(2011年6月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
韓国のサムスングループがサマードレスやブラウスを製造していることを知る人は少ない。ましてや、マイクロチップや携帯電話で有名なこの韓国財閥が、1950年代に毛織紡績で頭角を現したことを知る人はさらに少ないだろう。
■中国との競争激化で方針転換必要に
だが韓国の大手企業が体現したこうした変化は、アジア第4の経済規模を持つ同国を支配する財閥の存亡において、迅速に進化していくことがどれほど重要かを浮き彫りにしている。
直近の景気後退期での輝かしい業績を見れば、韓国財閥が一段の事業多角化を進める必要に迫られているとするのは、意外に思えるかもしれない。
実際に、財閥が製造業から遠ざかる必要はないと主張するアナリストもいる。仏系証券会社CLSAの韓国担当調査責任者、ショーン・コクラン氏は「鉄鋼と造船では、財閥は限界に近づきつつあるとの見方もある。だが電子機器や自動車、石油化学では、韓国企業の成長の余地は大きい」と指摘する。
だが中国との競争が激化している中核分野の製造業では、韓国の財閥は大胆な方針転換を迫られている。
サムスンはマイクロチップから医薬品、LG電子は冷蔵庫から汚水処理へと多角化を進めている。中国の造船大手からの突き上げを受け、造船世界最大手の現代重工業は海底油田設備や太陽光発電、風力タービンに参入している。
■アジア通貨危機の教訓生かす
だが財閥の多角化は慎重な姿勢で進められている。過度に事業拡大を進めた多くの企業が破綻に追い込まれた、1997~98年のアジア通貨危機時の苦い思い出があるためだ。当時は、腐敗にまみれた財閥制度の終焉(しゅうえん)を唱える論調もあった。
しかし、円高・ウォン安の追い風もあって、韓国財閥は日本のライバルをたたきのめし、世界金融危機後の景気後退期の勝者となった。
サムスン電子は2009年に米IT(情報技術)大手のヒューレット・パッカード(HP)をしのぎ、売上高で世界最大のIT企業となった。同社の高機能携帯電話(スマートフォン)「ギャラクシー」シリーズは米アップル製品の対抗馬となっている。サムスン電子の10年の利益は前年の9兆8000億ウォンから急増し、16兆1500億ウォン(150億ドル)となった。
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