菅直人首相が早期退陣を否定したことに与野党で反発が広がり、「菅降ろし」の動きが3日、再び活発化した。民主党の鳩山由紀夫前首相らが首相退陣に向け両院議員総会の開催を要求。閣僚や首相を支持してきたベテランも、首相の姿勢に疑念を呈した。自民党は首相問責決議案の参院提出について検討に入った。
首相は同日の参院予算委員会で「大震災への取り組みに一定のめどが付いた段階で、若い世代に責任を引き継いでほしい」と繰り返し答弁。退陣時期への言及を拒んだ。
これに対し、首相の対応に態度を硬化させている鳩山氏と支持グループの幹部は、首相の進退を協議する両院議員総会の開催を求めるための署名集めを続行、来週にも執行部に提出することを確認した。幹部の一人は「衆院だけで150は集まった」と語った。小沢一郎元代表も中堅・若手と今後の対応を協議し、「俺が引っ張っていく」と伝えた。
また、松本龍防災担当相は参院予算委で、首相発言について「退陣表明と受け止めた」と明言。松本剛明外相も記者会見で「6、7、8月というのが常識的に一つの考え方ではないか」と述べ、今後3カ月程度をめどに辞任を促した。
渡部恒三元衆院副議長はTBSの番組収録で、首相が来年1月ごろまでの続投を示唆したことに「全然とんちんかんだ」と批判。2011年度第2次補正予算案と特例公債法案を成立させたら退陣すべきだと指摘し、辞任しない場合は「俺が言って辞めてもらう」と述べた。
一方、自民党の山本一太参院政審会長は参院予算委で、「政治的な詐欺だ。ひきょうで姑息(こそく)なペテンだ」と首相を厳しく非難。「野党が過半数を握る参院であなたを倒すしかない。6月末ぐらいに問責を突き付けるチャンスが必ずやってくる」と強調した。
[時事通信社]