小田原市立病院(同市久野)で脳血管撮影検査を受けた南足柄市の男性(当時62歳)が適切な措置を受けず死亡したとして、家族3人が市に約5287万円の損害賠償を求めて横浜地裁小田原支部に提訴していたことが3日、分かった。
訴状によると、男性は09年4月8日、歩行困難と腰痛を訴え同病院に入院。20日に脳血管撮影検査を受けたが、意識が戻らなかった。頭部CT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴画像化装置)検査を受けたが、一度も意識が戻らず、28日に再発性脳梗塞(こうそく)で死亡。リスクを伴う脳血管撮影検査の必要はなく、早期にMRIで脳梗塞を発見すれば救命は十分可能だったとしている。
同病院経営管理局は「弁護士と相談しながら、きちっと対応していくが、病院としては請求棄却を求めていく方針」と話している。【澤晴夫】
毎日新聞 2011年6月4日 地方版