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交際していた女性への強要未遂と住居侵入の疑いで逮捕され、起訴猶予処分となったロックミュージシャンの内田裕也(71)が3日、都内の劇場で謝罪会見を開いた。内田は最初に左ヒザをつき「相手の女性の方にご迷惑をかけ、心から反省しています」と謝罪。その後も妻・樹木希林(68)らの名前を挙げて反省の言葉を繰り返した。女性との関係には「ロックンロールに免じて勘弁してほしい」といつもの内田節ではぐらかす一方、樹木には「頭が上がらない。会うのは怖い」と珍しく弱気な言葉を口にした。
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コンサートが始まるかのように会場の照明が一斉に消えた。米国のポップス「マイ・ウェイ」のメロディーが響く。つえを手に内田がスポットライトを浴びて登場。黒いジャケットに白のズボンをまとっていた。
内田は左ヒザをステージにつき「申し訳ありません」と謝罪。妻・樹木希林、娘の内田也哉子、娘婿の本木雅弘と家族の名前を挙げ「娘が口をきいてくれない。本木雅弘が『私が責任を取る』と言ってくれて、うれしかった。男らしいヤツだと感激した」と家族への思いを語った。
関係者によると、「マイ・ウェイ」は自身が選曲。自分で歌って登場することも提案したが、周囲が止めたという。
内田は交際していた女性に復縁を迫り勝手に女性宅の鍵を替えて侵入した容疑などで逮捕。会見前に弁護士から示談が成立し、プライバシー保護のため被害者に関する質問は答えられないとの説明があった。そのため女性との関係などについては「ロックンロールに免じて勘弁してほしい」と答えなかった。
19日間の勾留の末、先月31日に釈放されたが、樹木とは連絡を取っていないという。勾留中、樹木が一度だけ面会に来たというが「頭が上がらない。会うのは怖い。向こうからの連絡を待っている。でも会ったらロックンロールらしく心から謝ろうと思う」と話した。
会見は約1時間近く。その間ずっとロックスターのようにスポットライトを浴び続けた。最後に「反省しています。ロックンロール」と締めくくった。「自分の生き方は変えられない」とこのスタイルでの謝罪となったようだ。だが、被害者や迷惑をかけた周囲には過剰とも言える演出。謝罪の思いが十分伝わったかどうかは疑問が残った。
(デイリースポーツ提供)
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