2011年4月10日 22時36分 更新:4月11日 2時11分
東日本大震災で被害を受けた東京電力福島第1原発では、10日も復旧作業が続けられた。東電は、集中環境施設から低レベルの放射性汚染水を海へ放出する作業をほぼ終了し、水が残っていないかの最終確認をした。また、原子炉建屋を至近距離で撮影するための無人ヘリコプターの試験飛行も実施した。
集中環境施設は、1~3号機タービン建屋地下などの放射性汚染水の貯蔵先として考えられている。集中環境施設には、津波で浸入した海水に大気中の放射性物質が溶け込んだと思われる低濃度の放射性汚染水がたまっており、計約9070トンを海に放出した。
また、5、6号機の建屋内に浸水していた低濃度の放射能を帯びた地下水も海へ放出していたが、9日に計1323トンを排水し、作業を終えた。
また、米国製の小型無人ヘリコプター(重さ7.7キロ)の試験飛行も実施した。午後4時ごろから約30分にわたって、1~4号機建屋とその周辺で上空150メートルを飛行。搭載しているカメラで撮影した。
一方、10日午前11時10分ごろ、2号機タービン建屋の外側で、排水ホースの敷設作業を行っていた30代男性が体調不良を訴えた。病院に搬送されたが、放射性物質の付着はなく、過労が原因とみられる。【藤野基文】