鳩山一郎首相が残した覚書によれば、「政界パージが解けたら、すぐに鳩山に政権を譲り渡す」とある。
だが、吉田氏はそれを否定、首相の座から降りることを拒み続けた。最終的には鳩山首相は誕生するが、権力闘争の厳しさから浮遊したような鳩山首相は、結果、自らの政治生命を縮めることになった。
話を戻そう。菅首相は2日午後10時過ぎから開かれた記者会見で、繰り返し、早期の辞任を否定した。ニコニコ動画の七尾功記者の一定の目処についての質問についてはこう答えている。
「一定のめど」は
いつなのか
「まず、工程表で言いますと、ステップ2が完了して放射性物質の放出がほぼなくなり、冷温停止という状態になる。そのことが私はこの原子力事故のまさに一定のめどだとこのように思っております。ただ、期間の問題は必ずしもその時点ですべてが方向性が決まるかどうか、これはいろいろとモニタリングをしたり、 あるいは除染をしたりということも含めてですね、もう少し時間がかかる可能性は十分あると思っています」
ステップ2完了までは6ヵ月から9ヵ月かかるとされている。だが、東京電力による作業はまったく進んでいない。むしろ、日々、状況は悪化している。
すなわち、原子炉の冷温措置が完了するまで菅首相は辞めないということである。4つの原子炉を冷温できる時期は神のみしか知らない。つまり、事実上、辞めないということになる。
「今回のこの大震災という状況の中で、国民の皆さんからやはり国会で必要なことは、いつでも議論できるようにしてほしいと。そういうご意見をいただいています。それに答えるとすれば、事実上の通年国会。12月のある時期までということになろうかと思います」