名古屋グランパスのMF小川佳純(26)が2週間のリーグ戦中断期間で変身する。開幕当初に比べて調子を落としていた小川は5日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで午前、午後の2部練習をこなし「僕は練習するほど調子が上がるタイプだから」と、ハードメニューを歓迎。リフレッシュより体を追い込む絶好の機会ととらえて、不振脱出に取り組む。
とことん調子を落として迎えた中断期間。誰よりもリフレッシュが必要に見えた背番号「10」は「そんな、毎日ストレスをため込んでるわけじゃないですよ」と、苦笑いしながら、弱っていることだけは否定した。
ずるずると下降線をたどっていった3カ月。3月の開幕当初は好調だったが、絶好のゴールチャンスで、GKのスーパーセーブやゴールポストに阻まれて、ツキに見放されているうちに、結果だけでなく、プレー内容も精彩を欠くようになった。シュートの精度が落ち、やがて絶好機に絡む場面も激減し、J1で8試合無得点。中断直前の福岡戦(5月29日)では、消化不良のまま途中交代させられた。
不振に陥る典型的なパターンだったが、2週間の中断期間を小川が喜んだのは、リフレッシュではなく、練習時間が増えることだった。
「僕は練習するほど、感覚がつかめるタイプ。今年は試合が続いて、その時間が取れなかったから、(11日の磐田戦に向け)この何日間で、いい状態に仕上げられると思う」
4月末から、アジア・チャンピオンズリーグとJ1の過密日程で移動、休養の時間に充てるのが限界。戦術練習などじっくり取り組む時間はほとんどなかった。
「ジョシュア(ケネディ)やタマさん(玉田)みたいに個人で打開できる選手じゃない」という小川は、呼吸をしっかり合わせる時間ができて「この2日間は、いい練習ができている」と、復調に自信を見せる。2部練習で約4時間。疲れ果てた表情こそが、小川が輝きを取り戻す前兆だ。 (木本邦彦)
この記事を印刷する