映画「大日本人」で、主人公が正義のヒーローに変身した姿。ハリウッドでは“大米国人”として描かれるのか興味津々だ(C)2007吉本興業【フォト】
松本監督のデビュー作「大日本人」が、映画のメッカ、米ハリウッドに認められた。所属事務所のよしもとクリエイティブ・エージェンシーによると、今春、米大手映画スタジオ数社の争奪戦の末、コロンビア映画がリメーク権利を取得することで合意した。
撮影、公開時期、キャストは未定だが、米人気ドラマ「プリズン・ブレイク」のニール・H・モリッツ氏(52)がプロデューサーを務め、脚本は米映画「タイタンの戦い」などを担当したフィル・ヘイ氏とマット・マンフレイディ氏に決定。タイトル、ストーリーの変更については、松本監督がアドバイザリー契約を結び、意見交換を行う予定だ。
リメークのきっかけは海外での“松本シネマ”への高い評価だった。初監督に加え、主演、脚本も務めた「大日本人」は、07年のフランス・カンヌ国際映画祭の監督週間をはじめ、韓国・釜山など20もの映画祭に招待され、各国で話題に。
日本では2007年6月に公開され、興収12億円を記録。その後、08年4月に「Big Man Japan」のタイトルで米テキサスで公開。さらにニューヨーク、ロサンゼルスなど全米26都市で1年7カ月にわたりロングラン上映された。
同作は平凡な中年男が巨大化し、正義のヒーロー「大日本人」として獣(じゅう)と戦い、日本を守る物語。荒唐無稽で独創的な世界観が全米に受け、映画を観たプロデューサーのモリッツ氏がリメークを熱望。松本監督の耳には今年はじめに届き、当時から本人も「やっと認められてうれしい」と喜んでいたという。
今月3日にNHK「あさイチ」に出演した際も「今、ハリウッドからすごい話が来ています」とフライングで告白するほど感激していた。
8月のロカルノ国際映画祭では新作「さや侍」が特別上映され、松本作品の特集も組まれる。ハリウッドの後押しを受け、今年は海外で松ちゃんブーム元年となる!
(紙面から)