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海の家に不安…津波と放射能「誘客していいのか」と自治体も頭抱え/神奈川・湘南

2011年6月4日

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海水浴シーズンを目前に控え、建設が急ピッチで進む藤沢・片瀬海岸の海の家

海水浴シーズンを目前に控え、建設が急ピッチで進む藤沢・片瀬海岸の海の家

 海水浴シーズンを目前に控え、県内の海の家に不安が広がっている。放射能に津波。漠然とした不安だけに集客動向が見込みにくい。海水浴客が減るとみて、店舗数が減るビーチも出てきた。津波対策で独自に避難マップを作成したビーチもある。自治体の地震・津波対策も見直しの最中とあって、積極的な誘客策を行ってよいのか自治体担当者も頭を抱えている。

 「本当はね、今夏は全てやめようかという話も出たんだよね」。茅ケ崎海水浴場事業協同組合の大久保義雄理事長(55)はそう明かす。

 サザンビーチちがさきには昨夏、10軒の海の家が建った。だが震災の影響で、花火大会など収益が期待できるイベントが相次いで中止に。追い打ちをかけるように放射能問題が浮上した。

 海の家は建設だけでも150万~200万円は掛かる。副業で海の家を営む10軒のオーナーからは消極論が相次いだという。

 それでも頭を離れなかったのは、茅ケ崎の海を愛する海水浴客の姿。「茅ケ崎はリピーターが多い。楽しみにしているお客さんのことを考えるとね」と大久保理事長。

 藤沢・鵠沼や鎌倉・由比ガ浜のように、海水浴客が押し寄せるような海ではない。だからこそ、リピーターはしっかり確保しておきたい。店舗数は減るものの今夏も7軒の海の家が建つ予定だ。

 いつ来るともしれない津波も大きな懸念材料だ。

 「放射能よりも、津波が怖い」と不安を募らせるのは、三浦海岸海水浴場運営委員会の大島敬三委員長(79)だ。

 同委員会では、独自に災害時避難用マップを2万枚用意、6基ある放送用スピーカーを沖に向けて設置し、海水浴客にも情報が届くようにする計画だ。「不安は尽きないが、それでもできる限りお客さんの心配を減らしていきたい」

 ある自治体担当者は明かす。「震災前の津波避難対策にすがるのが実態。放射能も含めて、積極的に誘客していいものか」と口ごもる。

 年間300万人超を集客し、毎年数万人ずつ海水浴客を増やしてきた藤沢市の鵠沼・片瀬海岸では今夏「横ばい」を見込む。

 江の島海水浴場協同組合の新井進専務理事(58)は、「当初は相当減るとも考えたが、むしろ節電でどこもかしこも暑くて、海が恋しくなるはず。千葉方面に行っていたお客さんが神奈川へ来る可能性もある」と落ち込みの相殺に期待を込める。昨年と同じ30店となる見通しだ。

 鎌倉・由比ガ浜で海の家を経営する県海水浴場組合連合会の小西美恵子会長は、「来客数も例年通りにはいかないだろうが、それは仕方がない。海岸に遊びに行く、という感覚で訪れてもらえるようアピールをしていきたい」としている。

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