設立趣旨
近年、世界的な社会構造の変化、情報の氾濫等により、価値観の多様化が急速に進んでいます。価値観の多様化は、ともすれば安易な自己肯定と個人主義を助長し、異なる価値観を認めることができない社会へ向かう危険性を含んでいます。現在、私たちをとりまく様々な社会不安や課題は、そのことへの警鐘ではないでしょうか。
中でも私たちは、子どもたちをめぐるさまざまな課題、とりわけ低年齢犯罪や学級崩壊、いじめなどの深刻な課題に直面しています。これらの課題の背景には、子どもたちが他者を思いやり、他者を信じ、他者とコミュニケーションする力、言い換えれば「社会の中で生きる」ために必要な力が未成熟である現状が見え隠れしています。しかし、大人たちですら他者との関係に迷い、不安を感じる現代社会において、子どもたちがこれらを学ぶ機会を得ることは、従来よりも困難であると言えます。だからこそ今、新しい試みによる学びの場の創出が求められています。
近年、アート通して学ぶ試みが、教育現場において注目を集めています。アートは人々の感性に働きかけ、新たな価値観を創造します。また、アーティストは自分自身や他者、社会、自然などと真摯に対峙し、そこから得たインスピレーションや思想を芸術活動を通じて社会に発信する存在です。アーティストとともに創作活動の原点に触れ、創造のプロセスをともに体験することで、子どもたちは今まで意識することのなかった自分自身の感覚、新しい自分に出会います。そして、自分の感情やイメージを芸術として表現する喜びを知り、また他者の表現を受け入れることを通して、深く自分自身を見つめ直します。アートに触れることで、さまざまな生き方・考え方を持つ人と交流し、常識にとらわれない発想に出会い、日常を離れわくわくするような体験をする。その結果得られる創造性、感受性、想像力、表現力、コミュニケーション能力は、現代社会の中で成長していく子どもたちにとって、必要な力であると考えます。
NPO法人子どもと芸術家の交流は、子どもたちの成長をより豊かなものとすることを目指して、学校や地域で行われる教育活動をアートによって支援します。支援にあたっては、学校、地域の諸団体、NPO、行政、企業などと密接に協働し、子どもたちがアーティストとともに創造的な活動を行う機会を創出します。これらの活動により、人々がそれぞれのアイデンティティを尊重しつつも多様な価値観を認め、様々な人々や文化が共存する社会をつくることを目指します。
団体沿革
2004年1月、トヨタ自動車株式会社とNPO法人「子供と芸術の交流」との協働企画「トヨタ・子どもと芸術家の交流」実行委員会として活動を開始。2004年4月、同実行委員会を発展解消し、任意団体「子どもと芸術家の交流」として発足。以後、小・中・高等学校の授業におけるアーティストのワークショップのコーディネート、アーティストによる子ども向けワークショップの企画・制作、教員や保護者を対象とした教育現場とアートの関わりを考えるための研究会の開催などを行っています。2008年、TOA株式会社との協働事業により「第6回パートナーシップ賞」(主催:NPO法人パートナーシップサポートセンター)を受賞。
概要
団体名: | NPO法人子供と芸術の交流 |
設立年度: | 2008年8月 |
目的
NPO法人子どもと芸術家の交流は、芸術文化(アート)が多様な価値を創造し、感性を豊かにする存在であるとの認識のもと、豊かな市民社会の創出に向けて芸術文化が不可欠であると考えています。この考えのもと当団体は、芸術文化の促進やアーティストの活動を支援するとともに、これら芸術文化の力をもって子どもたちをはじめとするすべての人々の健全育成、想像力や創造性の向上、感性の育みを図り、多様な社会の創出に寄与する事を目的とします。
事業
- 1. 芸術文化に関するワークショップ事業
- 2. 芸術文化を活用した子どもの健全育成事業
- 3. 芸術文化に関するシンポジウム事業
- 4. 芸術文化に関する情報収集、調査研究事業
- 5. 芸術文化を活用した社会教育、まちづくり事業
- 6. 芸術文化に関するコーディネート事業
- 7. 芸術文化に関する国際交流事業
- 8. その他、上記の目的を達成するために必要な事業
連絡先等
住所: | 香川県高松市春日町960番地 |
TEL: | 在宅のお仕事、求人に関する問い合わせはメールでお問い合わせ下さい |