菅直人首相の今夏中の辞任が不可避な情勢になったのは、首相に近い閣僚や民主党執行部の間でも8月ころまでの辞任論が大勢となり、包囲網が形成されたためだ。年明けまでの続投に意欲をにじませた首相への反発が拡大したことを受け、事態を収拾させる狙いがある。ただ鳩山由紀夫前首相らを中心に月内退陣を求める意見も強く、首相の退任時期の前倒しを巡る駆け引きが激しくなりそうだ。
4日、首相を支える政権中枢の幹部からそろって首相の「長期続投」を否定する発言が相次いだ。内閣の要である枝野幸男官房長官は「長く居座る気持ちはない。そんなに遅い時期ではない」と指摘。岡田克也幹事長も「だらだらと延命することは全くない」と足並みをそろえた。
「早期」の退陣を示唆するが、具体的な日程は明示しない――。「居座り」批判をかわしながら、政権のレームダック化を避けるため、枝野長官らが考えた論法だ。首相とも認識を擦り合わせたうえでの戦術だった。
「そんなに遅くない」発言に込める相場観は「8月末まで」とみる向きが大勢だ。自民党は菅政権を「死に体政権」(谷垣禎一総裁)と批判、予算執行に欠かせない赤字国債発行法案の成立を阻止する構え。8月末ころの閣議決定を想定する2011年度第2次補正予算案を成立させる道筋も全く見えない。
退陣と引き換えに自民、公明両党から赤字国債発行法案の成立への協力を取り付けることができれば、復興基本法案や2次補正とともに震災復興にある程度、責任を果たしたと総括することができる。秋ごろまでの続投になお意欲を示しているとされる首相に「名誉ある撤退」の道を用意するシナリオだ。
しかし、野党はむしろ月内も視野に早期退陣を迫る構えだ。自民党の石原伸晃幹事長は4日、月内の参院への首相問責決議案提出も辞さない考えを示した。「首相の早期退陣表明」ではもはや信用できず「首相退陣後」に赤字国債発行法案などに協力する戦略だ。
民主党内でも、首相の月内退陣を求めて両院議員総会の開催を要求する動きが強まる気配だ。与党から約70人が造反すれば、重要法案だけでなく、22日までの今国会会期の延長すら難しい。
参院で野党が多数を握る「逆転国会」と、広がる「菅降ろし」の中で、首相が8月まで政権を維持できる保証はない。
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