<ほっとするニュース>男児が池に転落 主婦機転、ペットボトルで救出/和歌山
毎日新聞 6月4日(土)17時55分配信
ペットボトルを手に男児救出の様子を語る通報者の西村文子さん=有田川町水尻の扇谷池で2011年6月3日午後7時49分、川畑展之撮影 |
男児らの叫び声を聞いた近所の主婦、田中ひとみさん(41)は、「非常時のため」と自宅に集めていた2リットルと1リットルの空のペットボトル5、6本を持って駆け付け、ほとりから約5メートルのところにいた男児に投げ与えた。隣に住む主婦の西村文子さん(40)も110番通報し現場に駆け付けた。ペットボトルは、なかなか男児に届かなかったが、最後の1本のトマトジュース用ペットボトルが男児のおなかの上に乗った。
「絶対放したらアカンで!」
2人の主婦は大声で繰り返した。一緒に遊んでいた同じ3年の男児2人と1年男児1人も見守った。
男児はペットボトルにつかまり、顔とひざだけを水面から出し続けた。浮力を保ったまま、岸辺に流れ着き、駆けつけた湯浅署員に引き上げられた。男児は念のため、和歌山市の病院に一時搬送された。
湯浅署によると、男児らは4人で遊んでいた。池には一部にしかフェンスがなく、誰でも近づくことができた。水深は2〜3メートル。同署は「男児が池の深さを図ろうと思いついたらしい」とみている。
ペットボトルを投げ与えた田中さんの「機転」には称賛が相次いだ。有田川町消防本部司令室の職員は「子どもは体が小さいので、ペットボトルで十分防ぐことができた。とても良い判断だったと思う」と絶賛した。
同小(久道憲生校長、606人)の高垣和彦教頭は取材に対し、「機転を利かし大切な命を助けていただき感謝している。ため池や川、用水路で遊ぶ危険性を指導していきたい」と語った。男児は午後2時40分に5時限目を終えて下校していた。高垣教頭は田中さんと西村さんを訪ね、お礼を言ったという。
毎日新聞の取材に田中さんは「けがもなく、ほっと一安心しています」とうれしそうな様子。西村さんも「助かって何よりです」と興奮した様子だった。
同署は3日、田中さんに近く感謝状を贈る予定だと発表した。
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最終更新:6月4日(土)19時43分
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