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福島第1原発:汚染水浄化システムの試運転を開始

 東京電力福島第1原発の原子炉建屋などに高濃度の放射性物質を含む汚染水が大量にたまっている問題で、東電は5日までに、汚染水を浄化する水処理システムの試運転を始めた。1~4号機の各建屋地下にたまっている汚染水は地下につながるトレンチからあふれ出す水準に近づいており、梅雨の降雨で水かさがさらに増すことも懸念されるため、東電はシステムの本格稼働を急いでいる。

 水処理システムは、仏大手原子力企業「アレバ」などの技術協力を基に敷地内に建設しており、フィルターや吸着剤で放射性物質を取り除く。15日以降の本格稼働を目指しており、東電は浄化した水を大型タンクに保管するほか、一部を原子炉の冷却水として循環させる計画を立てている。4日には、油分を取り除く装置の試運転を行い、水漏れがないかなどを確かめた。

 水処理システムは1日1200トンの汚染水を最大で1万分の1の低濃度に処理することが可能。東電は高濃度の汚染水の総量について、5月末現在で10万5100立方メートルと推定している。【比嘉洋、関東晋慈】

毎日新聞 2011年6月5日 20時39分

 

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