ECB:0.25%利上げ 08年7月以来

2011年4月7日 22時10分 更新:4月8日 0時12分

会見するトリシェ欧州中銀総裁=ロイター
会見するトリシェ欧州中銀総裁=ロイター

 【ロンドン会川晴之】欧州中央銀行(ECB)は7日の定例理事会で、最重要政策金利を過去最低水準である現行の年1%から0.25%引き上げ、1.25%とすることを全会一致で決めた。食料・エネルギー価格高騰を背景に消費者物価の上昇が続いており、物価安定を最優先した。ECBの利上げは08年7月以来、日米欧の主要中央銀行としては、リーマン・ショック後初めて。

 トリシェ総裁は、理事会終了後の会見で、「商品価格の上昇が、他の物価上昇につながらないようにするため」と指摘、エネルギー価格などの上昇の二次的な波及を防ぐことが最大の目的と説明した。

 また、今後の物価動向についても「上昇リスクが残る」と、注視する姿勢を示した。ただ、今回の利上げを機に、段階的な利上げ局面に入る可能性があるとの見方については「何も決めていない」と述べるにとどめた。東日本大震災に関連しては「(震災が)世界経済のリスクになる可能性はある」と指摘した。

 3月のユーロ圏(17カ国)の消費者物価は、前年同月比2.6%上昇と、4カ月連続で「2%をわずかに下回る水準」というECBの参照値を上回った。トリシェ総裁は3月の定例理事会後の会見で「物価上昇を防ぐため、強い警戒が必要だ」と、4月理事会での利上げを強く示唆していた。

 資金繰りに行き詰まったポルトガルが6日、欧州連合(EU)に緊急支援を申請するなど、欧州財政不安は収束の出口が見えない状況が続く。ECBは、短期金融市場に潤沢な資金供給を続けており、この政策を継続することで、危機対応と物価安定の両立を目指す。

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