日中の防衛交流、本格的再開へ　防衛相会談、北沢氏訪中も

　【シンガポール共同】北沢俊美防衛相は４日、訪問先のシンガポールで中国の梁光烈国防相と会談し、昨年９月の中国漁船衝突事件で途絶えた日中防衛交流の本格的再開で一致、北沢氏が夏にも訪中する方向で調整することを確認した。

　北沢氏は東日本大震災での緊急援助隊派遣など中国政府の支援に謝意を表し「日中両国は戦略的互恵関係にあり、困ったときに助け合う良き隣人だ。今後も率直に意見交換しながら相互理解を深めていきたい」と強調した。

　両氏は東シナ海で日中間の不測事態を回避するため、海上連絡体制の整備に向け事務レベル協議の加速や防衛次官級協議の早期開催でも合意した。

　中国側は沖縄県・尖閣諸島周辺で発生した漁船衝突事件の中国人船長逮捕に反発し防衛当局間の交流を中断。事態の沈静化を受け今年３月に次官級協議を開催予定だったが、震災のため延期となっていた。

　北沢氏は韓国、オーストラリア、シンガポール、ベトナムの各国防相とも個別に会談、大震災の支援に謝意を伝えた。