2011年4月5日 23時21分 更新:4月5日 23時26分
三菱重工業と三菱航空機が開発を進める国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット」(MRJ)の機体の組み立てが5日、愛知県飛島村の三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所(名航)飛島工場で始まった。MRJは12年の初飛行に向けて大きく前進した。
従業員約200人が出席して行われた式典で、作業員2人がコックピット天井部の骨組みにアルミ製のびょうを打ち付けた。三菱航空機の江川豪雄社長は「MRJは(東日本大震災で)打撃を受けた我が国が再び雄々しく飛び立つ希望の象徴。日本、民間航空機産業の希望の実現のために全力を尽くそう」と呼びかけた。MRJは飛島工場で胴体や主翼を組み立てた後、三菱重工小牧南工場(愛知県豊山町)で主翼、尾翼、胴体を結合する。震災の影響について、江川社長は「調査中だが(12年初飛行、14年初納入の)開発スケジュールは変更しない」と述べた。
MRJは全日本空輸と米国の地域航空会社へ計125機の納入が決まっているが、採算ラインを下回る。このため三菱航空機は、欧州での受注を目指して5月、オランダに販売子会社を設立する。【工藤昭久】