2011年6月5日1時45分
福島第一原発1号機の水素爆発が、格納容器のベント(排気)で外に出したはずの水素ガスが逆流して起きた疑いがある問題で、東京電力は4日、設計上は別の排気管の弁が閉じる仕組みになっていた、と発表した。このため、水素ガスの逆流で爆発が起きた可能性は極めて小さいとみているが、実際に弁が閉まったかどうかは確認できていないとしている。
1号機は3月12日に水素爆発を起こした。原子炉建屋の排気管と、格納容器内の排気管が合流して排気筒につながっており、格納容器の損傷を防ぐ目的で12日に行われたベントで建屋外に出したはずの水素ガスが原子炉建屋用の排気管に逆流し、水素爆発の原因となった疑いが浮上。このため、東電は6月3日までに、経済産業省原子力安全・保安院にこの内容を報告していた。
だが、4日になって昨年の定期検査の記録を再確認したところ、逆流が疑われていた原子炉建屋に通じる排気管に二つある弁のうち、建屋からみて上流側の弁は電源が失われると自動的に閉じる仕組みになっていたという。東電は、構造が単純であることから上流側で止められたとみているが、今後、爆発の原因を検証する予定だ。
30分間。地震が起きてからの行動が、人々の命運を分けた。小学校で、避難所で、役場で――。生き延びた人たちの証言を、記録として残したい。