名古屋グランパスは4日、愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで練習を再開した。所用のためドラガン・ストイコビッチ監督(46)が留守にしている間、ジュロヴスキー・コーチ(50)が取り組んだのは、GKへのバックパスの処理。今季、連係ミスから2度も手痛い失点を食らっているだけに、監督がいない間に、修正を施した。
いつもの実戦形式とは、スタイルが違った。ゴールマウスはなく、GKの高木と西村はゴールラインいっぱいに広がった縦幅10メートルほどのゾーンを動き回り、フィールド選手とのパス交換を繰り返した。
ジュロヴスキー・コーチのだみ声が何度も飛んだ。5日間の休養が明けた練習初日。メーンテーマは体を起こすことだったが、もう1つの理由があった。
「ノーモア・ミスだ」。中断前の2試合で、GKへのバックパスが失点につながり、勝ち点を落とす要因となった。5月7日の清水戦では、先制点がフイとなり、同25日のアジア・チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦の水原戦では、敗退が決定的となる2点目を奪われた。ストイコビッチ監督は「サッカーの一部。アンラッキーとしかいいようがない」と、GK楢崎とDF田中隼をかばったが、参謀役のジュロヴスキー・コーチは、運を天に任せるわけにはいかず、現実的な対応を取った。
「GKにパスを出した選手は、受けるための動きを意識してほしい」と技術的な問題ではなく、ポジショニングやコミュニケーションの問題ととらえて適切な処理を求めた。
ストイコビッチ監督は国際サッカー連盟総会(スイス・チューリッヒ)に出席した後、自宅のあるパリから6日に来日する予定。序盤の低迷で爆発寸前だった監督の逆鱗(げきりん)に触れないように、参謀役は、修正済みのチームを渡すつもりでいる。 (木本邦彦)
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