2011年4月10日 21時48分 更新:4月11日 1時22分
【カイロ和田浩明】リビア政府軍は9日から10日にかけ、反体制派が支配していた北東部の要衝アジュダビアの奪還を目指して攻撃を継続、西部ミスラタでも戦闘を続けるなど攻勢を強めた。
アジュダビアは反体制派の拠点ベンガジまで約160キロの地点。ロイター通信などによると、アジュダビア市内に政府軍が入り、反体制派を狙撃している模様だ。
反体制派を支援する北大西洋条約機構(NATO)主軸の多国籍軍は10日も政府軍を空爆、アジュダビアやミスラタなどで戦車25台を破壊。首都トリポリで弾薬庫を爆撃した。反体制派は、NATOの新たな空爆で政府軍が退却したと主張している。
リビア上空には民間人攻撃を続ける政府軍をけん制するため飛行禁止空域が設定されているが、9日にはベンガジ近くで反体制派の戦闘機が飛行を試み、多国籍軍機が強制着陸させた。これとは別にリビア政府は「反体制派の戦闘ヘリを撃墜した」と主張し、飛行禁止を定めた国連安保理決議に反体制派が違反していると非難した。
リビア国営テレビは同日、最高指導者カダフィ大佐が学校を訪問し、支持者に歓迎される様子を放映した。支配権を維持していることを印象づけるためと見られる。
一方、停戦仲介のため南アフリカのズマ大統領らアフリカ連合(AU)使節団が10日、トリポリを訪問。事態収拾に向けた国際的な外交努力も行われている。