2011年4月5日 23時49分 更新:4月6日 1時0分
自民党の谷垣禎一総裁は5日、民主党との「大連立」に応じない方針を固めた。大連立を巡っては自民党内で賛否が分かれており、菅直人首相が退陣する保証のないまま連立に踏み切れば、地方組織や支持者の理解を得られないと判断した。東日本大震災の復旧・復興対策については政府に協力するが、菅首相から入閣要請があっても応じず、数次にわたる11年度補正予算案の編成には野党の立場で協議に臨む構えだ。
谷垣氏は5日、小泉純一郎元首相と東京都内で会談。小泉氏が「今は健全な野党のあり方をしっかり発揮すべきだ」と大連立に否定的な見解を述べたのに対し、谷垣氏も「まったくその通りだ」と同意した。谷垣氏はこの日、海部俊樹元首相とも会談したが、海部氏は「首相が(大連立に)本気かどうか見極めた方がいい」と助言した。会談後、谷垣氏は「政策のすり合わせのないところに連立はない」と記者団に明言した。
自民党は子ども手当や高速道路無料化など民主党の「4K」政策を撤回して震災対策にあてるよう求めている。自民党幹部は5日夜「今は健全な与野党が必要だ。復旧中心の1次補正には反対しないが、2次補正以降は財源を厳しく議論する」と語った。【野原大輔】