2011年4月10日 23時15分 更新:4月11日 0時46分
大手食品メーカー「カゴメ」(名古屋市)と「日本デルモンテ」(東京都港区)が、今年度作付けされる福島県産の加工用トマトの契約を見送る方針を農家側に伝えていたことが10日、分かった。
福島第1原発の放射性物質漏えい事故の影響とみられ、県農林水産部は「風評被害だろう。トマトは出荷制限の対象外にもかかわらず残念な対応」と話している。
県によると、2社はJA全農福島や県内農家からトマトの供給を受けて、ジュースやソースに加工してきた。しかし、2社が9日までにJA側に契約見送りの意向を伝えてきた。既に廃棄されているトマトも出ているという。
カゴメの広報担当者は「福島県全体の安全性が確認されていない状況や、節電による減産を見込み、苦渋の決断だが契約を見送った。放射性物質の影響がないと判明すれば来年度産は使用したい」と話した。【種市房子】