人気アイドルグループ「AKB48」の前田敦子(19)が初主演した映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(田中誠監督)が4日、全国東宝系320館で公開され、前田ら出演者が“弾丸初日舞台あいさつ”を実施。東京~大阪間の約1100キロを新幹線で往復し、計3度ステージに立った。また、「もしドラ」が海外公開を視野に入れていることも明らかになった。
飛ぶ鳥を落とす勢いを見せるAKB48の絶対的エース・前田の「青春」が、海外で披露される可能性が浮上した。「もしドラ」が全国の320スクリーンで封切られたこの日、関係者は海外での公開を視野に入れていることを明かした。
AKB48フィーバーは日本だけにとどまらない。シンガポールでは定期的に公演を開催。今月9日の「第3回AKB48選抜総選挙」で行われる開票イベントは香港、台湾、韓国の約10か所の映画館で生中継される。1週間で133万枚以上を売り上げた「Everyday、カチューシャ」(5月25日発売)が主題歌、前田のソロデビュー曲「Flower」(22日発売)が挿入歌の「もしドラ」に、オファーが殺到する可能性は高い。
前田は初主演映画に甘酸っぱい思い出を残した。東京・TOHOシネマズ六本木での初日舞台あいさつ。衣装の制服姿で登場し、「こうやって制服を着て、舞台あいさつすることも、一つの青春なんだな、と。青春映画も今の年齢でしかできないです。プライベートでは、あまり青春を送っていないので、その分、この作品に私の青春が詰まったと思います」と訴えた。多忙なアイドルは甲子園を目指す女子マネジャー役に“全力投球”したようだ。
普段からハードスケジュールをこなしているが、この日も同様だ。午後1時、六本木で最初の舞台あいさつを終え、制服姿のまま、共演の瀬戸康史、峯岸みなみ、池松壮亮、川口春奈と新幹線で大阪へ移動。2度の舞台あいさつ、テレビ番組の収録をこなし、東京にUターンした。「AKB48の活動でもチームの絆、チームワークの大切さは感じていますが、この作品に出演して、さらに強く思いました」。前田にとって収穫の多い作品となった。
◆「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」 岩崎夏海氏の小説が原作。元放送作家の同氏がネット上のブログサービスで08年7月に書いた同名の記事を読んだダイヤモンド社の編集者が企画し、制作された。公立高の弱小野球部でマネジャーを務める女子高生・川島みなみが、ピーター・ドラッカーの著した組織管理論手引書「マネジメント」を書店で手に取ったことを契機に部の意識改革を進め、甲子園を目指すという物語。今年4月現在の発行部数は237万部、電子書籍版13万部で計250万部のヒットとなった。
◆ピーター・F・ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)1909年11月19日、オーストリア生まれ。20世紀から21世紀にかけて、経済界に最も影響を与えた経済思想家。東西冷戦の終結、知識社会の到来をいち早く知らせるとともに「分権化」「自己目標管理」「民営化」「ベンチマーキング」などマネジメントの主な概念、手法を生み出し、「マネジメントの父」と言われる。多数の著書があり、作品群は「ドラッカー山脈」と呼ばれる。たびたび来日しており、66年に勲三等瑞宝章の叙勲も。2005年11月11日、老衰のため死去。95歳。
[2011/6/5-06:04 スポーツ報知]