「交流戦、阪神5-3ソフトバンク」(3日、甲子園)
阪神が勝った。交流戦無敵のソフトバンクを撃破し、連敗を2で止めた。ヒーローは岩田稔投手(27)だ。打っては二回に決勝タイムリー、投げては7回3失点で、交流戦初勝利となる5月5日以来の2勝目。「球場の雰囲気にやられた」とのソフトバンク・秋山監督のコメント通り、やっぱり甲子園は最高や!!
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四方を見渡した。満員の虎党たちから降り注ぐ歓声のシャワー。待ちに待った今季2勝目の価値をかみしめた。ヒーローインタビューのお立ち台の上。岩田の声が感極まって詰まった。
「みんな力一杯やっているので、ファンのみなさんがついてきて…きてくれるよう、頑張っていきます!!」
追い込まれていた。借金9と低迷するチームも、ここまで1勝5敗と黒星が先行する自らも。加えて、迎える相手は交流戦無敗、10連勝中のソフトバンク。厳しい戦前の予想を裏切り、背水の陣で救世主となった。
同点で迎えた二回無死満塁。打席が回ってくると、ホールトンの初球141キロ直球を中前にはじき返した。「初球が一番甘いだろうと思っていたので積極的に振っていった」という読み勝ち。自らの勝ち越し打は、7回3失点投球で、決勝打になった。2009年10月4日以来、607日ぶりに聖地・甲子園で勝利の女神と握手した。
これで交流戦も9試合目にして初勝利。帽子のひさしに「勝」と書き込み、何が何でもの気持ちでマウンドに登った。5月5日に578日ぶりの白星となる今季初勝利を飾ってから1カ月。以降は2試合で2つの黒星を喫し「すっきりしない日々が続いて、何をしてるんだろう、と思ったこともあった」という。勝ちに飢えるだけの理由が、たくさんあった。
「1軍にいて、病気と闘う方を元気づけるのも僕の使命ですから」
福岡遠征中の5月21日には、ヤフードームで自身と同じ1型糖尿病を患う現地の小学生から手紙を受け取った。5月28日には宮城県岩沼市内で1型糖尿病患者の子供たちや家族を慰問。「やっぱり勝ちがほしい。そのために頑張りたいと思います」。そんな思いを胸に上がった甲子園のマウンドで、チームの危機までも救う勝負どころでの有言実行だった。
反省もある。今季全7試合で先制点を与えたことに「情けないです」。試合前のブルペン入りを早くするなど工夫したが、初回の失点も5度目を数えた。「きょう勝ったので、流れを変えていきたい」。チームの浮上には、不可欠の左腕。悪癖を直し、白星を重ねていく。
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