イスラエルが占領するゴラン高原に、隣国のシリア側から入ろうとしたパレスチナ難民らのデモ隊が、警備に当たっていたイスラエル軍の発砲を受けるなどして14人が死亡したもようで、緊張が高まっています。
6月5日は1967年にイスラエルとアラブ諸国との間で第3次中東戦争が始まった日にあたることから、この戦争でイスラエルが占領したゴラン高原やヨルダン川西岸では、パレスチナ難民らによる抗議デモが行われました。このうちゴラン高原では、シリア側に集まった難民らが、イスラエル側との境界のフェンスを越えようとしたところ、警備に当たっていたイスラエル軍が発砲したり、仕掛けられていた地雷が爆発したりして、シリアの国営放送によりますと、14人が死亡、100人以上がけがをしたということです。これについて、イスラエル軍は、デモ隊に対して再三警告したうえで発砲したもので、適切な対応だったと主張しています。ゴラン高原では先月15日にも、パレスチナ難民がシリア側から越境し、イスラエル軍の発砲を受けて2人が死亡しており、緊張が続いていました。ゴラン高原を巡っては、1967年以降占領を続けるイスラエルと、全面返還を求めるシリアとの間で対立が続いており、日本の自衛隊を含む国連の部隊が停戦の監視に当たっています。