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【芸能・社会】

大川小説明会の要旨 

2011年6月4日 23時44分

 宮城県石巻市教育委員会が4日公表した大川小学校津波被害状況の文書要旨は次の通り。

 【地震前】

 5時限の授業だったため、1、2年生は下校し、何人かはクラスに残っていた。3年生は帰りの会が終わりかけていた。4年生は保護者に贈るVTR作成のため歌を録音。5年生は帰りの会が終わり「さようなら」と言っているさなか。6年生は帰る子がいる一方、教室で話している子もいた。

 【午後2時46分】

 地震発生。校内の全児童が机の下に隠れた。地震で放送機器が使用不可能になったため、教務主任が「校庭へ避難すること」と伝えて歩いた。2階の子どもたちは速足で階段を下り、1階の児童は教室から出て校庭の真ん中あたりに並んだ。下校中の低学年や6年生も学校へ戻ってきたようだ。

 【午後3時ごろ】

 先生は、一人一人の所在を確認するため点呼を取った。本部長である教頭と点呼報告にきた数人の先生が桜の木の下で「山へ逃げるか」「木が倒れるので、この揺れでは駄目だ」という話をしていた。防災無線のサイレンが鳴って「大津波警報が出ました。海岸沿いは危険ですので高台に避難してください」という声を聞いた。

 余震が続き、体調を崩して嘔吐(おうと)したり恐怖のため泣いたりする子どもたちがいた。特に低学年の女子が多かった。低学年の子どもたちには担任の先生や保健の先生が「先生がついているから大丈夫だよ」と慰めながら、肩を抱いたり頭をなでたりと子どもたちに寄り添うようにしていた。

 また、(迎えに来た保護者への児童)引き渡しに急に対応することになり、名簿やチェックに時間がかかった。迎えに来た保護者の中には「大津波が来る」「津波10メートルだって」と話す母親もいた。子どもたちは列が乱れ始め、友達同士で丸くなるなど騒然とした雰囲気になった。引き渡しのさなかに近隣のおじいさんやおばあさんが体育館へ入ろうとするのを止める先生もいた。

 【午後3時25分ごろ】 広報車から「高台に避難してください」との声が聞こえた。先生は話し合いの結果、高台へ逃げることになり歩き始めた。6年生から一列で山沿いを少し進み民家前の細道に右折し、学校前から新北上大橋の三角地帯に続く県道に出ようとしたところ、左前方から黒い塊となって津波が襲ってきたので、来た方向に走りだした。

 その時「山へ逃げろ」と叫ぶ人もいて山へ登ろうとみんな必死だった。しかし、斜面が急な上に雪が積もっていたので滑って登ることができなかった。津波はすごい勢いで子どもたちをのみ込んだり水圧で飛ばしたりした。手をつないだりしていた低学年の子どもたちも津波にのみ込まれた。

 【午後3時37分】

 (学校の時計が止まった時間で、宮城県石巻市教育委員会は津波到来時間と推定)

(共同)
 

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