います。
私も新型インフルエンザ騒動の時は、正しくない報道によって引き起こされたパニックを問題視して、何度も新聞社などにメールをしました(ろくな返事はありませんでしたが)。

新聞の多くの記事を署名入りにして責任を明確にすると、もう少し質が上がるかも知れないと考えています。

Owner Comment きくち  April 7, 2011 @18:49:26

ありがとうございます。
読売新聞には連絡しておきました

Up98. ハッター — April 7, 2011 @19:29:37

韓国、小中学校の休校続出 雨に不安
韓国北西部の京畿道で7日、福島第1原発から放出された放射性物質の混じった雨が降る可能性があるとして、計126の幼稚園と小中学校が休園、休校となった。南西部の全羅北道でも休校や授業時間を短縮する小学校が相次いだ。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110407/kor11040717360000-n1.htmLink
これもシミュレーションの意味をきちんと理解していなかったのでしょうか。

99. いまだ — April 7, 2011 @19:06:40

#91電気屋さま 
「気象図の等圧線みたいに視覚化すればよりワカりやすくできる」
その通りだと思います。実は、私自身もそう考えて、公表されているデータを線形補間して等高線マップを作成しかけたのですが、既に発表されていました。
http://e-trees.net/mext_index.htmlLink

また、等高線マップではありませんが、このような視覚化も判りやすくて、しかも正確でよいですね。
http://www.naver.jp/radiationLink

等高線マップを正確に作ろうとすると測定メッシュの荒さが問題になるのですが、面的な測定の結果も公表されています。

たとえば、米国エネルギー省(DoE)が、空中測定システムを使って独自に調査した結果が公表されています。以下のブログの4月4日のエントリの4枚目のスライドです。
http://blog.energy.gov/content/situation-japan/Link

日本政府は何か隠しているみたいだから不安だという人も、これを見れば安心できるかもしれません。(英語で、しかも単位系が違うのがネックになるかもしれませんが)

100. baijing Website — April 7, 2011 @19:46:42

いわゆる「理系」の方々の発言に、良心的・理性的なものが多いことを大変頼もしく感じています。典型的「文系」人間としては、忸怩たる思いを禁じ得ませんが(新聞記者を含め、ただでさえ大変な問題を引っかき回してるのが我々「文系」じゃないかという気がしてきます)。

自分のブログで、日本人の多くが「突然ドラえもんを失ったのび太」になっていると書きましたが、スッキリと不安を解消してくれる依存対象を探し当てられずに逆ギレしている(言葉は悪いですけど)人が相当数いるようです。なんだか、クレーマーとか、モンスター○○って言葉を連想してしまいます。

科学あるいは情報のリテラシーによるところが最も大きいのでしょうけれど、そもそも自身で判断し、納得することに慣れておらず、完璧な安全(!)を希求したまま途方に暮れているというのが実際に近いのではないかと。潔癖な安全・健康志向が常態化していましたしね。

おそらく理屈ではないのだと思うのですが、にもかかわらず、正確な知識に裏打ちされた発言でなければ見向きもされません。「専門家」の信用が低下したと言われますが、現状で非専門家の無力さは変わりません。きくち様たちが煽動やデマを逐一叩くことの意味は、非常に大きいと実感します。

それにしても、ここでお書きになっていることって「難しい」でしょうかね。内閣府発表データを読んで判断することも、大層なリテラシーを必要とするようには思えないんですが。加減乗除しか満足にできない私でも、全く問題ない範囲内なんですけど。日本の「知」の水準って……。

これから大変だろうなぁと、背中がザワザワしてきます。

Owner Comment きくち  April 8, 2011 @00:18:55

僕自身、原発や放射線についてそれほど難しいことは言えないので。シミュレーションの一般論は言えますが。
実のところ、文系・理系関係なく、この程度のことは考えておられる方が多いと思います。ブログとかに書くかたが少ないだけかなと

102. kotaro — April 7, 2011 @22:51:02

はじめまして
日本の癌に関して話題が挙がっていますが、菊池先生が紹介しようとしていたNATROMさんの記事はこちらではないでしょうか。
どうして日本は癌大国になってしまったのか        
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20090718Link
日本の経年変化プラス国際比較も載っているので日本で特に癌死亡率が変化していないことがわかると思います。

UpOwner Comment きくち  April 8, 2011 @00:19:49

ああ、それです。ありがとうございます。
「むしろ誇りである」ですよね

104. FROY — April 8, 2011 @05:21:36

#79. tadysさん

レスポンスありがとうございます。
減速材としての水の役割は以前に教えて頂いて理解出来たのですが、
「反射」がよくわからないのです。

東海村JCO臨界事故の時は、粉末の酸化ウランを硝酸と水で溶解し、
それを沈殿槽に流し込んでいる最中に、沈殿槽内のウランが臨界量を超えて
臨界状態になったとされています。
この溶液の時点で既に減速材の役目を果たす水はあると思うわけです。
この臨界が20時間持続したのは、沈殿槽の周りにあるジャケットの冷却水が
中性子の反射材の役目をしたからとされています。
つまり、核分裂により飛び出した中性子はジャケットの水で跳ね返され、
飛距離を稼ぐことが出来たという理屈だと思うのですが、
なぜ水が中性子を跳ね返すのかが理解出来ないところなのです。

http://www.jaif.or.jp/ja/news/1999/1207-1.htmlLink

例えば、水に含まれる水素の原子核に当った時はその角度によって減速又は制止し、
酸素の原子核に当った時は、その角度によって減速又は跳ね返されるということなのでしょうか?
初歩的な質問ですみません。

105. 技術開発者 — April 8, 2011 @08:02:31

こんにちは、FROYさん。だんだん、原子核物理の講義になってしまいそうですね、私はただの分析屋で物理学の人じゃないんだけど、まあ、アマチュアの話の方が、プロの話よりも分かりやすい事もありますからね。

>例えば、水に含まれる水素の原子核に当った時はその角度によって減速又は制止し、
>酸素の原子核に当った時は、その角度によって減速又は跳ね返されるということなのでしょうか?

実は「反射」と「減速」は実の所、同じメカニズムなんです。他の原子核にぶつかって「捕獲」、つまりその原子核に取り込まれない中性子は、「反射」、つまり跳ね返る訳ですね。来た方向に跳ね返ることもあれば、犯行方向の斜めに跳ね返る事もあるでしょう。跳ね返っているうちにエネルギー、つまり速度を失うのが「減速」なんです。

中性子を取り込むか跳ね返すかは、相手の原子によります。この理由を書くと湯川秀樹先生の中間子論にまでいっちゃいそうなので割愛して(きちんと説明出来る自信がない:笑)、要は中性子を取り込みやすい原子(ホウ素とかウラン238とか)と中性子をはじき返し易い原子(水素とか)があると考えて下さい。水は水素を2つもっている分子でして、取り込むよりもはるかにはじき返し易い元素であり、それが「反射」することで「減速」するとお考え下さい。

106. :p — April 8, 2011 @10:35:05

「跳ね返す」場合だけならビー玉と同じですよね。
ビー玉を色々な大きさのビー玉とぶつけたとき
同じくらいの大きさのビー玉とぶつかると、ぶつかったビー玉が止まって
ぶつけられたビー玉が動き出す。→ 減速
大きな(重い)ビー玉とぶつかると、ぶつかったビー玉は跳ね返されて
ぶつけられたビー玉はほとんど動かない。→ 反射

107. パニックについて — April 8, 2011 @12:25:21

技術開発者さん  85のコメントに対してです。

 社会心理学の基本的理解が不足しています。フォーク・デビルもプロスペクト理論も、視点がズレていると思います。
いつから心理学は「集団」などという、曖昧模糊で、定義不能なものを相手にしなければいけなくなったのですか? 
私もですが、少し深呼吸して、科学的思考を取り戻して下さい。
(といった理系らしい無様な日本語表現は、もう止めます)

(まず、結論を引用しましょう)
自然科学者が情報の取捨選択をすべきだという事ではなく、単純に「国民は賢いから、きちんと分かる様に説明しさえすれば、正しい行動を取るだろう」という期待は、社会心理学的にこのような、モラルパニックが起きやすく、プロスペクト理論から考えて成り立つのかどうか、ということを気にしています。

 集団や国民などと、バカ丸出しです。「この条件の場合、人間の多くは、このような行動を取るだろう」を積み重ねるしかありません。しかし、現実には、条件が固定されることはないので、複数の的確な「行動予測」を並べていく必要があります。
 その一つ。かつて親から「勉強しろ」と言われて、怒ってこう返事したことはありませんか? 「今、やろうと思ったのに」。
人は、自分の行動が制限されることを嫌います。勉強をする、勉強をしない、の二つの選択肢から自分が勉強をするを選べたのに、親の言葉で、選択肢が減ったからです。で、自分が選びたかったんだよ、という思いも込めて「今、やろうと思ったのに」と口にするわけです。(いや、単なる言い訳もあるよね)

 情報を制限すること→もともと「選びたがりの人間」を反発させるだけ=できうるかぎり情報公開せよ、とつながりませんか。パニックについて考えていくために、流れを変えていただきたいと思いました。おかしければ、どなたか訂正願います。

Up108. FROY — April 8, 2011 @12:58:28

技術開発者さん、:pさん、コメントありがとうございます。

とすると、
水素の原子核は中性子より僅かに軽いので跳ね返すことは出来ないはずですから、
つまり反射させているのは酸素の原子核ということになるかと思うのですが合ってますでしょうか?
だとしたら、原子力発電所の原子炉内にある冷却水も、
中性子の減速と反射を同時に行っていると考えてよろしいのでしょうか?

で思ったのですが、沈殿槽やジャケットそのものの素材のほうが酸素より重いと思うのですが、
それらの原子核は中性子を跳ね返さないのだろうかと色々とめくっていたら、
↓こんなのをみつけました。
http://www.sozogaku.com/fkd/hf/HC0300004.pdfLink

で、素人の私が上の4ページの絵をみて空想解釈するのは、
大雑把にいってしまえば↓こんな感じなのでしょうか?

・ある程度の重さの原子核に中性子がヒットした場合には、その中性子を吸収するので跳ね返すことはない。
・ある程度の重さのない原子核に中性子がヒットした場合には、重い原子核に比べて中性子を吸収する確率が低い。

だとするとつまり、
容器の素材の原子核にも吸収されず、酸素の原子核にも跳ね返されず、
水素の原子核にも止められなかったなかった中性子は、
容器を貫通して外に出てしまうが、
運悪く酸素の原子核だけにヒットした中性子は、
跳ね返されてウラン溶液の中に戻って来るため、
臨界状態の確率をわずかに上げてしまった。
このわずかに上がった確立を下げる為にジャケット内の冷却水を抜きとり臨界を終息させた。
という流れであっているでしょうか?

なんか、毎度毎度質問ばかりですみません。

109. 技術開発者 — April 8, 2011 @13:17:41

こんにちは、パニックについてさん。

>いつから心理学は「集団」などという、曖昧模糊で、定義不能なものを相手にしなければいけなくなったのですか?

心理学は個々の人間の心理について研究します。しかし、心理学の応用は集団相手にもなります。なぜかというと、心理学で解明される人間心理の「傾向」は個別のAさんであったりBさんである訳ではなく「人間に共通する傾向」だからです。

プロスペクト理論そのものは「個々の人間は利得に対して堅実性、損失回復に投機的」と示します。その応用である行動経済学では「株が下がるときに比べては上がるときは遅い」の説明をこの「心理傾向」に求めます。

>「この条件の場合、人間の多くは、このような行動を取るだろう」を積み重ねるしかありません。

実は株などは心理学がプロスペクト理論などを出す前から経験的に「株が下がるときに比べては上がるときは遅い」は知っていました。「買いは処女のごとく、売りは兔のごとし」なんてね。

パニック関しても経験は沢山あります。或る意味、わざわざ心理学何ぞを持ち出す必要はないと言えます。ただ、多くの人が「その時、そんなパニックが起きたのは、教育がたりなかったせいだろう」なんて思う面もあって、経験を馬鹿にしやすい面があります。教養というのは確かに情動的な面を抑制する効果はありますが、人間が本質的に持つ心理傾向までかえるものではありません。そのことに少し踏み込んでみたかった面は有ります。



 

110. 技術開発者 — April 8, 2011 @13:52:27

こんにちは、FROYさん。

>水素の原子核は中性子より僅かに軽いので跳ね返すことは出来ないはずですから、
>つまり反射させているのは酸素の原子核ということになるかと思うのですが合ってますでしょうか?

どうも、:pさんの説明でややこしくなってしまいましたね。原子核と中性子がぶつかるというと正面衝突を思い浮かべられると思うんですね。でもビー玉をぶつけてご覧になると分かりますが、適当にぶつけていて正面衝突なんてけっこう少ないですよね。そのため跳ね返るといっても正面に跳ね返るよりも斜めに返ったり、あるいは進行方向が斜めに変わったりしとかいろいろな方向に行っちゃう方が多いのね。こういうのは「拡散反射」なんていうけどね。要は核分裂で飛び出した中性子は周りの水の水素や酸素の原子核にぶつかりながらあっちに行ったりこっちに行ったりしながら速度を弱めるのね。

東海臨界事故の時も丸い太いタンクの中で中性子があっちに行ったりこっちに来たりして飛び回ったのね。もし丸いタンクの外に水が無ければ、中性子は、そうやってあっち行ったりこっち行ったりしながら核分裂するウランにぶつかって次の核分裂を引き起こす前にタンクの中から飛び出すか、減速する前に核分裂しないウランに吸収される可能性の方が高い状態になっていたのね。でも残念な事にタンクの外には水があったのね。そのためそこでもあっちいったりこっちいったりが起きるのね。それが起きると水が無ければタンクから飛び出すはずの中性子の何割かがタンクの中に戻って来ちゃうのね。そのため中性子が飛び回る距離が長くなって核分裂するウランにぶつかって核分裂がおき、強い放射線を出す放射性物質ができると共に次の中性子が2個飛び出した訳です。そしてその2個もあっちいったりこっちいったりしながら次の核分裂を起こしてしまった訳です。

そういう核分裂反応がおきるギリギリの条件だから、タンクの外の水を無くすと連鎖反応が止まった訳です。

111. 技術開発者 — April 8, 2011 @14:21:52

こんにちは、FROYさん。

>・ある程度の重さの原子核に中性子がヒットした場合には、その中性子を吸収するので跳ね返すことはない。
>・ある程度の重さのない原子核に中性子がヒットした場合には、重い原子核に比べて中性子を吸収する確率が低い。

いよいよ、原子核物理ですね。傾向として原子核の重さと「跳ね返す」か「吸収する」かに相関はあるんだけど、そんなに単純じゃないのね。例えば制御棒に使われる「中性子を良く吸収する」材料はホウ素というそんなに重くない元素なのね。
じゃあ、何が「跳ね返す」か「吸収する」かの違いを生むのかというと、原子核の中の陽子と中性子のバランスなのね。陽子と中性子というのはとても似たようなものものなんだけど、陽子はプラスの電荷を持っているのがちがうの。陽子とか中性子ってのは近い距離の時だけだと引き合う力が働くのね(この力の元になる素粒子の研究が湯川秀樹先生ね)。でも陽子の場合は電荷があるから近くなるほど反発して離れ合う力も働くわけ、だから陽子だけでは原子核はできないのね。間に引き合う力だけを持った中性子があることで原子核は陽子の間の距離を保って反発を抑え込んでくっついて居られる訳です。でもって原子核の中には「あと一つとは言わないけど0.7個くらい中性子があっも良いな」なんて状態にあるのもいて、そういうのが中性子を吸収しやすい材料ね。中には「今は安定だから中性子はいらないよ」なんてのもいてこれは「跳ね返し」派になるよね。原子核が大きくなるほどこういう中性子が余分に入るゆとりは大きくなるから傾向として重いほど吸収する傾向はあるけど、比較的軽い元素においては、重さよりもバランスで決まるわけです。

112. パニックについて — April 8, 2011 @16:10:54

こんにちは、技術開発者さん、みなさん

訂正します。
いつから心理学は「集団」などという、曖昧模糊で、定義不能なものを相手にしなければいけなくなったのですか?

失礼しました。ちゃんとありましたね。グループダイナミックス学会。いやあ、バカ丸出しでした。

http://www.groupdynamics.gr.jp/journal/esp/esp042_01.html#p004Link
あたりで、そのかぐわしい匂いを感じることができます。

「心理学の理論なんて、経験で知ってることバッカじゃん」については御意。でも、皆さん、さらに世の中の役に立つよう、がんばっています。
今後は、グループダイナミックス学会関係者から、パニックやデマについて、より有益な投稿があることを期待します。
スレ汚し、重ねてお詫びします。

Up113. arc — April 8, 2011 @15:20:49

こんにちは。

理屈は技術開発者さんの説明を読んでもらうとして、実際にそれぞれの原子核ごとにどのくらい「吸収」しやすいか、「跳ね返」しやすいかを表した評価済みデータは以下のURLからリンクをたどると見ることができますよ。

http://wwwndc.jaea.go.jp/j40fig/findex.htmlLink

例えば、水素(1-H-1)だと、

http://wwwndc.jaea.go.jp/j40fig/pdf/h001_f1.pdfLink
で、ウラン235(92-U-235)は、

http://wwwndc.jaea.go.jp/j40fig/pdf/u235_f1.pdfLink
です。図は横軸が中性子のエネルギー(単位はeV)で、縦軸が「吸収」・「跳ね返」りのしやすさ(日本語では断面積といいます。まぁダーツの当たりやすさを的の大きさ(面積)で表しているようなものです)です。両軸ともに対数目盛であることに注意してください。

`elastic'と書いてある緑点線が「跳ね返」りのしやすさで、`capture'という方が「吸収」のしやすさです。ウラン235だと`fission'という「核分裂」のしやすさも載っています。
横軸の中性子のエネルギーは、高速中性子というとだいたい100 keV以上なので、100 keV = 10e+5 eVより右側です。ある温度の中性子という場合には、絶対温度(単位:K)に8.6e-5 eV/Kをかければエネルギー(eV)を出せます。室温(300 K弱)だと0.025 eVですね。

この図から、水素は中性子をほとんど「跳ね返」すことがわかります(`total'と`elastic'の線が重なっていますね)。一方、ウラン235の方は(時々逆転するけど)数百eVよりも低いエネルギーの中性子に対しては、「跳ね返」すより、「吸収」したり、「核分裂」したりする方が起こりやすくなっているのがわかります。またウラン238だと「跳ね返」しが起きやすくて、次に「吸収」で、「核分裂」は起こりにくいというのが読み取れます。

http://wwwndc.jaea.go.jp/j40fig/pdf/u238_f1.pdfLink


技術開発者さんの説明に出てきたホウ素もホウ素10とホウ素11という2種類があって、これはホウ素11が中性子を1個余分に持っているだけなんだけど、「吸収」しやすさがだいぶ(100倍くらい)違うというのが図からわかります。更にホウ素10は図で`(n,a)'と書いてある(n,α)反応(中性子を吸収してから、α粒子とLiになる)が非常に大きいのです。
ホウ素10(5-B-10)

http://wwwndc.jaea.go.jp/j40fig/pdf/b010_f1.pdfLink
ホウ素11(5-B-11)

http://wwwndc.jaea.go.jp/j40fig/pdf/b011_f1.pdfLink
そのため、より中性子を吸収しやすくするため、ホウ素10を濃縮するなんてこともしています。

http://www.stella-chemifa.co.jp/product/b10.htmlLink

114. いまだ — April 8, 2011 @21:01:33

社会学や社会心理学といった難しい話は判りませんが。

原発事故に関するコミュニケーションが、患者さまとのコミュニケーションに似ているという話の延長で考えてみると、キューブラー・ロスの(死の受容の)5段階説というのがあったのを思い出しました。

第1段階=否認 そんな筈はない
第2段階=怒り 八つ当たり
第3段階=取引 代替策の模索
第4段階=抑鬱 何をしても無駄だとあきらめ
第5段階=受容 

115. Ken — April 9, 2011 @04:23:45

日本の気象庁のデータに基づいて、計算されたデータですので、それなりに尊重すべきと思います。高度が高いところで、そうした拡散が生じていることはほぼ正しいと認識しています。

116. mimon — April 9, 2011 @05:01:36

#111.技術開発者 ― April 8, 2011 @14:21:52さん、
うわぁ、なっつかしい!私が小学生のころ減速材として、中性子をあまり吸収しないけれども効率的に減速する物として、重水素が有望視されていたことを思いだしてしまいました。
ですから、BWRを日本語で書くと沸騰水型「軽水」炉なのですよね。重水が本命の時代に、がんばってウランの濃縮率を上げて、普通の水で減速しようという挑戦をしていましたから、あえて「軽水」なんていう符丁になりました。
でも、結局、重水を集めてくるよりも、ウランを濃縮するほうが工業的には普通になって、私が学生のころ学んだ財団法人火力(原子力が入る前)発電技術協会編「原子炉講座」では、軽水炉ばかりでした。

ところで、このエントリーの「お題」は、何でしたっけ。

117. zorori — April 9, 2011 @08:02:36

Ken さん、

>日本の気象庁のデータに基づいて、計算されたデータですので、それなりに尊重すべきと思います。高度が高いところで、そうした拡散が生じていることはほぼ正しいと認識しています。

「日本の気象庁のデータに基づいて、計算されたデータ」とは、何のことでしょうか?誰が計算して、何処で見ることが出来るものでしょうか?

Up118. と — April 9, 2011 @09:33:14

もうちょっとだけ鬱々と続けます。

3月15日くらいに初めてシミュレーションを目にしたと書きましたが
http://www.dwd.de/bvbw/generator/DWDWWW/Content/Oeffentlichkeit/KU/KUPK/Homepage/Aktuelles/Sonderbericht__Bild5,templateId=poster,property=poster.gifLink
↑こちらのサイトが一般の方のブログからリンクが張られていたのを私が見たのは3月28日でした。おそらく、海外のマスコミから情報を得たのだと思いますが、読売の報道のちょうど1週間前です。その時点では、国内でシミュレーションを行っているという情報は出ていなかったと思います。

もちろん、情報の説明責任は、一義的には開示者が負うので、詳しい説明はドイツ気象台に聞いてね、うちはコメントできないから、と投げるのも平時なら問題ないとは思うのですが、もうちょっと国内の機関が先手を取れなかったものか、考えてしまいます。

119. 黒馬人 — April 9, 2011 @14:38:58

はじめまして。
さるSF小説家の方のblogできくち先生の名前を目にして興味を持ち、エントリ読ませていただきました。

当方、機構設計というのを生業にしているのですが(圧力容器などと高度なものではなく、ビデオデッキの筐体程度のものとお考え下さい)、やはり熱解析や強度解析というものを求められることが多々あります(最近はCADのソフトから直接解析できるので便利です)。その中で、例えば熱解析ですと「今の構造で解析すると顧客の要求する耐用年数は持たない。ここの流路はもっと抵抗が少ないと考えて計算しろ」だとか「放熱システムの効率を上げて計算しろ」などという都合のよろしい事をよくやっておりました。
大抵の場合、実際には「都合のよろしい」結果に近い製品(試作品)が出来上がるのですが(稀にそうならないことも…)、本エントリを読んでそんな話を思い出してしまいました(念のために申し上げますと、小さな筐体でさえ内部にある部品を全て正確にモデリングして正確な結果を求めようとすると、とてつもない時間、とてつもないコストがかかります。ある程度簡易的なモデルを作っておいて、後は設計者の勘と経験を反映させるという作業はどうしても必要なのです)。この場合(も?)シミュレーション結果はあくまで「今後の設計方針を決定する指針の一つ」でしかありません(そうそう、シミュレーション上で「発熱する」と出た場所が真赤に表示されるのは見た目が悪いというので、表示色を変えたこともありました)。

当方無学な上、コメントされている皆様のお話が高度なので読むのに精一杯だったのですが、「まあ日本の片隅にこんな笑い話(?)もあった」程度に読み流していただけると幸いです。

120. fisker — April 9, 2011 @17:42:10

>mimon ― April 9, 2011 @05:01:36
本題から外れっぱなしで申し訳ありません。減速材に重水を使う原子炉も実用化されていて、主にカナダで使われているのでCANDU(Canadian Deuterium Uranium)と呼ばれています。カナダ以外に、インドや韓国などで現在も稼働しています。日本のふげんも重水減速(冷却は軽水)でした。重水炉は天然ウランを燃料に使えるので、国内に天然ウランが産出し、ウラン濃縮技術のない国にとってはコストを超えた政治的メリットがあります。

121. radiationtoyota — April 10, 2011 @18:18:22

きくち 御前がデマなんだよ

http://takedanet.com/2011/04/post_eeab.htmlLink

発表すると「人心を惑わす」ので、気象学会は「政府が一元的に発表するデータ以外の発表は好ましくない」とした。

Owner Comment きくち  April 10, 2011 @18:36:18

御前って言われると、殿様みたいだ

しかし、政府のデータ以外は好ましくないとすると、もちろん外国のデータとかは絶対に信じてはならないよね

UpOwner Comment きくち  April 10, 2011 @18:43:43

データというより、解析か

データは今、いろいろなところが出しています。政府以外からもいろいろなデータが出ている。解析もやっている。
気象学会だけが突出して違うことを言っているような気がしなくもないね

124. zorori — April 10, 2011 @18:14:39

気象庁のシミュレーションの説明は次のような書いてあります。

-----引用-------
地上から標高500メートルまでの大気中の濃度分布
ある地点を通過する放射性物質の濃度について、24時間間隔で72時間先まで時間積分し、同じ値となる地点を結んだもの。単位は、放出の想定にあわせ、仮にBq・s/m3(ベクレル秒毎立方メートル)としています。
---------------

これは、仮に濃度が72時間に渡って、一定の1Bq/m3だとすると、1×72×60×60Bq・s/m3となるんでしょうか?
(ベクレル秒毎立方メートル)という単位はピンときません。

しかし、24時間毎の積分の図3枚と72時間積分の図1枚が示されているようにも見えます。そして、72時間積分の方が24時間積分より小さい値になっている地点が有るように見えるのが腑に落ちません。積分値なら、ある地点の後の値が前の値より減るはずがないと思うのですが。見方を間違えているのでしょうか??

海外の気象機関のアニメーションは時々刻々の濃度(Bq/m3)だと思うのですが??

Owner Comment きくち  April 10, 2011 @19:02:43

時間積分というのは、偏微分方程式を解いて、「時間変化」を求めたということだと思います。
微分方程式で表される問題では、時間とともにどのように変化するかを計算することを「積分する」というんですよ。
だから、「積分」という言葉を忘れて、単に時間変化だと思ってください

[追記]
違うかもしれないので、もうちょっと考えます

126. TAKESAN — April 10, 2011 @19:14:44

今晩は。

菊池御前てのもなかなかオツな響きですね。

Owner Comment きくち  April 10, 2011 @19:20:30

御館様のほうがいいなあ

Up128. yamaguchi — April 10, 2011 @19:24:08

午前様じゃだめ?

メルトダウンって言うと、何となくチャイナシンドロームと同義っぽく思っていたけれど。

蝋燭が融けてるのがメルトダウンで、提灯が燃えてるのがチャイナシンドロームぐらいかな?

Owner Comment きくち  April 10, 2011 @19:48:24

僕も「メルトダウン」は臨界したまま容器を抜けちゃう大事故に限るのかと思い込んでいたのですが、実は炉心がちょっと融けたものからチャイナシンドロームまで、みんなメルトダウンなんですね。そのあたりが人によって違うみたいです。

130. sksk — April 10, 2011 @20:22:55

私のシミュレーションのイメージ(目的)って実際にはできない条件、測れない物を測ることだと思っていますので、目的は?とか前提は?とかに目が行ってしまいます。まあ、ハードSFみたいなもの、思考実験(ってまんまか)。

シミュレーションのイメージって知らない人が見ると、それが事実のように思われるのでしょうか?

今回みたいに測定データが豊富(?)に取れる物に対して放射線量のシミュレーションしても無意味のような。
まあ、測定データから元の発生量をシミュレーションするといいのかも、って近傍の実測値があるから積分計算するだけ。

読売新聞の記事に関しては、「拡散予測を計算している」ってドイツ気象庁の出してるのは「予測」じゃなく単なる思考実験でしょう。事実と違うことを前提にしているんだから。
ガーベッジイン、ガーベッジアウト?

気象庁のデータ(eer_sample.pdf)では、1Bq/72Hrの条件で2日12:00(UTC)から5日12:00まで放出させた時の計算結果ですよね、これは。今回の原子炉問題には無関係、ドイツ気象庁も同じ前提ですよね。

発表に関しては、メディアのレベルが今の程度なら私でも発表するのに躊躇します、問題解決には無意味な結果なので。
でも能力の低い相手には特に先手を取るのが重要なのかな。他所(ドイツ)も当然やってるなら。

P.S.
初めて書き込みします。
こういう、トラブル対応って仕事上でもあるので見てると、勉強になります。仕事上なら相手のレベルは決まってるけど。メディア、全国民相手ならスペクトル広すぎますよね。

131. げお — April 10, 2011 @22:52:54

IAEAがどのような意図であのようなシミュレーションを要請しているのかはよくしりませんが、大きなスケールで見れば無意味ではないです。たとえば、福島で放出されたものがハワイあたりにはいつ頃来そうだとか、カリフォルニアあたりで観測された異常な値がやはり福島から来たものらしいとか、そういうことの確認には使えます。また、そのような目的のためなら、細かい分解能や正確な放出シナリオは必要なくて(計算量が意味なく増えるだけ)あの程度でとりあえずは十分でしょうが、他の業界からはこんなのはシミュレーションではないと受け取られるのかもしれません。

以前書いたように、SPEEDIはかなり細かいスケール(といっても分解能は250mなのである意味微妙です)で予測できるはずのものです。ただ、残念ながら、今回のような事故に対応できるようにはおそらく作ってありません。ここからは私の推測ですが、想定しているのはもっと軽微な事故で、緊急ベントなどによる放射性物質の排出量はもちろんその他の気象状態・放射能線量などが時系列で十分モニターされている事を前提に、放射能の将来を予報するためのものと言えると思います。もちろん、前提条件が満たされていなくても、何らかの仮定を置けば予測は可能ですが。

この予測と予報の区別は結構重要です。(とはいっても、厳密な定義があるわけではなくて私の感覚ですが)ある仮定を置いた予測は可能ですが、それは予報とは呼べません。寒さがひどくて、明日雨なら、夜には雪になるだろうと予測はできますが、ほとんど雨になるという(つまりそれが仮定とはいえないくらいに確からしくなる)ことでないと予報にはならないわけです。もちろん、この区別は厳密にできるものではないのですが。

その意味でSPEEDIはまだ予報には使える状態ではないし、新野さんの気象学会会員に向けたメッセージもその文脈で解釈する必要があると思います。研究成果の公表の自粛を要請したと拡大解釈して報道されていますが、しないでほしいと言っているのは「信頼できる予測」でない予測を不用意に公表することと解釈するのが自然です。要するに予報と間違われるようなことは控えてほしいということだと思います。ここら辺は、なぜ気象業務法があるのかとか、学問的速報性はどの程度優先されるべきかとかも絡んできます。ただ、学会などの研究発表という場でなら、必ずしも信頼できるとは限らない仮定を置いた予測を公表することまでも控えることは要求されていないと思います。とはいっても、往々にして「仮定」の部分はあまり触れずに結果だけが取り上げられて報道されてしまうのかもしれませんが。

とはいってもSPEEDI(特定はしてませんが、それ以外に多分ない)があるからを理由付けにしているのはちょっと余計な気はします。たんに、不確かな仮定や不十分な情報に基づいた、予報ととれるような予測はうかつに公表するなの方がよかったと思います。

ちなみに周囲にいないわけではないですが、私自身は気象学会員ではありません。

Owner Comment きくち  April 11, 2011 @09:13:33

IAEAの要請による気象庁のシミュレーションというのは100kmメッシュだから(外国のものもその程度に粗いですね)、かなり大きなスケールを問題にしているわけですね

SPEEDIがなにを想定していたかについては、インプットデータとして放出物の高度や量を要求していることからして、おっしゃるとおりかなりコントロールされた状況下で放出されることを想定しているのかなと思いました。今回はそれを測定値と比較して、逆問題を解いたようで、大変は大変でしょう。

ただ、シミュレーション結果をうかつに発表できないという考えはわかるのだけど、結局、外国でのメッシュの粗い計算が解説もなしに広まっちゃったりしているという現実があるので、考え直したほうがいいと思います

Up133. zorori — April 11, 2011 @06:06:41

>時間積分というのは、偏微分方程式を解いて、「時間変化」を求めたということだと思います。

ありがとうございます。
まだ、単位に「秒」が付く意味が理解出来ませんが、意味が分かっていないということを理解しました。
解説して頂いた「時間変化」というのもお恥ずかしいことに理解出来ていません。「時間当たりの変化」ではないのですね。

Owner Comment きくち  April 11, 2011 @09:19:57

ごめんなさい。
見直してみたら、僕が書いたのは、違うかもしれませんね
考え直します

135. K.T. — April 11, 2011 @06:57:33

美術系の人間で素人も素人ですが、福島県民なのでわからないなりに読ませていただいています。

放射性物質の垂直的な拡散濃度分布は考慮されているのでしょうか。
高度1000m以上の上空と2〜300m程度場合では風の向きや速度も違うでしょうし、低空での拡散が多ければ、地形的要素が重要になって来る様に思えるのですが。

多少土地勘のある立場から言わせていただくと、阿武隈山地の複雑な地形
(殊に谷筋は特殊な風の動きをする実感があります)をどの程度考慮に入れているのかなあという疑問があります。

三次元的な立体シミュレーションとか、実測値からのモデルとかは無いのでしょうか?
それとも、こういう視点は無意味なのでしょうか?

Owner Comment きくち  April 11, 2011 @09:22:51

SPEEDIの論文を調べた板倉さんのツイッターを読むと、垂直方向の拡散はちゃんとはいっているようです

137. disraff — April 11, 2011 @09:14:59

>解説して頂いた「時間変化」というのもお恥ずかしいことに理解出来ていません。「時間当たりの変化」ではないのですね。

Qという量の時間微分(dQ/dt)が含まれている微分方程式を数値的に解いて=時間方向に積分してQ(t)を求めた、ということではないかと思います。Qが時間の関数として記述されているものを指して「Qの時間変化」ということは、自分的には馴染みなので特に何とも思いませんでしたが、確かに文脈で時間微分と一緒に出てくると混乱するのかも知れませんね。

Bqが「単位時間あたり」の次元を持っている量だから、積算量QはBq・sの次元になります。つまり、シミュレーション開始時からある時刻 t までその場にずっととどまっていた場合に食らう放射線の総数がQ(t)である、ということかな(Q(x,t)と言った方が適切ですが)。

Up138. disraff — April 11, 2011 @09:32:35

…と元文献読まずに引用文だけから推測したのですが、違うかな。ちゃんと読みます(**!)

139. げお — April 11, 2011 @09:18:16

zororiさん

基本的にきくちさんの説明であってるはずです。単位がBq・s/m^3で秒がかかっているのは、核種を指定すれば、放射能の強さ(Bq/m^3)=放射性物質の濃度の時間変化(微分)、もしくは同じことですが 放射性物質の濃度×寿命の逆数 だからです。(寿命=半減期×(Log e)/(Log 2), Logは常用対数、e は自然対数の底)移流拡散の計算には放射能強度より放射性物質濃度のほうが都合がよいのでそうなっているのでしょう。ただ、この場合の濃度はmol濃度、質量濃度ではなく、放射能強度のポテンシャル(正確な用語ではありません)についての濃度なので分かりにくいのだと思います。ただし基本的にはmol濃度と換算できるはずのものです。時間がかかってるから積算と思ってしまいがちだし、結果的にそう解釈もできるのでややこしいのですが。

K.Tさん

SPEEDIはまさにそういう3次元のものです。大気力学的には水平2km、鉛直には4000mまでを30層(気圧、地形の関係があるので均等割りではありません)に分割しています。そのスケールでの上昇・下降流も当然記述されています。さらにそれを水平250mにまで内挿(といっても単純なものではないですが)して、それをもとに放射性物質の濃度を計算しています。
250mが十分細かいかというと疑問は確かに残ります。だた、たとえば沢全体で大体どうなるかはある程度いえるけど、沢の中での細かいところまではちょっと無理ととらえればいいのではないでしょうか。

その意味では飯館村で見られているようなホットスポットはひょっとしたらモデルからすると再現するのはきついのかもしれません。250mスケールでならしたような値になって高い値は出にくいというのはある気がします。

140. FROY — April 11, 2011 @10:39:32

技術開発者さん、arcさん、レスありがとうございます。

いろいろ勉強になります。
考えてみると酸素だけでなく、ジャケット内に出来た重水素や三重水素も中に跳ね返しますね。

>そういう核分裂反応がおきるギリギリの条件だから、タンクの外の水を無くすと連鎖反応が止まった訳です。

つまり、もしジャケットが無かったとしても、沈殿槽の内径があと2.5cm大きかったら
同じようなことになっていたと考えてよろしいのでしょうか?
また逆に、ジャケットの幅がもっと狭かったら、防げた可能性もあったということでしょうか?

141. げお — April 11, 2011 @10:53:53

単純に

1Bq: 1秒間に1個原子核が崩壊すること なのでアボガドロ数をNAとすれば 1秒間に1molの原子核が崩壊すると NA Bq の放射能を出すということになります。これから、mol = NA Bq・s ってことで。

142. 技術開発者 — April 11, 2011 @11:09:35

こんにちは、FROYさん。

>つまり、もしジャケットが無かったとしても、沈殿槽の内径があと2.5cm大きかったら
>同じようなことになっていたと考えてよろしいのでしょうか?

ジャケットの外に水だけがある状態と、中性子の吸収材でもあるウラン238をが溶けた水がある状態を同じには考えられないけど、たぶん、あと10cmも太かったら、おきた可能性はあると思います。

>また逆に、ジャケットの幅がもっと狭かったら、防げた可能性もあったということでしょうか?

なんていうかな、私なんかには信じられないような無茶な処理なんですね。もともと、フッ化ウランを酸化ウランに変えるための処理槽はもっと細長いタンクだし、処理濃度ももっと薄くて扱うように考えられて居たプラントで、バケツで高濃度に溶かして太いタンクに注ぎ込むなんて話だからね。ちょっと理解を超えることをやっています。

今回の福島原発の事故というのは、世界中に衝撃を与えたんだけど、その理由は、実の所の「重大な設計ミス、作業ミスが見あたらない」ところにあるんです。スリーマイルの時は、あちこちに異常を示す赤ランプがついている中央制御盤なのに発電が続けられていて、そのため、緊急注水の弁が閉まっているのに気が付かないなんて人為ミスがあった(これ以外にも締まっているはずの蒸気弁が開いた状態で固着しているのに誰も知らなかったとか、色々問題があるんです)り、チェルノブイリは政府の方から来た高官が無理矢理試験を強行したという経緯があって、安全装置を切って出力試験をするという人為的な無茶があった訳です。つまり、福島までの原発の事故というのは、「人間が無茶したからだ」になっていたわけです。

私が理解出来ないのは、「反原発」という人ほど、東電の緊急対応とかの問題を探したがる面が有るんだけどね、「どんなに人知を尽くしても自然の驚異に対応できなかった」という方が、反原発という意味では価値が大きいのね。対応が悪くて事態が悪化したなら、「今後は対応を良くすればいいね」で済んじゃうからね。

Up143. プリゴロタ — April 11, 2011 @14:25:12

zorori さん

>しかし、24時間毎の積分の図3枚と72時間積分の図1枚が示されているようにも見えます。そして、72時間積分の方が24時間積分より小さい値になっている地点が有るように見えるのが腑に落ちません。積分値なら、ある地点の後の値が前の値より減るはずがないと思うのですが。見方を間違えているのでしょうか??

http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/EER/eer_latest.pdfLink

zororiさんは上のリンク先のことを仰っていると思いますが、72時間の図は(誤植でなければ)単位が[Bq/m^2]になっていますので、放射性物質の地上への降下量を示しているのではないでしょうか。

過去のシミュレーションも同じような形式になっていますから、要するに、最初の3枚が24時間ごとの【地上から標高500メートルまでの大気中の濃度分布】であり、最後の1枚が72時間先までの【地上への降下量】なんだと思います。

(最後のタイトルも「TOTAL DEPOSITION」となっていますし。。。)

144. プリゴロタ — April 11, 2011 @14:50:48

あれ?

72時間の方も日本語では「単位はベクレル・秒毎立法メートル」と書かれていますね。
英語では「UNIT:(BQ/M2)」と書かれていますから、いずれか一方は間違えているということですね。

まあでも、おそらく日本語表記のほうが間違えているような気がします。
単位が[Bq・s/m^3]であれば、disraffさんの書かれたように『シミュレーション開始時からある時刻 t までその場にずっととどまっていた場合に食らう放射線の総数がQ(t)』とする方が自然でしょう。

145. ks — April 11, 2011 @15:32:04

いあいあ放射能放出されてるだろ
憶測で書くなよ
しかも有事だからって基準値引き上げるとかありえないぞ
何の為の基準値なんだ

Owner Comment きくち  April 11, 2011 @22:15:31

いつの話をされているのかよくわからないのだけど、各地の空間線量はデータが毎日更新されていますから、それを見れば「新たに放射性物質が来たかどうか」もだいたいはわかります。降下物のデータも公開されています。
憶測というか、そういうデータを眺めていろいろ言っているので、それほどおかしなことではないと思いますが

いろいろなデータが公開されているので、眺めてみるといいですよ。たとえば、福島第一原発西門の線量をグラフにしてみると、新たな大放出はずっとなかったことがわかります、

今は炉の中の放射性物質がおおむね水に混じって出されているので、遠くには飛んでいないということですね

147. プリゴロタ — April 11, 2011 @16:07:41

ks さん

>いあいあ(原文ママ)放射能(原文ママ)放出されてるだろ
>憶測で書くなよ

ん?どなたか「『放射性物質』は放出されていない」などと書かれていますか?

Up148. K.T. — April 11, 2011 @17:42:59

きくちさん 
ありがとうございました。

なるほど、とっくに考えられていたことなのですね。当たり前か。

げおさん
詳しい説明をしていただき有難うございました。
かなりよく考えられたシステムなんですね。
放射線量の実測に携わっている知人が、SPEEDIがいい線いってると言っていたことを思いだしました。
尤も、ご説明にあるように、SPEEDIでも拾えなかったちょっとした峠や沢の影響なんでしょうか、被害の程度がシミュレーションから読み取れる川俣町>飯館村ではなく、飯館村>川俣町に実際にはなってしまいました。
参考にはなってもあくまでもシミュレーションなのでしょうね。

149. sksk — April 11, 2011 @17:52:28

気象庁のIAEAのシミュレーションについて

げお April 10, 2011 @22:52:54 さま

基本的におっしゃっていることに同意しますが

私の理解とは違うようなので、確認お願いします。
>大きなスケールで見れば無意味ではないです。
>たとえば、福島で放出されたものがハワイあたりには
>そういうことの確認には使えます。
このシミュレーションと実際の放射性物質放出は全く違いますよね(量、日時とも)。実際にはこの条件で放出していないので、シミュレーションの値は何の確認にも使えないのでは?
例えば、err25.pdfを見ると
条件は「1/24(Bq/Hr)の条件で4/10 00:00 -24Hr」ですよね。errはすべて1/24(Bq/Hr)で00:00開始になっています、何の確認になるかわかりません。

どこか、私の理解違ってるのかな?

何が目的かで無意味かどうかが決まると思いますが、まあ、次回ベントするときに国内に流れて来ない条件(日)を設定するときにはシミュレーションする意味があるかも。
原子炉(炉心、燃料ではなく)がメルトダウンしたら放出量はケタ違いだし。

IAEAがあのシミュレーションを要請している意図ってなんなんでしょうか、私もこれが知りたい。

また、depositionがあるからどんな粒子を仮定(I2気体分子?)してるのかしら?別に雨で落ちる、なら気体の仮定で十分?

150. zorori — April 11, 2011 @22:03:25

プリゴロタさん,disraffさん,げおさん

ありがとうございます。
仰るように,72時間の図は降下量で,私の勘違いでした。

>単位がBq・s/m^3で秒がかかっているのは、核種を指定すれば、放射能の強さ(Bq/m^3)=放射性物質の濃度の時間変化(微分)、もしくは同じことですが 放射性物質の濃度×寿命の逆数 だからです。

放射能の強さ(Bq/m^3)は放射性物質の濃度と何となく思っていましたが,おっしゃる通りですね。
放射能の強さ(Bq/m^3)とは速さみたいなもので、瞬間の状態を表し、24時間で移動する距離に相当するのが、Bq・s/m^3ということ、結局、24時間で崩壊した回数を気象庁のそれぞれの図は表しているという理解でよいのでしょうか?

いずれにせよ、一般人が気象庁のシミュレーションを生兵法で使うのは怪我のもとだと言うことが良くわかりました。気象庁も公表に慎重になるのも無理は無いと思います。
それに、被爆量は空間に浮遊している放射性物質だけでなく,過去に降下して地表に堆積しているものからもありますから,放射線の実測値とその累積値を見て行動を起こすのが実際的じゃないかと思います。非常に分かりやすくまとめたものが有りますね。

http://r.diim.jp/Link

これを見ると,飯舘村に避難要請されたのも頷けます。

151. FROY — April 11, 2011 @21:51:48

技術開発者さん

レスポンスありがとうございます。
なるほど。悪魔が手を貸すわけですね。

>東電の緊急対応とかの問題を探したがる面が有るんだけどね

「ほれみたことか」といいたいのだと思います。

152. disraff — April 11, 2011 @23:50:19

放射性物質の濃度を Q(x, t) とした時、微分方程式は(∂/∂t + v・∇+λ)Q(x, t) = G(x, t) となるでしょう。
ここにvは速度で、おおまか風速ベクトルかと思います。λはもちろん崩壊定数。左辺()内の第一項が時間変化、第二項が移流拡散、第三項が崩壊による消滅を表しています。
最後にGは放射性物質の「湧き出し」で、いまの場合 δ(x - 原発所在)・G(t) となるでしょう。

この式は単位時間単位体積あたりに崩壊した原子数の意味を持つ量 λQ(x, t) を含むので、 Bq/m^3 の次元を持つとも言えます。ゆえにこれを解いて得られた Q(x, t) の次元は Bq・s/m^3 ということもできるでしょう。
しかし定義にもどれば放射性物質の濃度 1/m^3 なので、敢えて Bq・s/m^3 と書いてあるということは、ある時間幅で更に積分して「その時間内に崩壊した原子数濃度」 λ∫Q(t)dt をプロットしてあるのかも知れません。

Up153. げお — April 12, 2011 @00:05:03

skskさん:

使い方次第と言ってしまうとそれまでなのですが、いろんな日で計算しているようなので、ほとんどの気象条件ではこのあたりは福島から流れてこないとか、逆にここら辺は結構よく流れてくるというようなことは見積もれると思います。さらに放出地点に比べて、何桁ぐらいは薄まっているのが多いとかもっと濃いとかくらいの予測はつくでしょう。その程度の大雑把な見積もりではないでしょうか(あくまで私の推測ですが)
 その意味では純然たる初期値問題(初期に一瞬だけ単位量が放出されてあとはそれがひろがっていくだけ)でもいいような気もしますが、72時間出し続けるというのはそれはそれで何か意味があるのかもしれません。

disraffさん:

たしかに λQは崩壊率だから、それを経過時間にわたって積分すれば崩壊数になりますね。ただ、それだと単調増加になって減るってことはないからここをチェックすればいいのか。

154. たく — April 11, 2011 @22:13:09

先日は回転寿司でお世話になりました。
おかげさまで、アボガドロ数がでかいということがわかりました。

なぜ10ペタベクレルといわずに1万テラベクレルというのかはわかりませんが、偉い人たちはレベル7を検討しているようです。http://bit.ly/f0ChHmLink
現在は1テラベクレル/時らしいですが、再計算の必要はありませんか?

また、まったく関係のない話ですが、
孫さんの論理スキルが実はすごいんじゃないかと思い場違いながら

「直ちに健康被害無し」というのは、おかしい。「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。出た時は、概ね手遅れ。」

「この原発による国難が無事に何事も無く過ぎて「お前が騒ぎ過ぎた」と批判された時、私は心の底から喜んで辱めを受け入れます。」

これによって孫さんが永遠に非難されることはなくなったと思うのですがいかがでしょうか?

Owner Comment きくち  April 12, 2011 @11:05:41

INESのレベルは放出総量で決まるので、これまでに出た量がレベル7相当ならレベル7です。現在どれだけ出ているかとはまた別の話で。

「無事に何事も無く過ぎて」ないから、孫さんの言いたいことはあまりよくわからない。是々非々としか。

156. disraff — April 12, 2011 @06:39:16

げおさん:
僕も最初は単調増加のはず…と思ったんですが、「何日何時から24時間」と区分的に積分した値を出すことも可能ですから、それならば増えも減りもすると思います。

あと書いてから思いつきましたが、降着して移流拡散から外れる分とか再び巻き上げられて加わる分とかも考慮していたら、もうちょっと複雑になるですね。それでもまぁ、大気中濃度と地上面密度の二変数あれば足りるかな。

157. Katase — April 12, 2011 @08:04:16

たくさん

>「直ちに健康被害無し」というのは、おかしい。「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。出た時は、概ね手遅れ。」

という孫さんがおっしゃられたという内容は間違っています。
「症状が出た時は、概ね手遅れ」なんてことはありません。例えば、チェルノブイリの原発事故の場合は小児の甲状腺癌が事故後に増加しましたが、これは手術によって殆どが治癒しています。

・チェルノブイリ原発事故から20年
−WHO放射線プログラムと緊急被ばく医療対策− 
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/interna_heal_j/chernobyl-3.htmlLink  

>さらに小児甲状腺がんの発生頻度と甲状腺内部被ばく線量との間に正の相関を認めています。但し、検診効果による微小潜伏がんの発見も同時に増加しています。現在遺伝子レベルにおける放射線誘発がんの検証が進展中であり、幸いにも病理組織の悪性度に比べ手術後の予後は良好で99%の生存率を示しています。

放射線はなるべく被曝しないように用心した方が良いのですが、現在の医療水準ではそれによって発症したとしても、よほどの量の被曝ではなければ治療は可能で、主に放射性ヨウ素の摂取により子ども達に発生した甲状腺癌では99%の生存率の実績があります。

孫さんは、きちんとデータを確認してから断言して欲しいと思います。

WHOの原文はこちらです。(PDFファイル)
・Health Effects of the Chernobyl Accident and Special Health Care Programs[2006年] 
http://whqlibdoc.who.int/publications/2006/9241594179_eng.pdfLink

Up158. tune — April 12, 2011 @08:19:30

sksk様、はじめまして
>IAEAがあのシミュレーションを要請している意図ってなんなんでしょうか、私もこれが知りたい。

拡散モデルのデータベースと私は理解します。
IAEAの目的の中に核物質の移動の監視、評価があります、この移動には人為的、自然現象もちろん事故によるものも含まれますのでWMO(世界気象機関)を含めての申し合わせ等は合ったと思います(調べていませんが対応の早さから想像してです)。
今回とは直接関係ありませんがCTBT(包括的核実験禁止条約)との絡みで日本国内での放射性核種監視観測、地震、微気圧震動の観測も定常的に報告されています。

159. 技術開発者 — April 12, 2011 @09:15:07

こんにちは、Kataseさん。おっしゃりたい事は良く分かるのだけど、これも少し説明を付けないと、余分な不安感をあおりそうですね。

>例えば、チェルノブイリの原発事故の場合は小児の甲状腺癌が事故後に増加しましたが、これは手術によって殆どが治癒しています。

この甲状腺癌に関しては、メカニズム論がかなりきちんと成り立っていまして、放射性ヨウ素の内部被曝によるものです。ヨウ素は甲状腺に集まりやすい性質がある(特に子供で)ので放射性ヨウ素で内部被曝被曝した場合には、甲状腺癌の発生が増加します。

今の福島の周辺の汚染は発生直後こそ放射性ヨウ素を含んでいましたが、放射性ヨウ素は半減期が短いために現在の汚染地域の放射線源は放射性セシウムを主とするものとなっています。

放射性セシウムは筋肉に多く溜まるという報告もありますが、或る意味人間の身体はあちこち筋肉がついていますから、放射性ヨウ素の様な標的臓器をもつタイプの癌発生ではありません。広島・長崎の時の調査では、浴びた放射線量と癌発症の関係が見受けられたのですが、チェルノブイリでは、低線量被曝と癌発症の関係は現れませんでした。

160. CID — April 12, 2011 @09:47:20

マスコミに権力監視の面があるのはいいことだと思いますが、国民への正しい、役に立つ情報の伝達という仕事をまず第一に考えて欲しいなと思います。
先日のテレビで、政府や電力の会見が信用できないという街頭アンケートをしてましたが、まず先に現在の数値が官邸で毎日発表されていることとか、それらが精度はともかく周りのさまざまな機関で検証できているとか、そうっいたことを伝えたのかと。いえ、大事なことですから伝えたはずだと思うんですが。
国民と同レベルで政府批判しかできないマスコミにはプロの報道機関としての価値はないと思います。

161. Katase — April 12, 2011 @09:56:46

技術開発者さん

補足をありがとうございます。
チェルノブイリ事故後の調査結果として、甲状腺疾患の他にも白血病その他のレポートが Katase — April 12, 2011 @08:04:16 でリンクした「チェルノブイリ原発事故から20年」のまとめ資料に記載されていますので、そちらの方も読んで頂くといいと思います。

それと、やはり妊婦さん(特に妊娠初期)や子どもは一般の大人よりも放射線の影響を受けやすいので、一般の大人の基準よりも厳しく考えて用心した方がいいと思います。別エントリーで書かれている様に放射線業務従事者の基準を適用して考えない方がいいと思います。

実際に、政府は住民の安全面を配慮して原発から半径20キロ圏外でも、放射線の積算量が年間20ミリシーベルト以上に達すると予測される地域について「計画的避難区域」とし、避難を呼びかけることを発表しました。30キロ圏外の地域にも実測データに基づいて適用されています。私は、この政府の判断を支持します。(もっと早く動いて欲しかったですが…)

・政府 計画的避難区域を設定 
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/kanren.htmlLink

>「特に、子どもや妊婦、要介護者、入院患者は、この区域に入らないようにすることが引き続き求められる」と述べました。

安全性の確保という点からはあまり影響を過小に評価し過ぎない姿勢も必要だと思います。(これと、センセーショナルに不安を煽るのとは異なっていると思います)

162. トンデモブラウ — April 12, 2011 @10:33:19

何だかなぁ…
 
小児甲状腺癌が80%以上治療可能というのは、間違いではないでしょう。
でも外科手術で甲状腺を取り除くので、その後”一生”甲状腺ホルモン剤の接取か必要となるでしょう。
ぶっちゃけ『健康』ではないよね。
 
また、被爆者差別(婚姻とか)は、ただちに出ないかもしれないけど、必ず起こるよね。

Up163. Katase — April 12, 2011 @11:08:42

トンデモブラウさん

被曝による小児甲状腺癌の治癒後ですが、ホルモン剤を飲むことになってもそれで人生を台無しにしたと絶望する様なものではないと思います。
この動画は、チェルノブイリで小児甲状腺癌の治療に携わった医師とその患者の話です。
・プロジェクトX 挑戦者たち チェルノブイリの傷 奇跡のメス 
http://www.youtube.com/watch?v=cJu-rU4-XykLink

もちろん、この様な病気にならないのが良いに越した事はありません。
チェルノブイリの教訓は生かされています。

トンデモブラウさんの次のご意見についてですが、

>また、被爆者差別(婚姻とか)は、ただちに出ないかもしれないけど、必ず起こるよね。

上にリンクした番組の最後にも出てきますが、被曝により甲状腺癌を患った女性であっても正常な妊娠・出産をしています。
2つ前の私のコメントでリンクした「チェルノブイリ原発事故から20年」には次の様な結果が報告されています。

>8. 妊婦への影響と母子保健
妊婦が低線量の体内被ばくを受けた場合でも、乳幼児の奇形発生頻度の増加はなく、又胎児被ばくの子供たちの精神発達遅延も無い、あるいは考えられないと言えます。さらに胎児被ばくの影響で将来がんの発生を示唆するデータは現在のところ皆無です。乳幼児死亡率も汚染、非汚染地域の両者で差はありません。

ということで、チェルノブイリでも目立った妊娠・出産の異常は報告されていません。

現状では新たな避難区域の見直しなどもされていますし、放射性物質の飲食物からの内部被曝も検査態勢が整えられており、一般消費者は安全基準レベル以上の汚染から守られています。
私は慎重な立場から、用心はした方がいいと書いていますが、現在の状況からは、そこまでの心配は不要だと思います。

不当な被爆者差別(婚姻なども含む)は過去の例からは起きやすいと思いますが、それが広まるのは防がなければなりません。

正しい知識により、風評被害や差別は無くしていかなければならないと思います。

164. Katase — April 12, 2011 @11:33:46

訂正です。一部に漢字の誤植がありました。

被爆者→被曝者です。

原爆によるものと違い、原発事故などによって放射線を受けた場合は「被曝」です。また、一般住民でこれまでに後遺症を特に気にする程の被曝を受けている人はまだいないと思われます。

政府の避難区域の見直しは、今後長期にその地域に滞在した場合の影響を考慮したものです。これから避難をしていけば特に問題は無いと思います。

165. 庸 — April 12, 2011 @12:12:39

トンデモブラウさん

>また、被爆者差別(婚姻とか)は、ただちに出ないかもしれないけど、必ず起こるよね。

その差別を起こさないためにも、
「症状が出た時は、概ね手遅れ」なんていう煽り成分たっぷり表現に惑わされず
正しい知識に基づいて判断しましょうということだと思いますけど。

166. トンデモブラウ — April 12, 2011 @12:38:25

>庸さん
>「症状が出た時は、概ね手遅れ」なんていう煽り成分たっぷり表現
 
「症状が出る」というのは、若年性甲状腺癌が発症するということじゃないかと。
「概ね手遅れ」という表現は、間違いではないね。
クシャミがでたから風邪かしら、というのとはわけが違う。
 
判断できるような正しい知識は、差別側にも被差別側にもあまり提供されていない気がします。
まぁ、そういう正しい知識に、差別の抑止力がどれくらいあるかっていうと、歴史を顧みても…

167. 庸 — April 12, 2011 @12:57:36

トンデモブラウさん

臨界、という言葉を核爆発とほぼ同じように間違えて受け止めて怯える人が少なからずいるように

手遅れ、という表現も「あとは坐して死ぬだけ」と同じくらいの強いインパクトをもって受け止めてしまう人は多いでしょう。

症状が出た時に適切な対処をすればがんにならずに済むわけではないけれど
不幸にしてがんになってしまったとしても、
それがイコール人生の終わりなんてことではないんだよ。

…と、Kataseさんはおっしゃっていると思いますし、私もそう思います。


過去がどうあれ、それよりは少しでもマシな未来のために
kikulogは今ここで、正しい知識を提供しようとがんばってるんじゃないんですか。

Up168. たく — April 12, 2011 @20:58:33

#157
Katase さん

私が言いたかったのは、孫さんは前提の誤りを信じていないので、
永遠に騒ぎすぎたとは思わないでしょう。(危険度が1%もあるじゃないか)ということです。
ですから、孫さんへの批難は(孫さんにとっては)不当なものとなる。

孫さん自体の論理系が破綻していない限り、安全な領域に逃げ込んだように見えます。

169. Katase — April 12, 2011 @22:08:28

たくさん

>孫さん自体の論理系が破綻していない限り、安全な領域に逃げ込んだように見えます。

論理としては、
(1)(危険度が1%もあるじゃないか)ということです。
・「直ちに健康被害無し」というのは、おかしい。「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。出た時は、概ね手遅れ。」

「概ね」というのは、1%のことですか?
辞書によると、「概ね」とは「大体 ・ 全体的に ・ 一般的に ・ 概して ・ 大概 ・ 総じて ・ 大部分 ・ 大方」という意味の様です。 
http://thesaurus.weblio.jp/content/%E6%A6%82%E3%81%ADLink

1%は1/100のことですよね。「概ね」と言うのはかなり無理があると思うのですが。

(2) 「この原発による国難が無事に何事も無く過ぎて「お前が騒ぎ過ぎた」と批判された時、私は心の底から喜んで辱めを受け入れます。」

これは、きくちさんが既に指摘されている様に、「無事に何事も無く過ぎて」いませんよね。前提がまず破綻してしまっていると思います。

よって、孫さん自体の論理系が破綻していると結論できてしまうのですが、如何でしょうか?それでも不当な間違いの指摘なのでしょうか。 

170. トンデモブラウ — April 12, 2011 @22:48:14

>庸さん
>不幸にしてがんになってしまったとしても、それがイコール人生の終わりなんてことではないんだよ。
 
そんな煽り文句を使った覚えはありませんけど。
「症状が出た時は、概ね手遅れ」=「甲状腺癌の発症」という解釈も間違いじゃないでしょう、と言っているだけ。
術後のケアも、健常者が「毎日薬飲むくらい、そんな大変なことじゃないでしょうが」って言うのは、説得力皆無。
実際、甲状腺ホルモン剤飲むだけじゃないし。
 
臨界=核爆発じゃないと解っている人なら、原発の燃料が臨界したらどれだけ危ないかは解るでしょう。
濃度は違うけど、量も桁違いだからね。
起こり難いから大丈夫だろうと思っていても、今後全く起こらないとは誰も言えないのだし。
 
安易に「大丈夫、心配ない」というのは、正しい知識の普及には逆効果。

171. エウリピデス — April 12, 2011 @23:08:32

ところで、1〜3号機の炉心はあとどのくらい冷やせば落ち着いてくれるのでしょうか。

いわゆる水素爆発やメルトダウンが起きないくらいには、3ヶ月ぐらいでしょうか。

昨日も地震で50分間注水が止まりましたが、なんともなかったように再開されました。

概算でいいから誰か教えてください。

172. たく — April 12, 2011 @23:32:24

#169

なるほど、
前提が破綻しているのですね。

理解できた。。。と思います。

ありがとうございます。

Up173. Isshocking — April 13, 2011 @04:08:04

エウリピデスさん:
>ところで、1〜3号機の炉心はあとどのくらい冷やせば落ち着いてくれるのでしょうか。
>いわゆる水素爆発やメルトダウンが起きないくらいには、3ヶ月ぐらいでしょうか。
使用済み核燃料プールにコンクリートポンプ車が注水していることからわかる通り、1年や2年の話ではないと思いますよ。
あの状態では、燃料棒を取り出して移送することも数十年はないでしょうし。

174. 技術開発者 — April 13, 2011 @08:27:13

こんにちは、エウリピデスさん。

>ところで、1〜3号機の炉心はあとどのくらい冷やせば落ち着いてくれるのでしょうか。

どういう状態を「落ち着く」というのかによって違う訳です。正常に停止した原子炉の燃料棒でも水で冷やさなくて良くなるなんてのは、Isshockingさんも書かれている様にとても長い時間がかかります。ただ、要は圧力容器なり格納容器の水漏れをとめて、とにかく燃料棒を水に沈め、その水を冷却装置を介して循環させる状態になれば、基本的には外部への影響は無くなりますから、落ち着いた状態と考えて良いでしょう。このあたり、破損状態が完全に分からないので、なんとも言えないのですが、今格納容器の周囲にあって接近作業を拒んでいる水の排除に2週間、蒸気漏れや水漏れ箇所を止めるのにやはり2週間、その間に水の循環冷却方法を用意して、接続して循環を始めるのに2週間と考えると最短で1ヶ月半になります。まあ、実際はやり始めるといろいろと問題が起きる可能性はあるので、短くても3ヶ月くらいでしょうか。

175. Isshocking — April 13, 2011 @09:48:59

技術開発者さん:
>実際はやり始めるといろいろと問題が起きる可能性はあるので、短くても3ヶ月くらいでしょうか。
外部にバイパスしてポンプはそっちに設置することも検討されているそうなので、そんなところでしょうか。
何しろ、これからのスパンを考えるととりあえずの応急修理では間に合わないでしょうし、今は良くても大規模余震でもきたら元々の機器はあてにならないでしょうし。

176. koma — April 13, 2011 @10:31:05

すみません、ここでいいのかわかりませんが
シミュレーションのうち?ということで質問させてください。
今朝の報道で、東芝と日立がそれぞれ福島第一原発の廃炉計画を出したとあります。
日経のwebにによると、東芝は20年までに撤去とあり日立は完全解体まで30年かかるそうです。
このずいぶんな期間の違いはどう考えればいいのでしょうか。
単純に日立の担当は四号機一機なんで早いような気もします。
四号機終わったからあと知らない、とはなるわけないでしょうけど。
それぞれの会社がどう期間を見積もったかについてわかることがあればお願いいたします。

177. Ely — April 13, 2011 @11:25:54

ちょっと余計なことかもしれませんが・・・

日本では、甲状腺癌、特に乳頭癌の治療で全摘が選ばれることはほとんどありません。発見されたときの進行具合にもよりますが、小さければ手術さえせず様子をみるぐらいです。

被曝による癌であっても、現在の日本なら十分術後経過観察できますから、発見が遅れたりした場合を除いて、全摘はないのではないかと思います。全摘でなければホルモン剤の補充療法も通常は必要なく、QOLはそれほど悪くありません。

被曝による発癌は無いに越したことはありませんが、過剰に不安を抱え込まないでください。

お邪魔しました。

Up178. 庸 — April 13, 2011 @12:13:52

トンデモブラウさん

>>不幸にしてがんになってしまったとしても、それがイコール人生の終わりなんてことではないんだよ。
 
>そんな煽り文句を使った覚えはありませんけど。
>「症状が出た時は、概ね手遅れ」=「甲状腺癌の発症」という解釈も間違いじゃないでしょう、と言っているだけ。


ええ、間違いではないですね。ただ
「手遅れ」という言葉はとてもインパクトが強く、価値判断を含み、
誰も「人生の終わり」とは言っていなくても、そう受け取る人が多々出てもおかしくないということもまた同様に間違いではないでしょう、と申し上げています。

情報が錯綜し、みなが不安を抱えている時期だからこそ
孫さんにしろ誰にしろ、一層表現は慎重に選ぶべきではないですか。
「そう解釈しても間違いではない」なんて程度ではなくて。



今回、他スレではありますがあなたの「知ったこっちゃない」発言を読み
人が変わってしまったのかとすら感じました。
私が知ってたつもりのトンデモブラウさんはどこいっちゃったんだろう。
特殊な状況下では、貴兄をしてもかようにワカラズヤになりうるのだなと、
であれば他の人たちはそれ以上に「手遅れ」発言に振り回されちゃっても当然なのにな…と、しみじみ実感しております。

179. Katase — April 13, 2011 @12:32:18

Elyさん

補足をありがとうございます。
チェルノブイリでの甲状腺癌の資料を読むと、被曝した恐れのある人達は早めに医療機関を受診したので、初期の段階で発見されて治療を開始したケースが多い様です。
そういう背景があって発癌後の生存率も高くなったのではないかという推定もありますし、治療後も普通orそれに近い状態で生活できている人達が多いとありました。

それが念頭にあって、 Katase — April 12, 2011 @11:08:42では、「被曝による小児甲状腺癌の治癒後ですが、ホルモン剤を飲むことになっても…」という表現にしたのですが、補足をして頂いて助かりました。

現在の日本の状況では、放射性ヨウ素による内部被曝で発癌するというのは、あまり心配しなくても良いと思います。
これから先に状況がどう変化していくかはまだ不明ですので、状況の移り変わりに注意して、適切な行動の判断をしていくための(正確な)情報を得ていく必要があると思います。

特に、福島県などにお住まいの方達はとてもナーバスになっていると思います。当事者とすれば、心配になって当然だと思います。
不確かな情報を鵜呑みにしたりしない様に、なるべく正しい情報の発信元を選ぶ様にしていくことが大切だと思います。

180. Isshocking — April 13, 2011 @12:51:47

komaさん:
>日経のwebにによると、東芝は20年までに撤去とあり日立は完全解体まで30年かかるそうです。
>このずいぶんな期間の違いはどう考えればいいのでしょうか。
日立も東芝も商業原子炉の解体経験はたいして無いはずです。
ましてや、事故炉ですからねぇ。
要するに予算の大規模投入とロボット技術の革新をあてにした大雑把な見積りなのではないかと。
それに、技術的には解体可能であっても、核廃棄物や損傷した燃料棒の受け入れ先なんて今更あるんでしょうか。これが解決できなければ短縮スケジュールなんて絵に描いた餅ですから、10年程度の違いに拘る必要はないと思います。

181. エウリピデス — April 13, 2011 @12:45:02

>Isshocking さん

>技術開発者さん

レスありがとうございました。
なんだかんだといって、あと3ヶ月ぐらいは、いまの変則注水をつづけるのでしょうね。

昨日、4号機のプールの注水機の先端にカメラや放射線測定器を取り付けて計ったら、83mシーベルト/H、温度は90℃あったそうです。

いま、コンクリート注入機はアームの長さが、50mだそうですが、昨日成田に届いたのは60mだそうです。これも、あと10台ぐらい頼むとか言っていました。

60mあったら先端にカメラ取り付けて、原子炉建屋の瓦礫の中の映像が撮れますね。

182. パニックについて — April 13, 2011 @16:21:04

庸さん、トンデモブラウさん、こんにちは

待っても待っても心理の話が出ないので恥の上塗りをします。
(以下、かなりアバウトな話です)

トンデモブラウさんが言うように、安易に「大丈夫、心配ない」というのは、正しい知識の普及には逆効果です。(これは確実)

 さらに、「大丈夫、心配ない」と先に述べて、後から発病者が現れると、心にテコのような原理が働いて、パニックを誘発しやすくなります。
 パニックを避けるために、先に「手遅れ」というインパクトが強い表現を使うのは、理にかなっています。

 情報は錯綜していても、複数あるほうが、パニックを誘発しません。
 それより、情報が「大丈夫、安全です」と一色に染まっていくと、後から実は安全じゃなかったという情報が流れた場合、これも心にテコのような原理が働いて、パニックを誘発しやすくなります。

「絶対、正しい情報を」と力むより、「錯綜する情報が自然に正しい方に導かれるよう流れを作る」ことが現実的だと思います。

 不安をあおることを抑えるのではなく、「何だ、そうか」と安心してもらうことです。先にインパクトが強い情報が流れるほど、後の「安心」は揺るぎないものになります。

 トンデモブラウさんを非難する前に、どなたか、別の視点を持つ方と話をしてみて下さい。多くの人が、手遅れ発言に振り回されるようなことはないと思います。

Up183. koma — April 13, 2011 @17:39:47

>Isshocking さん
お答えありがとうございます。
つまり東芝も日立も「やってみなきゃわからん」のがホンネというところでしょうか。
いや、2020年までの10年でやると東芝・GEが言うのと
30年間、つまり2040年まではかかると日立が言うのは
どっちがアテになるか不思議だったんですが、
どっちもアテにはできないだろうと納得しました。
政府がそれじゃ間をとって2030年まで、
とかヘンなことを言い出してもおかしくないわけですね。ふぅ。

184. 庸 — April 13, 2011 @18:47:52

パニックについてさん

誰も「安易に」大丈夫、心配ない・・・などとは言っていないように思うのですが。
きちんと「これこれの観点とデータからこのような経過と確率が予測される。だから必要以上に心配する必要はない」と言っていると思いますよ。

その一方で「手遅れ」のほうは、何が手遅れなのかが伏せられています。
きちんと対象を明示せずに「手遅れだ」とするのは、安易ではないのでしょうか。

あと、先にインパクトを与えておいて云々、
おっしゃることは、心理誘導のテクニックとしては理解できますし有効だろうとも思います。
が、それは非常に危険な諸刃の剣、センセーショナリズムと全く同じだとも思います。
私は賛成いたしかねます。


# トンデモブラウ氏を非難しているのではなく、孫さんを批判しているつもりですが
# そのように読めてしまったのでしたら申し訳ありません。

185. パニックについて — April 13, 2011 @21:19:13

庸さん、こんばんは。
私だと役不足ですが、孫さんを擁護する話を少し補足させて頂きます。
一度、孫さんの言葉に戻りましょう。

「直ちに健康被害無し」というのは、おかしい。「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。出た時は、概ね手遅れ。」
「この原発による国難が無事に何事も無く過ぎて「お前が騒ぎ過ぎた」と批判された時、私は心の底から喜んで辱めを受け入れます。」


3つの反論
1ツイッターについて
そもそもツイッターは140字制限の世界。丁寧な表現は難しく、言葉足らずになりがちです。

2何が手遅れかについて
発症するのが、盲腸でもカゼでもなく「ガン」だから。
個人的には、それで十分と思えます。

甲状腺ガンについては、いくつかコメントが続いています。
安心しました。が、少し机上の計算にも思えます。
すべての国民が医療施設の整った地域で生きているわけではありません。
甲状腺の異常は自覚しやすいですか。専門医は十分足りてますか。
手術となると跡は残りませんか。5年経過後の再発は、どうですか。

要は、心配するな=「死ななきゃいいだろ」ということを、言葉を換えているだけにも思えます。
死なないレベルでも、例えわずかでも、自分の意思とは無関係に、体や生活の負担が増すことは、真っ平ゴメンです。

国や東電に損害賠償を求めても、ガンだと因果関係の証明が難しそう。
何より、万一、死ぬレベルなら、金をもらっても空しいだけです。

3心理テクニックについて
私の説明が下手なのは認めますが、心理テクニックのように捉えられると悲しいです。
例えば 〕〔 〕〔 〕〔 〕〔 の図は、恐らく〔 〕(閉じている括弧)の集まりに見えて 〕〔の集まりと見ようとしても、心(脳)に拒否されると思います。心はこのような「ちょっとややこしい構造」を持っています。つまり「情報が正確であれば、人々は合理的に行動する」わけではありません。
 きちんと「これこれの観点とデータからこのような経過と確率が予測される。だから必要以上に心配する必要はない」というやり方では、人は心配を解消できません。

「この原発による国難が無事に何事も無く過ぎて「お前が騒ぎ過ぎた」と批判された時、私は心の底から喜んで辱めを受け入れます。」という文章を読んで、孫さんは、私が一つ前の投稿で書いた「心の動き」をちゃんと理解した上で行動していると思いました。

だから、「必要以上に心配する必要はない」のではなく、大いに心配してもらってから、安心すればいいじゃん、と提案したわけです。
あれ? なぜか、孫さんと同じ結論になった、ということなのです。

Owner Comment きくち  April 13, 2011 @22:44:34

もっとも重要なことは、孫さんが「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。出た時は、概ね手遅れ。」と書く前に放射線と医学の専門家に問い合わせたのかということではないでしょうか。

孫さんくらいのかたが問い合わせたなら、さまざまな専門家がアドバイスしてくれたのではないかと思います

それからでも遅くなかったはずです

187. nucky — April 13, 2011 @21:47:23

落語の「手遅れ医者」ですな。

落ちは「屋根から落ちる前に連れてくれば良かった」でしたっけ。

商売で納期を聞かれてサバを読むのと何ら変わりがないですね。
本来の納期に納めると「早く納めてくれた」
言った通り(つまり納期の遅延しても)納めると「納期通り」

最初は悲観的に言っておけば何事も良い方にカイシ訳してくれるぞということですね。

Up188. captnemo — April 14, 2011 @08:24:43

パニックについて ― April 13, 2011 @21:19:13さま

「役不足」(地位・能力に比べて、あたえられた役割が不相応に低い)だとおっしゃるなら、仲蔵みたいに「貫禄や実力」を見せつけていただきたかった。

1.字数に制限があり、「丁寧な表現は難しく、言葉足らずになりがち」なメディアで、微妙な(前提条件や背景の説明が不可欠な)問題を断言してはいけません。
2.ご本人はどうか知りませんが、「臨界」を「核爆発(暴走)」と思い込みたい人は、「手遅れ」を「座して死を待つ」と受け取ります。
また、それなり(北海道や沖縄までを含めた全国民を46時中連続して監視する必要があると思えない)の医療(監視)体制は構築される筈で、放置されることはないでしょう。
3.「『これこれの観点とデータからこのような経過と確率が予測される。だから必要以上に心配する必要はない』というやり方では、人は心配を解消できない」からといって、事後の「辱め」を覚悟しさえすれば、何をいってもいいんだということにはならない。
「東日本は壊滅する」と煽って(大いに心配してもらって)おいて「大丈夫でした(安心してもらう)、辱めてください」が通用するかどうか。
「何事も無く過ぎる」(ことは、もうないが)前に、辱めを受ける覚悟はなかったのですかねえ。
覚悟があるからといって、その人を辱めていいとは、思いませんが。

189. Ely — April 14, 2011 @08:18:37

すみません。もとのtwitterを知らないので、変なコメントかもしれませんが。

>>「直ちに健康被害無し」というのは、おかしい。「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。出た時は、概ね手遅れ。」

この一文だけ見ると、「何で?」と思ってしまいます。

放射線被曝に関して、の話だと思うのですが、
「直ちに健康に被害の出るようなものではない」といった発表に対しての意見でしょうか?

「直ちに健康に被害無し」→ 文面の通り、これ以上でもこれ以下でもないと思うのですけれど。


被曝により、健康に被害の出る可能性が上昇したことは確かだとは思います。過去のデータから、小児の甲状腺癌と放射性ヨウ素摂取との関係は明らかとなっています。けれども、それに関しても、線量との関係や全員が癌になるわけではないことも疫学調査からある程度読み取れるはずです。

現在注意深い線量の観測、食品に関する調査も行われており、それらのレベルや規制を見る限りでは、直ちに健康被害は出るとは考えられません。
被曝イコール健康被害ではなく、被曝イコール健康被害の可能性の上昇、ですよね。そして今までのところでは、可能性の上昇もわずかなものと考えられると思います。


疾病に関しては数字というのは当てになるようなならないようなもので、ある程度それを目安にするしかないのですが、数字では割り切れないものがあります。
高齢出産で染色体異常の出生率が上がることはよく知られていますが、どのくらい上がる、といわれても、自分がその当事者になるかどうかはまったくわからないわけです。
可能性がたとえ低くても、なってしまったら当人にとっては低い数字なんて意味なくなりますから。


知人に広島の被爆者がいますが、当日爆心地に入りいろいろ作業したそうですが、手帳も持ち毎年検査をし、それでも傘寿を過ぎた今でも年相応の聞こえにくさとか高血圧以外は、悪性腫瘍の兆候も無いようです。
でも、その知人の友人には、早くに悪性腫瘍で無くなった方もあったそうです。


最初の一文に戻りますが、「直ちに健康被害有り」という言葉が、被爆者全員もう癌になっているんだぞ、と暗に言っているようにも思えて、言い過ぎのように感じました。
将来的に健康被害が無いとは言えないので、万全を期して無用と思えても早めの避難を要請する、というならわからなくもないのですが。

190. Ely — April 14, 2011 @09:36:33

>パニックについて さん

>>甲状腺の異常は自覚しやすいですか。専門医は十分足りてますか。
>>手術となると跡は残りませんか。5年経過後の再発は、どうですか。

甲状腺の異常は発見しやすいものの一つです。体表近くにあり、直接手で触れることもできますから。自分ではわからなくても、周囲の人に気づかれることもあります。
ましてや、被曝の可能性があれば、周囲の人たちに正しい知識があれば気をつけているでしょうし、ごく早期に発見することが可能です。
内科あるいは耳鼻咽喉科の領域で、手術するとなれば耳鼻咽喉科ですね。

傷跡は残る可能性はあります。頸なのでいやがる方もおられます。体質なども関係するので、痕が目立つかどうかは断言はできません。子供さんなら一般的には傷の治りは早く、痕も目立ちにくくなるとは思いますが。

再発の有無に関しては、被曝あるなしとの関係ももしかするとあるかもしれませんので、残念ながら明言できません。


今回のように無用の被曝で少しでも発癌の危険性が上昇するのは、残念で許しがたいことです。避難などの負担にさらに放射線に対する不安が加わるのは何とも理不尽で気の毒です。
でも、すでに起ってしまっているのですから、余分なストレスを抱えないで(ストレスは健康障害の原因ともなります・・・そういう意味では放射線の二次災害とも考えられますが)、今何が出来るかを考えたいです。

191. TAKESAN — April 14, 2011 @10:18:25

お早うございます。

上のElyさんのコメントを見てふと思ったのですが、もしかして、孫氏の元発言へのリンク、このコメント欄から張られていないのですか?
見落としただけかも知れませんが、一応貼っておきます。
http://twitter.com/#!/masason/status/56375777914130432Link
▼ 引  用 ▼
「直ちに健康被害無し」というのは、おかしい。 「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。出た時は、概ね手遅れ。」これが、正しい表現なのではないでしょうか⁈
▲ 引用終了 ▲
私には、この文章は意味不明瞭です。それぞれの語が具体的にどういう現象を指しているのかが判然としないので、何言ってるんだろう、となりました。
特に不明なのは、「概ね」「手遅れ」の部分ですね。

192. パニックについて — April 14, 2011 @12:08:39

みなさん、お早うございまうす。

訂正します。
185の役不足→力不足ですね。captnemoさん、ご指摘ありがとうございます。

さて、説明が下手、まさに力不足でした。

本質に迫るため、私の文章に代わって、以下を引用します。危機に見える「エリート」の本質というブログです。
http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2011/04/%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%82%8B%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%B3%AA.htmlLink

■ 燃料や物資については、政府が早々に被災地でない地域に向けて「しばらく我慢してほしい」と訴えればよかった。原発から30キロ圏内の扱いや、野菜、飲料水の汚染についても「絶対安全とは言えないが、かなり安全」なんていうのは全然だめ。白か黒か言わないと人は動けません。でも、びびったんでしょうね。

冨山和彦さんのこの文章を読んで、人を動かすことが仕事である経営者は、理にかなった行動をひょんな風に見抜くものだと感心しました。

今回の孫さんの話も根っこは同じ。まだらなものでも、危機的状況では、白か黒かがいいのです。彼が断言したということは、リスクをとったということですね。この言葉をいったん許容すればいいじゃないですか? それでもオセロのように四隅さえしっかりおさえておけば、落ち着いた時点で正しい言葉が出てくると、バタバタと反転します。心のテコの原理も働いて、面白いように。

Elyさん、こんにちわに。

傷跡は残る可能性はあります=多くの医療施設で切開法が第1選択だからと推測します。甲状腺ガンの全摘手術そのものが少なければ、十分な症例をこなした医師も少ないはず。だから、切開法が第1選択になりがちなのでしょうか。

傷跡は命に何の影響もありません。しかし、子供の場合、思春期や結婚適齢期を迎えて目立つ場所に傷跡があると心に大きな影響を与えます。端的に言えば被曝者を示す印になるということです。
私は後になって妊娠・出産には、何の影響もないよと声高に叫ぶより、いま大問題だと大騒ぎして、傷跡に悩む子供が、ただの1人も出ることがないよう、過敏なほど親が注意してほしいと願っています。後できっと笑い話になるじゃないですか。

ただ、内視鏡下手術なら傷跡が目立たないはずですよね。東北地方で、手がける医師が多いといいのですが。

Up193. 摂津国人 — April 14, 2011 @12:22:32

>私は後になって妊娠・出産には、何の影響もないよと声高に叫ぶより、いま大問題だと大騒ぎして、傷跡に悩む子供が、ただの1人も出ることがないよう、過敏なほど親が注意してほしいと願っています。後できっと笑い話になるじゃないですか。

 過敏なほどに大問題だと大騒ぎして妊娠・出産に影響があると注意して中絶したり流産したり差別が起きても心の病気のなっても笑い話にするのですか?。 

194. Ely — April 14, 2011 @12:17:44

パニックについて さん、こんにちは。

>>傷跡は残る可能性はあります=多くの医療施設で切開法が第1選択だからと推測します。甲状腺ガンの全摘手術そのものが少なければ、十分な症例をこなした医師も少ないはず。だから、切開法が第1選択になりがちなのでしょうか。

甲状腺の手術は、癌以外にも、機能亢進症(バセドウ病ですね)、慢性甲状腺炎、腺腫様甲状腺腫(腫瘍じゃないけれど甲状腺が腫れます)、濾胞腺腫(良性腫瘍)などでも行われます。中高年が多いですが20代でもあります。悪性腫瘍の場合はリンパ節郭清が加わることもあるのでまったく同じではありませんが、甲状腺部分切除あるいは全摘の術式は確立していると考えられます。

それから、内視鏡下手術が甲状腺に適応されるという話は、聞いたことがありません。どこからどこに内視鏡を入れるのでしょうか? 


また、専門外だしややこしくなるので書きませんでしたが、甲状腺の検査・あるいは甲状腺癌の治療にも、放射性ヨードが使われることがあります。切除以外の治療の選択肢としては、抗がん剤よりも放射性ヨードと考えますが、被曝による癌に対しても行うのか? というあたりはコメントできる知識はないです。

以前のコメントですが、

>>要は、心配するな=「死ななきゃいいだろ」ということを、言葉を換えているだけにも思えます。

というか、「みんな癌で死んでしまう」と心配しているように見えたので、いやいやそんなことはないよ、と言いたいだけだったのですけれど。

逆に、皆さんが「放射線なんか全然怖くない。避難なんか必要ないもんね」とおっしゃっていたら、「最悪の場合命にかかわりますよ、すぐ避難したほうがいいです」になると思います。

どちらの極端も避けて欲しいのですが、一般に対してそれを求めるのは無理なのでしょうか?



コメントを拝見して思いましたが、被曝に関係ない方々でも、上記のような疾患で甲状腺の手術痕があると、差別されかねないということですね。
その辺は本当に正しい知識の普及に努めるしかないのでしょうか。人間というものが悲しくなりますね。

195. 技術開発者 — April 14, 2011 @13:29:37

こんにちは、パニックについてさん、そして皆さん。

私には分からないのですが、パニックについてさんが

>不安をあおることを抑えるのではなく、「何だ、そうか」と安心してもらうことです。先にインパクトが強い情報が流れるほど、後の「安心」は揺るぎないものになります

とおっしゃっている「不安を煽る」というのは、悪い可能性の上にさらに悪い可能性を重ねて、絶望するところまで追い込むという意味なのでしょうか?

例えば、放射性ヨウ素による甲状腺癌の増加に関して、
1.今回の事故で発生した放射性ヨウ素量を最大限に見積もる
2.その放射性ヨウ素に内部被曝した人の数を最大限に見積もる
3.その放射性ヨウ素に内部被曝した被曝量を最大限に見積もる
4.内部被曝量と甲状腺癌発症の関係に当てはめて、将来の発症数を最大限に見積もる

までの一連のことは、まあ、考え方として「単に大丈夫」より意味があるかも知れません。それをやっても今の放出放射性ヨウ素量だと患者がでるかどうかわからないレベルだからです。

しかし、そういうこともしないで、手術方法の検討をしたり、医師数の不足を検討したりするることは正しいのでしょうか?それは、パニックについてさんがおっしゃる「不安を煽る」ということの正しい方法なのでしょうか?

私は悪徳商法の批判をしている時に架空請求の相談にも乗っていました。時々、変な所からの相談からはじまることがあります。「給料を差し押さえられると、それは会社に知られるのですか?」とかね。最初の内は、裁判所の差し押さえのやり方とか説明して居たのですが、そのうち、それが「**の代金***円が未払いです。お支払いいただけない時はペケペケ
法に基づいて給料を差し押さえます。弁護士 ぺっぽこ太郎」といった架空請求葉書の怯えた方が、色々と不安な想像を膨らませた結果として、「差し押さえされたら、会社に知られるのだろうか」と心配された結果だと分かりました。パニックについてさんなら「不安を煽らなきゃだめ」とおっしゃるかもしれませんが、私は、「差し押さえについて説明する前に、その請求が正しいかどうかを考えてみましょう」と言い、「ペケペケ法なんて法律はありません。」とか「ヘッポコ太郎という弁護士は弁護士会の名簿検索で探してもいませんよ」とか、お教えしていた訳です。

なんていうか、何がおやりになりたいのか、私には分からなくなっているわけです。

196. Katase — April 14, 2011 @13:24:37

パニックについてさん

あなたのお考えは、残念ながらデマを広めて不安を煽る人の言い訳にしか思えません。

>今回の孫さんの話も根っこは同じ。まだらなものでも、危機的状況では、白か黒かがいいのです。彼が断言したということは、リスクをとったということですね。この言葉をいったん許容すればいいじゃないですか? それでもオセロのように四隅さえしっかりおさえておけば、落ち着いた時点で正しい言葉が出てくると、バタバタと反転します。心のテコの原理も働いて、面白いように。

あなたは、誤った理解によって「不安を煽る情報」が流されたら、それによる誤解によって根拠の無い差別が広まってしまう、ということは考えてみたことはありますか?
デマ情報が一旦広まってしまったら、それによる被害を受ける人達はどうなるのでしょう。罪の無い被災者達が、誤った認識からの差別によってどれだけ苦しむ事になるのか。
直ぐに誤りを認めて誤解の解消に奔走するならまだマシですが、時間がかなり経って落ち着いた時点で訂正した情報が流されたとして、それまでの間にその誤解によって差別を受けてしまった人達はどうなるのでしょう?

今回の災害では、孫さんの他にも注目度の高い人達が様々なデマ情報を流して多くの人々に向けて不安を煽っています。
残念なことに、もう既に色々な誤解に基づく差別により、子ども達が避難先でいじめに遭っていると新聞でも報道されていますし、婚約を解消された女性などもいる様です。
多くの被災者達が既に誤解に基づく差別によって苦しんでいます。
全ての発端は、誤った情報を鵜呑みにした大人達が原因です。

197. Kosuke — April 14, 2011 @13:53:32

パニックについて ― April 13, 2011 @21:19:13
> 死なないレベルでも、例えわずかでも、自分の意思とは無関係に、体や生活の負担が増すことは、真っ平ゴメンです。

じゃ、現世で生きていくことは無理ですね。あなたのそして私の意図しないところで、生命・健康のリスクは常に付きまといます。極々わずかでも。

決して0にはできないそのリスクは、利便的な生活を送る事とのトレードオフと考えれば、すこしは心が落ち着きますかね?

Up198. ijim — April 14, 2011 @13:57:20

>パニックについてさん

病院でインフォームドコンセントの議論をしているときに放射線医から「造営撮影の説明で"最悪死亡することがあります"って説明しなきゃいけませんか?」という質問があったことがあります。
ヨード剤でショックを起こすことがあるんですね。
通常はしっかり観察していて異常がある場合には検査を中止して必要な処置をすれば大丈夫なんですけど最悪な可能性を説明するとそうなるんですよ。
パニックについてさんは造影検査を受ける人全員にこういうことを説明しろと言ってるんですよね。

内視鏡にしても大腸ファイバーで腸を突き破って大腸穿孔が原因で死亡する場合があるんですけど、これも死を覚悟して検査に臨んでくださいと説明しなくてはならなくなります。

まあそれはそれで正しいことなんですけど、「死ぬこともあるよ」と不安を煽っておいて、必要な検査から逃げ出して、それが原因で病態が悪化して結果的に助かる病気で亡くなってしまう場合があったらまずくないでしょうか。

医療の場合はリスクとベネフィットの割合を勘案して選択することが正しいインフォームドコンセントの形であって「最悪な場合」をあまり強調しないようにしていると思うんですけど、今回の福島の場合はどうでしょう。
「取るものもとりあえず仕事を放り出しても着の身着のままでも逃げなくちゃ」という反応をした人が後から笑い話で済むでしょうか。

やっぱり正確な情報から正確なリスクを想定して動いた方が良いんじゃないでしょうか。

199. サルガッソー — April 14, 2011 @14:23:46

--------------引用開始--------------
本質に迫るため、私の文章に代わって、以下を引用します。危機に見える「エリート」の本質というブログです。
http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2011/04/%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%AB%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%82%8B%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88%E3%81%AE%E6%9C%AC%E8%B3%AA.htmlLink

■ 燃料や物資については、政府が早々に被災地でない地域に向けて「しばらく我慢してほしい」と訴えればよかった。原発から30キロ圏内の扱いや、野菜、飲料水の汚染についても「絶対安全とは言えないが、かなり安全」なんていうのは全然だめ。白か黒か言わないと人は動けません。でも、びびったんでしょうね。
--------------引用終了--------------

飲料水に関してはここでも議論になって、特に乳幼児に関しては
「多少汚染されていたとしても、脱水症状になるよりは断然まし」が本流だったと思います。

民衆は白か黒かでしか判断できないって言ってる人は、
「代替手段があるなら越した事はないが、なくてもまあ安全ですよ。」
なんて周知は意味が無いのでしょうね

200. Katase — April 14, 2011 @14:10:25

パニックについて さん

>傷跡は命に何の影響もありません。しかし、子供の場合、思春期や結婚適齢期を迎えて目立つ場所に傷跡があると心に大きな影響を与えます。端的に言えば被曝者を示す印になるということです。

この、甲状腺の手術の後の傷跡についてですが、昔とは違い、傷跡が目立たない手術法が確立されています。この手術法をチェルノブイリで広めた日本の医師のエピソードを、 
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1302031557#CID1302574122Link
で紹介していたのですが、お気づきになられなかった様ですね。
もう一度紹介します。

・プロジェクトX 挑戦者たち チェルノブイリの傷 奇跡のメス 
http://www.youtube.com/watch?v=cJu-rU4-XykLink

そして、手術の技術はどんどん進歩しています。
この動画の中では、被曝した女性患者とその家族が妊娠・出産を諦めるしかないのかと悩み苦しむ様子もあります。最終的に、その女性は正常に妊娠・出産して元気な赤ちゃんを出産しています。

>私は後になって妊娠・出産には、何の影響もないよと声高に叫ぶより、いま大問題だと大騒ぎして、傷跡に悩む子供が、ただの1人も出ることがないよう、過敏なほど親が注意してほしいと願っています。後できっと笑い話になるじゃないですか。

あなたは、軽く考え過ぎです。不安に駆り立てられて、妊娠中絶を考える妊婦さんからの相談が増えているそうです。
不安を煽るデマによって、特に問題が無いのにも関わらず、この世に生まれてくるチャンスを奪われてしまった子どもに対する責任は誰がとるのでしょう。

201. Ely — April 14, 2011 @15:24:35

#194 私自身のコメントで

>>それから、内視鏡下手術が甲状腺に適応されるという話は、聞いたことがありません。どこからどこに内視鏡を入れるのでしょうか? 


すみません。内視鏡治療ありました。鎖骨上皮下に内視鏡を入れるのですね。別のリスクは発生しますが傷跡は目立たなくなります。

不勉強なコメントで申し訳ありませんでした。

202. 技術開発者 — April 14, 2011 @17:32:55

こんにちは、皆さん。

誰か書くだろうと思っていたのに、誰も書かないからとりあえず説明です。

放射性ヨウ素と甲状腺癌について関係はチェルノブイリでけっこうハッキリと現れました。じゃあ、チェルノブイリで甲状腺癌になった子供たちは、どのくらいの放射線を甲状腺に浴びたんでしょうね。

実はこれには測定値はありません。推定値のみです。なにせ放射性ヨウ素は時間とともに消えていきますし、甲状腺癌は潜伏期間が長いです(癌細胞ができてから癌があると分かるまで10年くらい)。つまり、癌に鳴ったときに調べても甲状腺には放射性ヨウ素なんて無くなっています。避難前、避難中にどのくらい汚染されたものを、どれくらいの量食べたり飲んだりしたかを、その当時の地域の放射性ヨウ素を推定し、そのヨウ素が甲状腺に蓄積される量を推定してその放射性ヨウ素が消えるまでの間に甲状腺に浴びせた放射線の量を推定する訳ですね。

だいたい癌になった子供は1〜10シーベルトの放射線を甲状腺に浴びていたと言われています。この量というのは、もしも全身に浴びたら、白血球の減少という急性症状がおきたり、死んだりする量です。局所的に甲状腺のみが浴びるので、甲状腺内に癌細胞ができるわけです。

でもって、我が国の基準値というのは、その基準値の食べ物や飲料のみを1年間食べつづけたら、甲状腺が33ミリシーベルトの放射線を浴びるという値以下に設定されています。そして、半減期の短い放射性ヨウ素で汚されたものを1年も食べ続けるのは無理です。1ヶ月なら2.8ミリシーベルトです。基準値の10倍のもののみを1ヶ月食べ続けて、やっと28ミリシーベルトになります。

この話だって、「基準値の10倍のものを探して、それのみを食べる」という充分に無理のある話なのです。
なんていうか、「標的臓器のある放射性物質は体内で特定の臓器に濃縮して、そこに沢山の放射線を浴びせるから怖い」のは事実です。その怖さを専門家は知っているから、基準値を設定するときは「そんな摂取は無理だろう」と思うほどの大きなマージンを入れて設定してきた訳です。
そしてそのマージンを知るから、「ただちに影響はしないけど、乳幼児には控えて」くらいのことが言える訳です。

Up203. Katase — April 14, 2011 @20:42:06

孫さんは、悪気があってあの様な発言をしたのでは無いだろうと思います。政府が安全だとしか言わない事に対して、

>「直ちに健康被害無し」というのは、おかしい。 「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。出た時は、概ね手遅れ。」これが、正しい表現なのではないでしょうか⁈

という発言になったのだと思いますが、これは危機感を認識して欲しくて言い過ぎたのだと思います。
健康被害が出る前にちゃんと手を打つべきだと主張する目的を超えてしまって、健康被害が出たらほとんどの人が手遅れで人生台無しだとも受け止められる発言になってしまっています。
この先、被災者がそんな風になってしまうのだと捉え、自分も子供も治療が不可能な手遅れの癌になって死んでしまうのだと悲観してしまったら、自暴自棄になってしまうかも知れません。そして放射線の被害はそんなに恐ろしいものなのかと認識した人達が、「放射線がちょとでもうつされたら恐い」と被災者が近づくのも忌み嫌って、いじめや差別にも繋がっていく恐れがあります。

孫さんは、自分の善意からの発言がそのような効果を持つ可能性を想像なさらなかったのでしょうが、大げさに怖がらせることで意図しない影響をご自分の発言力が持つということを少しでも考えて頂けたらと思います。

私は、政府の安全ですという説明だけでは不十分だと思い、こちらでもその視点から(文献などを調べて確認しながら)コメントを何度かしましたが、それにより不安を過剰に持たれないように慎重に配慮したつもりでも、私のその発言は不安を煽る可能性があると指摘されて何度か注意を受けています。
それだけ、現在の状況では放射線被曝のリスクを適度に伝えるのは神経を使うし、デリケートな問題なのだと思います。

特に有名人やジャーナリストの方々は、いつもよりも細心の注意を払って、発信しようとしている情報に誤りがないか確かめてから発信して頂きたいと思います。

補足として、原発周辺の被災地では念のために放射性ヨウ素が甲状腺に与える影響を防ぐ為のヨウ素剤が住民に配られて、必要があると判断された時に医師などから指示がでて服用できる様になっています。
ですので、ヨウ素剤の配布も無かったチェルノブイリのケースとは異なっていますし、現在までの放射線量もヨウ素剤を飲む必要のある地域はまだ出ていないと思います。

204. dwn — April 15, 2011 @00:35:08

こんばんは。既に皆様様々な観点から指摘されていますが、ちょっと別の切り口から孫さんの発言を批判してみます。

「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。出た時は、概ね手遅れ。」

主に3文目に批判が集中しておりまして、確かに皆様おっしゃることは尤もかと思います。ところで、1文目と2文目もだいぶ
おかしな表現ではないでしょうか?
放射線障害には確定的影響(閾値あり)と確率的影響(晩発的・閾値について未確定)があるはずです。
「直ちに健康被害有り。但し症状が直ちに出るわけではない。」
というのは確率的影響による晩発的な被害を指していると思われますし、可能性のある被害としてはたしかにそちらなのですが、現在一般住民の被曝量は確率的影響の「閾値」(これまでの疫学的調査から影響が観測できた値をカギ括弧つきでとりあえずこう呼ぶとします)よりもはるかに低いかと思います。
その場合、「直ちに健康被害あり」は明らかにこれまでの観測データと矛盾する表現ではないでしょうか?
正確に表現するなら、「これまでの被曝量による健康被害は、○○年後にXX %(疫学的調査から関連性が否定されている以上、1%よりははるかに低いと思っています)以下の発ガンリスク上昇」となるかと思います。
だいぶオーバーに書きすぎではないでしょうか。

205. bamboo Website — April 15, 2011 @03:59:38

本題とは関係ないのですが。

> ijimさん ― April 14, 2011 @13:57:20
>病院でインフォームドコンセントの議論をしているときに放射線医から「造営(造影)撮影の説明で"最悪死亡することがあります"って説明しなきゃいけませんか?」という質問があったことがあります。(一部訂正)

説明しなければいけないと思います。
もちろん説明の仕方に配慮することは当然ですが。
と言うか、今時説明していない病院があるのでしょうか。

206. nucky — April 15, 2011 @05:23:30

>bambooさん

書き方がよくありませんでした。
説明の仕方でリスクを最大に見積もった言い方をすべきかどうかという議論をしたと言うつもりで書いたんですけど。

手術や検査説明でリスクばかり強調するような説明は未だに多く見られます。白内障の手術に「最悪失明することがあります」「麻酔により死亡することがあります」などいたずらに恐怖を煽るような書き方をする説明文書は少なくありません。
リスクに対する正確な理解ができる説明が欲しいところです。

207. ijim — April 15, 2011 @08:29:06

>bambooさん

ハンドル名間違えました。

仰るとおり「今時」な話題ですね。
でも患者さんに恐怖感を抱かせるような説明文書って結構多いんです。
医療訴訟が増加傾向にあることが医療者側の警戒心を煽っているような気がしますが、こういうことは原発での事故処理の場面でもあるのではないかと想像しています。

本題とは関係ありませんね。失礼しました。

Up208. かとう — April 15, 2011 @09:07:14

インフォームドコンセントって、本来そういうものでは無いんです。
Aという治療法は「〜〜〜」で、これだと、完治する可能性はこれぐらいある。完治はしないけど日常生活レベルが出来るようになる可能性はこれぐらい。そして体への負担はこれだけあり、危険性はこの程度です。
Bという治療法は「〜〜〜」で、こっちだと完治する可能性は減りますが、体への負担はこれだけ減り、危険性もこのぐらい減ります。
どちらの治療を希望しますか?
と謂うのものが本来のものですね。

しかし医療訴訟が増えてきている今、危険性を列挙するものになってきています。
この状況はよろしくないものである事は明確です。
しかも、どんな書面を作ってようが、医師の過失があれば患者側が勝ちますし、医師に過失が無ければ患者側は負けます。
「そんな危険性があったら、病気のまま死んでいったほうがマシだった」って場合(この場合は結局亡くなる前提なので損害賠償は対してありません)に慰謝料が多少出る程度です。
患者側、医師側が思ってるほどたいした書面じゃないし、それなのに不安だけ増大させて治療への躊躇いをさせているだけに成り下がってます。

死亡時医学検索を解剖だけ(しかも日本の解剖率は2%)で行っている現状、ほとんどは体表面から見た推定で死因確定している為、上記の医療訴訟が泥沼になっている事もあり、死亡時にCT/MRI等の画像診断も組み合わせた死因を明確にする医療が必要ですね。

脱線ついでですが、大事なので書いてみました。

209. TTTK — April 15, 2011 @11:43:50

専門家が提案してる『基準値』には怯えるのに、
専門家が『大丈夫です、安全です』と言っても、信じない。

実はとてもおかしな話ですよね。

210. bamboo Website — April 15, 2011 @15:31:15

本題でないのに続けるのは恐縮なのですが、私の感覚は以下の通り。

医師の過失が「あるとされれば」患者側が勝ちますし、医師に過失が「無いとされれば」患者側は負けます。

また、「この場合は結局亡くなる前提なので損害賠償は対してありません」というのも、忙しい勤務医にはあまり意味がありません。
損害賠償は病院が保険で支払うものですし、金額よりも、裁判になって時間をとられることが一番つらいのです。

医師の目からは全く医療側に過失があるようには思えないのに、説明義務違反で敗訴という事例は結構あります。
悪い結果について強調したい気持ちは分かります。

「直ちに健康に害はない」という説明が全く受け入れられない状況から、医師の説明なんか誰も聞いちゃいないという事くらい分かってもらえないのだろうかと、つい愚痴も言いたくなります。

211. げんげ — April 15, 2011 @21:44:19

いきなりで恐縮です。本分から逸れるのを承知の上で、医療に詳しい方々にお尋ねします。

1)安定ヨウ素剤ですが、暫定的にでも「当面の間」継続して使用すると、身体に悪影響はありますか。

安定ヨウ素剤の国内在庫が80万人分とのことで、これが1回限り分の量なのか、何日かの継続使用を前提としてるのかは判別が付きませんでしたが、例えば在庫の半分でも、福島原発30Km圏内の5歳児未満の児童約9000人に「当面の間」継続して供給するのは、やはり問題なのでしょうか。

新型インフルエンザ騒ぎの時に、在庫切れで騒いだ後、結局余剰在庫を抱えたワクチンやマスクなどとの比喩でも結構です。
これだけ不安が高まっているのであれば、放射性ヨウ素の影響を受けやすいとされる対象児童(とその親も)の精神安定剤としてでも、安定ヨウ素剤を配るのはどうかと思ったもんですから。

どっかの村では、配ったらすぐに飲んでしまった人(それも大人が)が多かった
とかの話も聞いていますので、医薬品として正しい処方でないのは十分承知の上で、素人考えを出してみました。よろしくお願いします。

212. fisker — April 15, 2011 @22:14:21

安定ヨウ素剤を「精神安定剤として」服用することの医学的な害については専門の方の解説を待ちたいと思いますが、仮に実害がほとんどないとしても医薬品を本来の目的以外に使用するのは著しく不適切であると考えます。
医療の現場で、個々の患者さんに対してであれば安心してもらうためにプラセボ(偽薬)を処方することはあると思います。しかし公衆衛生にプラセボを使用するのはダメでしょう。必要なのは正しい情報のはずです。
はじめの頃にどこかの自治体が「念のため」に配布したという話はどこかで読みましたが、十分な説明なしに配布すれば却って不安を助長するだけで、自治体の対応としては非常にマズいと思います。
なお、備蓄は十分にありますので必要になれば配布されます。配布されないのは必要がないからです。必要ないのに配布するのはナンセンスでしょう。

Up213. kitten — April 15, 2011 @22:34:24

 こんなこと書いたら、いろんな方面から怒られそうですが、
副作用がない分だけ、ホメオパシーのレメディの方がマシです。

 安定ヨウ素剤が、特に副作用が多いと言うわけではないのですが、
そのリスクに見合うベネフィットがない状態ですので・・・。
単に、毒を配るようなもんですよ?

 プラセボとしても、使えませんよ。
たった一人の患者さん相手ならともかく、
何千人、何万人相手にプラセボっていうのは、無理があります。
正しい情報(=ヨウ素が必要ない)をもった人間もたくさんいますし。

214. Katase — April 15, 2011 @22:21:31

げんげさま

ヨウ素剤は、継続して何回も服用するものではありません。
医師などの指示があった時だけで服用は原則1回です。
ヨウ素剤を大量服用または長期連用すると、一過性の甲状腺過形成や機能低下を生じることがあります。
勝手な自己判断で飲むのは百害あって一利無しです。

次の資料は、詳しく説明してありますので参考にどうぞ。

・安定ヨウ素剤 取扱いマニュアル 
http://www.remnet.jp/lecture/b03_03/index.htmlLink  

(PDFファイル) 
http://www.remnet.jp/lecture/b03_03/b03_03.pdfLink

次の資料は、妊娠・授乳中女性を対象とした解説です。
・福島原発事故による放射線被曝について心配しておられる妊娠・授乳中女性へのご案内(特に母乳とヨウ化カリウムについて)
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110316.pdfLink

215. かとう — April 15, 2011 @23:00:41

>副作用がない分だけ、ホメオパシーのレメディの方がマシです。
普段から来ている人だと、言いたい事は解ります。
ヨウ素剤を配る事がどれだけマイナス効果かと云う事を示したかったのですね。
しかし、普段より来てる人が多い、初めての人も居る今だとちょっと適切さには欠けますね。

216. 井口堂 — April 16, 2011 @00:08:25

安定ヨウ素剤については、ある自治体で配布(ただし、服用は行政からの指示があってからとのメッセージはあった)された後、私は、下記の主旨のメールを自治体宛に送りました。

1.安定ヨウ素剤で副作用が起こる可能性がある。
2.服用は行政の指示があってからと伝えても、すぐに服用してしまう人がでる可能性が高い。
3.配布された安定ヨウ素剤を譲り渡す(過剰服用が起こる)可能性も高い。
4.震災と原発問題で疲労困憊していることには同情を禁じえないが、住民を守るための行政として責任が何かを考えてほしい。(配布にいたった最大の理由は、住民からの配布の要望が多く寄せられためとのことでした)

217. げんげ — April 16, 2011 @00:25:56

fiskerm、kitten、Katase 様(まとめてでゴメンなさい)

素人考えに、早速のご返答ありがとうございました。
個人的にも、巷間ネット上で溢れている「安定ヨウ素剤あります」の広告に吊られて手を出すつもりは毛頭ありませんし、他人に勧めることもありません。

新型インフルの時に、正にその地にいて、気休めと分りながらもマスクを買いに行ったクチですので、ヨウ素剤に副作用がなければと安易に考えていました。

感染予防には効果が薄いマスクですが、子供に対してはそれをつけさせることによって、ウガイや手洗いなどのより効果の高い予防措置に関心を向けさせることができましたし、また精神的な安定には大いに役立ちました。
子供を気遣う親の立場はよく分りますので、放射性ヨウ素に対する安心できる「何か」が見つかればいいなとは思っています。

Up218. サルガッソー — April 16, 2011 @09:06:23

げんげさん
マスクって本来のフィルター機能にあわせて
口内の乾燥予防や汚れた手で鼻や口を無意識に触るのを防ぐ
といった副次効果があるんですよ。
とくに子供はすぐに口の周りを触りますからね。

1枚10円のコストで副作用なしと考えれば予防策として悪くはないと思います。

219. muzukashi — April 16, 2011 @10:19:39

私は、個人の感じる恐怖、不安を解消する方向で、、情報は利用すれば良い。誤判断だっていいと思うよ。
何しろ、多分大抵の人が信じていた人、組織、ものがドンドンぼろ出してる時代だから、疑って、ドンドン恐怖したら良い。核種.測定の条件すら分からないし。理解した様な、中途半端な知識はじゃまだと思う。
日本のレヴェルを表現して生きたいと思います.

220. zorori — April 16, 2011 @11:17:08

muzukashiさん、

>個人の感じる恐怖、不安を解消する方向で

>疑って、ドンドン恐怖したら良い。

どちらなのでしょうか?
仰りたい主旨が今一つ分からないのですが。

221. げんげ — April 16, 2011 @22:38:05

サルガッソー様

そうなんですよね。子供にとっては、マスクによる遮断効果よりも、波及効果のほうが高くて重宝しました。実際はほとんど口当たりに引っ付けてるだけってことが多いのに、子供にとってはスゴイ「自分努力している」感満々ですから。

ところで、こちらのサイトではきくちさんは、「グレーなひとびと」に分類されてるようです。たまたまい行き当たっただけの場所なんで、ここがどんな立ち位置のところかは不明なんですが、いずれにしても御用かそうでないかなどのレッテル貼りを看板にして、口に糊する人だからなぁって、言う程度には見てます。
 http://www47.atwiki.jp/goyo-gakusha/pages/17.htmlLink

222. 井口堂 — April 16, 2011 @23:55:52

げんげ様

「ところで、こちらのサイトではきくちさんは、「グレーなひとびと」に分類されてるようです」とのコメントにあったサイトを拝見しました。

震災から1ヶ月が過ぎ、情報に対する見方にも変化がでているように思います。今まで、発信される情報に戸惑い不安がっていた状態から、正しい情報を選別しようという方向に大勢が動きだしているように感じます。

この変化を感じ取れずに、いまだに「御用学者」のレッテルはりで済ませている安易さは、このような「世論」の衰退の第一歩でしょう。
このブログのどこかで「技術開発者」さんが、過去の反原発運動が広瀬氏に代表される非科学的主張への違和感から急速に衰退していったことを述べられていたと思いますが、今、同様な現象が起こり始めたのではないかと思います。(ただし、今回は深刻な事故という現実があるので、過去のような急激な衰退ということはないと思いますが)

こういう状況のなかで必要なことは、多分に情念的な非科学的主張から距離を置き、原発容認や原発廃止の立場に関わらず、データをつき合わせてその見方を摺りあわせていくことだと思います。トンデモ論の人を除けば、原発容認或いは原発廃止の立場の違いに関わらず、議論が可能な土壌は十分にあるはずです。
一時の興奮状態を過ぎてしまえば、冷静に事態を判断したいという欲求がサイレントマジョリティにはあることを、もっと信頼すべきではないかと思います。

Up223. masudako — April 17, 2011 @16:02:50

この記事の発端の放射性物質輸送シミュレーションについて、地球温暖化研究者の仲間がやっているブログに質問があったのを機会に、わたしの考えを少し詳しく説明してみました。
http://blog.livedoor.jp/climatescientists/archives/1436053.htmlLink

masudako ― April 6, 2011 @21:28:15 (現在69)で予告したものに部分的にあたりますが、そのとき予定したのとは別のブログになりました。また、気象庁によるグローバルスケールのシミュレーションについて、あまり検討できていません。

224. (ta) — April 21, 2011 @10:56:33

こんにちは。Maxwell方程式の数値解析など地球電磁気学の数値計算を専門にしているものです。

この予想というのは,原因→結果を予測するという典型的な順解析(順問題)ですよね。理工系ならばだれでも誤解無く理解できるはずです。結果→原因というのが逆解析(逆問題)ですが,今回の例で考えると,例えば複数のモニタリングポストの値や過去の風向き,風速などから排出源と排出量を求めるのが逆解析です。結果(震源付近の地震計)→原因(震源地とマグニチュード)→結果予想(各地の震度,到達時間)ということを超高速に行い発表しているのが地震速報です。

こういうことを国民皆がある程度理解しているようでないと,数値計算結果の公表というのは難しい問題を含んでいることがよくわかり勉強になりました。

225. 井口堂 — April 21, 2011 @12:06:25

(ta) 様

今回の「放射性物質の拡散予測」では、多くのシュミレーションにおいて、原因の部分が「実際の数値」ではなく、「(実際に放出されていない)仮定の数値」であったことを報道機関が理解していなかった(今も、理解していないのかもしれませんが)ことが問題の核心です。

226. dodo — April 22, 2011 @11:07:06

東京都中央区築地では、3月13日に0.04μSv/hだったものが
4月05日9:00-9:20には、0.11μSv/hになっていました。

これは「完全に平常時の値」なんでしょうかね?
http://www.ncc.go.jp/jp/information/sokutei.htmlLink

227. かとう — April 22, 2011 @12:46:55

>dodoさん
3/21からの約十日ぐらいはちょっと高目かもしれませんが、他は大阪大学と比べても、十分低いと思いますが。
ってか、その程度でビビってたら豊中キャンパスには通えませんよ。

http://www.osaka-u.ac.jp/jp/facilities/anzen/NF/survey.htmlLink

Up228. kitten — April 22, 2011 @12:55:49

 はるか昔、豊中キャンパスに通っていたことがありますが、

先輩から「豊中キャンパスの某所では、日常的に放射線がもれていて、
ガイガーカウンターに反応する。これは公然の秘密だ。」
と聞かされたことを思い出しました。

 現在の数値を見る限り、デマだったようですね。安心しました。
(そう簡単にもれるわけないので当然ですが。w)

・・・本題とは全然関係ない話です。すみません。

229. かとう — April 22, 2011 @13:23:00

フォッサマグナの東西ではっきりと放射線量が違います。
西の方が高いです。
地中の鉱石の種類で変わるようです。
http://www.geosociety.jp/hazard/content0058.html#mapLink

また、宇宙から飛来する放射線量は緯度が高い方が多いです。
この図の日本の南北レベルでは(測定場所が1mというのが理由かも知れません)あまり見えてはきませんが。

Owner Comment きくち  April 22, 2011 @18:55:42

フォッサマグナを境にきれいに東西に分かれるのは実に印象的です。
一般に花崗岩があると高いのですが、瀬戸内海地方が高いのは、ウランとトリウムがあるからみたいですね。

231. 井口堂 — April 22, 2011 @14:24:32

dodoさん かとうさん

ついでに申し上げると、西日本で放射線量が多いのは、花崗岩地帯が多いことが原因なので、東日本でも花崗岩の多いところは、放射線量が多いことになります。
例えば、東京のど真ん中でも花崗岩の敷石や花崗岩を使った建物があれば、その辺りの放射線量は高くなっているはずなので、「東京の放射線量は○○μSV/h」ということ自体が無茶な話なのです。(脅かすようなことを書いてしまいましたが、「高い」といっても、せいぜい0.1μSv/hを少し超えるくらいのことだと思います。以前、そのような数値を見たことがありますので・・・)

232. プリゴロタ — April 22, 2011 @15:08:15

本筋とは違う話で恐縮ですが・・・

10年ほど前、下見を兼ねて募集要項を受け取るために豊中キャンパス理学部棟を訪れましたが、入口付近に異臭が漂い(その日はたまたまだったと思います)、入口近くの部屋の扉に「放射能標識」が貼られていたため、そのときは軽い恐怖を覚えました。当時は改築前で、古びた建物が余計に怪しさを醸していたと思いますが、それから6年間無事に通えましたから、志望校を変えないで良かったとつくづく思います。
(スミマセン、変えようとは考えませんでした^^;)

そう言えば、正門付近よりもイ号館付近の方が放射線量は高い傾向にあるみたいですが、あのあたりの敷石は花崗岩を材料にしているんですかね。それとも、単なる偶然なのかな?

Up233. 砂の惑星人 — April 22, 2011 @14:55:05

> 井口堂さん、

「暮らしの中の放射線」というKEKのパンフレットのp.44に自然放射線の量というページがあり、「花崗岩の敷石の道路の両側に立派なビルディングの立ち並ぶ銀座通りは、海の上に比べてガンマ線の量が4倍」だそうで、自然放射能のレベルは0.125マイクロSv/h程度です。
http://rcwww.kek.jp/kurasi/index.htmlLink

234. コンピュータはCG — May 2, 2011 @16:08:57

以下2つの資料を見てください。
一般市民レベルの判断基準をどの辺に置くべきかが概ね理解できると思います。

それにしても、本間俊充氏((独)日本原子力研究開発機構安全研究センター研究主席・放射線防護学)と小佐古敏荘氏(東京大学大学院教授・放射線安全学)の政策決定過程でアドバイスを行う専門家二人が異を唱えているということになります。



「「『適切でない』と申し上げた」〜”子どもにも20mSv/年”問題と放射線防護学の基礎」江川紹子

自由法同協会 the news 2011年05月01日
http://fpaj.jp/news/archives/2749Link



「チェルノブイリ原発事故・終わりなき人体汚染」

NHK 1996年4月26日
http://www.youtube.com/watch?v=4GcOF4prndE&feature=relatedLink

235. K.T. — May 2, 2011 @22:23:10

かとうさん 井口堂さん

福島県の、今放射線量が高いと言われている川俣町や飯館村付近が花崗岩地帯で、しかもウラン鉱脈があるところです。
戦争中理研が使っていたウランは此処から掘られた物です。

だから、もともと若干高かったんだろうと思います。
今の放射線量からみれば誤差範囲くらいのものかも知れませんが。

236. 井口堂 — May 3, 2011 @02:50:08

K.T 様

理化学研究所が原爆開発に使おうとして採掘を試みたのは、同じ福島県でも石川町だと思います。(結局、ウランの濃度が低くて使えなかったようですが)
石川町は、福島第一原発の南西方向で、第一原発の北西方向の川俣町や飯館村とは結構離れています。

237. K.T. — May 3, 2011 @09:25:22

井口堂様

ご指摘の通りです。

川俣町飯塚と石川町川辺鉱山が候補に上がったのですが、実際に採掘が試みられたのは、石川町の方でした。今の福島空港の近くです。

地元では川俣町の水晶山近辺がウラン含有のぺグマタイト鉱床で有名なので、てっきりこっちだと勘違いしておりました。

Up238. masudako — May 4, 2011 @12:38:13

別のブログに2つの記事
「SPEEDIの計算結果(図)公開」
http://blog.livedoor.jp/climatescientists/archives/1443870.htmlLink
「原子力事故を受けて、気象学者は何をしたらよいか(個人的考え)」
http://blog.livedoor.jp/climatescientists/archives/1446850.htmlLink
を書きました。

239. sksk — May 5, 2011 @18:38:57

SPEEDIの計算結果公開
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.htmlLink

発表された計算結果を何枚か見たのですが、やっぱり単純にに風の向きに依存するようですね。単純に360度、風の向きにより流される。
条件はIAEAと同じでメッシュが違うだけみたいですね。

実際の水素爆発は12日15時36分で、2011/03/12/1600のファイルでは条件は下記、
放出核種・放出量(積算):Bq/h(Bq)
ヨウ素: 1.00x10^0(1.00x10^0)

ヨウ素の流れは北北西になってるけど、放出量は反映されていないようですね。(実汚染地区に合ってる?)
まあ、nscの説明が
「単位量放出」を仮定した予測計算を行っています。これは、原子炉施設から放射性の希ガス又はヨウ素が1時間あたり1ベクレル(Bq)放出(単位量放出)される状態が1時間続いたものと仮定して、」なので当然ですが、

これに類した計算結果をあの混乱の中多数(5000枚)公表されてもわかる人は専門家だけ、メディアの方は読売を筆頭に混乱を拡大させるだけのような。

この時期に発表したのは正しい判断ではないかと思います。もう少し後でもいいような。

2011/03/12/1600の結果を後日ちゃんと利用できたのかどうかはよくわかりませんが。

こんな理解でいいのでしょうか?

240. disraff — May 5, 2011 @20:47:23

建家の水素爆発、それぞれ12日と14日だったんですね。うわ、記憶違いでした。お恥ずかしい。
なにか「15日」って日付が強く頭に残っていたんですが…何があったかな…。

241. sksk — May 5, 2011 @21:53:19

disraff May 5, 2011 @20:47:23 さま

このあたりによると
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11031519-j.htmlLink

3月12日15時36分、1号機 水素爆発
政府は12日18時25分、半径20km以内の住民に避難指示
3月14日11時01分、3号機 水素爆発
3月15日06時10分、2号機 水素爆発
3月15日06時ごろ、4号機 水素爆発かどうか?

みたいですよ。

242. よたよたあひる Website — May 6, 2011 @00:13:51

皆様こんばんは。
こちらで勉強させていただいているよたよたあひるです。

>disraffさま
--------------------
#240. disraff — May 5, 2011 @20:47:23

建家の水素爆発、それぞれ12日と14日だったんですね。うわ、記憶違いでした。お恥ずかしい。
なにか「15日」って日付が強く頭に残っていたんですが…何があったかな…。
---------------------
福島県のHPに掲載されている
「県内7方部環境放射能測定結果(暫定値)」
http://
www.pref.fukushima.jp/j/7houbu91.pdf
(PDFファイルなのでリンクをはずすために改行してます)
には、3月11日からの福島県内の7箇所での「環境放射能」の測定結果が一覧表になっています。計測をはじめたのが、7か所それぞれ異なりますが、たとえば、福島市は3月13日から記録が残っています。これをみると、3月14日の19時ごろから徐々に数値が上がり始め、15日の16時代に数値が急速にあがり、15:00には0.08μGy/hだったものが16:00には1.75μGy/h、17:00には20:26μGy/hに跳ね上がっています。この20μGy/h代の数値は3月16日の1:30まで続き、16日の16:00くらいまでは18〜19μGy/hが計測されつづけていました。
風向きや天候の影響もあるのでしょうけれど、この午後になってからの急な数値の上昇はなんなんだろうとずっと気になっています。

Up243. disraff — May 6, 2011 @07:31:41

skskさん
確実なので3回、でしたか。

よたよたあひるさん
それでした。おそらく当日の爆発で、今回の事件中では最大の大気中への放出が起こったのではないか、と推測されていたかと存じます。

お二方とも、ご教示ありがとうございました。

244. maesar — May 6, 2011 @07:41:11

みなさまはじめまして。いつもお世話になっております。

よたよたあひる ― May 6, 2011 @00:13:51さん
>向きや天候の影響もあるのでしょうけれど、この午後になってからの急な数値の上昇はなんなんだろうとずっと気になっています。

雨が降ったからですよね。雨が放射性物質を地表に降下させた。気象庁で過去のデータをご覧になると良いかと思います。

この辺のところは、野尻さんはじめ、いろんな方がつぶやかれていたかと。

245. よたよたあひる Website — May 6, 2011 @23:48:13

>#244. maesarさま

ありがとうございました。
気象庁のHPで3月15日ごろの天候を確認しました。やはり午後から雨でしたね。雨のタイミングが最悪だったということなのでしょうか・・・

246. Niimi — May 8, 2011 @13:40:05

ふと…

A「SPEEDIでの試算が出ました。とりあえず30通りほどあります。」
B「ほぉ、さすがに早いな。」
A「まだ不確定要素が多いんで、条件を変えてシミュレートしてみます。」

A「考えられるだけの条件で試算できました。トータルで5,000通りですね。」
B「多いな。」
A「では、早速公開しましょう。」
B「そうだな。で、どれを?」
A「は? どれを、とは?」
B「いや、どれがもっとも適切なシミュレーションなんだ?」
A「えぇ? そんなの判りませんよぉ。正しい条件なんてもらってませんし。」
B「どれが正し『そうな』物かってことすら判らないものを、5,000通りも公開するというのか?」
A「う…」
B「この時点で、そんなもんが公開できると思うか? 混乱が広がるだけだと思うが?」
A「そうですかねぇ?」
B「違うか?」
A「…かもしれません。」
B「で、お前さんは公開するほうがいいと思うか? 止めるか?」
A「止めましょう…」

# あくまでもフィクションです。実際はこんな単純な訳ないよね。(苦笑)

247. takeda — May 23, 2011 @00:51:18

読売新聞の説明をミスリーディングだと言い切るのなら、菊池さんだったならどのような文章を書いたのでしょうか?

記事に対しての菊池氏の解釈のしかたがおかしいとしか思えませんね。

Up248. disraff — May 23, 2011 @16:57:51

ちなみに takeda さんは、読売新聞の説明をどのように解釈した上で「きくちさんの解釈の仕方がおかしいとしか思えない」と判断しています?

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