- [PR]
[経済・IT]ニュース
自然エネ普及へ“孫氏の兵法” 脱原発 通信事業と相乗効果
2011.6.4 08:52
(3/3ページ)
菅首相はその後もパリでの国際式典で、発電における自然エネルギーの比率を2020年代に20%に引き上げると発言するなど、急速に脱原発路線に傾いている。
この構図は昨年、孫社長がインターネットの高速光回線を普及させる「光の道」構想を推進したときと似ている。このときもNTTの光ファイバー開放を求める過程で、孫社長と当時の原口一博総務相がツイッター上で意気投合したと取り沙汰された。NTT幹部は「あのときと全く同じ構図。孫社長は大義を掲げ、重鎮を口説くのが本当にうまい」との声が聞かれる。
電力と通信事業はスマートグリッド(次世代送電網)などで相乗効果も見込める。電力の開放が次なる事業拡大につながると見込んでも不思議ではない。
ただ、嶋氏は「誰もやらないからうちがやる。ほかがやってくれるなら、うちはいつでも本業に戻る」と強調。総務省幹部からは「孫社長が突き進む背景には、当初から原発に対する過剰なまでの嫌悪感がある」との声も。実際、孫社長は常に放射線を計測するガイガーカウンターを4機種持ち歩いている。
孫社長の野望は「公益」か「巨大産業の切り崩し」か。いずれにしても自然エネルギーを武器に、次の一歩を突き進み始めた。(森川潤)
このニュースの写真
関連ニュース
- [PR]
- [PR]