中国の北京で民主化を求める学生らの運動が武力で鎮圧され、大勢の死者を出した1989年の天安門事件から4日で22年です。中国政府は天安門広場や周辺にふだんより多くの警察官を出すなどして、警戒を強化しました。
天安門事件は、1989年6月4日、北京中心部の天安門広場やその周辺で民主化を求める学生や市民に対して、中国政府が軍の戦車などを出動させて発砲し、大勢の死者やけが人が出たものです。22年となる4日、天安門広場は観光客でにぎわう一方、ふだんより多くの警察官や警察車両が出て、厳しい警戒態勢が敷かれていました。警察官は外国メディアの記者やカメラマンを見つけると、撮影や取材をやめて直ちに立ち去るよう求めていました。天安門事件について、事件で子どもを亡くした親たちは、今週、事件の再評価や責任者の処罰を求める声明を発表しましたが、中国政府は、一部の学生らによる「暴乱」だという評価を見直す考えはないと強調しています。一方で、▽天安門事件当時の民主化運動のリーダーで、現在服役中の劉暁波氏が去年12月にノーベル平和賞を受賞したことや、▽中東で相次ぐ民主化要求デモを受けて、中国でもインターネット上でデモが呼びかけられたことから、中国政府は、国内で民主化を求める動きが活発化することに警戒を強めています。中国政府は、ことし2月以降、人権活動家や弁護士を相次いで拘束し、4月には、政府批判で知られる芸術家の艾未未氏を脱税の疑いで拘束しました。これについて、国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、少なくとも14人が今も行方不明で、中国政府による弾圧が行われていると非難しています。