2011年4月8日 19時11分
ロシアのベールイ駐日大使とゾーリン駐在武官が8日、東京のロシア大使館で記者会見した。ゾーリン武官は、ロシア空軍の戦闘機が先月3回にわたって日本領空に接近し、航空自衛隊の緊急発進(スクランブル)を受けたことについて、目的は福島第1原発の事故による放射能レベルのモニタリング調査のためだったと説明した。
飛行は3月17日、21日、29日で領空侵犯はなかった。東日本大震災での日米共同救難活動などを偵察する目的との見方もあったが、同武官は否定。誤解を避けるため今月5日、防衛省に飛行目的を通知したという。
一方、ベールイ大使は会見で、原潜解体処理のため日本の援助で01年に建設されたロシアのはしけ型放射性汚染水処理施設「すずらん」を福島第1原発の汚染水処理のため貸与する用意があると述べた。東電が低レベル放射性汚染水の海洋への放出を実施したことについては、日本からの通告が実施後だったと指摘しながらも「さらに深刻な事態を起こさないためやむをえない措置だったと認識している」と述べた。【大木俊治】