五十嵐が初防衛！　年内にも世界挑戦…日本フライ級戦

３回、左ストレートを吉田のボディーにヒットさせる五十嵐（左）

　◆報知新聞社後援　ダイナミックグローブ　▽日本フライ級戦　○五十嵐俊幸（８回　負傷判定）吉田拳時●（４日、東京・後楽園ホール）　日本フライ級タイトルマッチが行われ、王者・五十嵐俊幸（２７）＝帝拳＝が、挑戦者で同級１位の吉田拳時（３４）＝ワタナベ＝を８回負傷判定で下し初防衛に成功した。前日本スーパーライト級王者・亀海喜寛（２８）＝帝拳＝はウエルター級ノンタイトル１０回戦でジョエル・デラ・クルス（２５）＝フィリピン＝に２回２分５秒ＫＯ勝ち。戦績は五十嵐が１４勝（１０ＫＯ）１敗１分け。亀海は１８勝（１６ＫＯ）。

　最低限の結果は出した。２―０という薄氷の判定勝利に五十嵐は「自分のボクシングはできなかったけど、勝ったことは収穫」と胸を張った。３年前の暫定王者時代にはなし得なかった初防衛に成功し、小さく喜んだ。

　死闘だった。頭から突っ込むラフなスタイルの吉田に対し、スピードが武器の五十嵐は足でかわそうとせず、打ち合った。２回に偶然のバッティングで左目上を切ったが、手は出し続けた。８回に吉田が２か所を切って試合はストップ。「吉田の意志の強さを感じた」と不満を胸にしまい込み、挑戦者をたたえた。

　世界まであと一歩だ。現在ＷＢＣ世界ランク３位の五十嵐の今後に関し、本田明彦会長は「２位のウィカブ（メキシコ）と対戦できれば」と語り、ランクアップを狙い年内の世界挑戦を模索する。

　「もっと自分を磨いて世界に向けて頑張る」と王者はさらなる高みを目指す。