パチンコの違法化・大幅課税を求める議員と国民の会が5月25日、東京都内で設立大会を開催した。会場には700人以上が詰めかけた。同会は荒川区議の小坂英二氏が代表世話人を務め、全国の自治体の地方議員や首長経験者も名を連ねている。
同会は国に対してパチンコの違法化を求めると同時に、地方自治体には廃止までの間「パチンコへの大幅課税」を求めることを活動の主体としている。大会当日に採択された決議文では、法の抜け穴を利用していること、韓国ではパチンコが違法になったことを指摘している。
小坂区議は「ギャンブル依存症の大量発生や一部の収益が北朝鮮に渡っていることなどから国益を損ねている」と主張している。大会当日は、小坂区議らに賛同する議員が中心となり、埼玉、千葉、愛知、三重、山口の5県での支部発足も決まった。
全国のホール事業者の大多数が加盟する全日本遊技事業協同組合連合会は、集会の内容を把握しているものの、特別な対応をとるかどうかも含めて今後のことは未定だという。パチスロ製造会社28社で構成する日本電動式遊技機工業協同組合は、「会の発足を知らないのでコメントできない」と話す。パチンコの景品交換が違法かどうかについては「風適法の範囲内で行政の許可が出ている」としているが、小坂区議は「警察のお目こぼしで可能になっているだけで、法的根拠はあいまいだ」と反論する。
パチンコをめぐっては、4月に東京都の石原慎太郎知事がパチンコ店と自動販売機を挙げ、電力のムダという趣旨の発言をして波紋が広がった。石原都知事も出席した5月25日の関東地方知事会議では、節電対策としてパチンコ店と自販機の営業時間を規制する関連法令の改正などが話し合われた。話し合いの結果は国への要望書として、早ければ6月中に提出される見込みだ。
都内でパチンコ店の経営に携わる男性は「最近になってから、特にパチンコが槍玉に挙げられている」と感じている。自分だけでなく従業員の生活もあるため、社会全体に“反パチンコ"の動きが広がることを懸念しているという。
別のホールを経営する在日韓国人男性は「韓国人への嫌がらせだ」と不快感を示す。議員と国民の会が、韓国での違法化に言及したことについては「あてつけだ」と見ている。ホールや業界団体はさまざまな社会貢献活動をしていることをアピールするが、小坂区議は「それは本筋ではない」と述べている。 |