シンガポールを訪れている北澤防衛大臣は、アメリカのゲーツ国防長官と沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題を巡って会談し、これまでの方針どおり、名護市辺野古へ移設することを確認する一方、新たな施設が運用能力を備えるまでは、移設作業を始めるのは難しいという認識でも一致しました。
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題を巡って、政府は名護市辺野古の沿岸部を埋め立ててV字型に2本の滑走路を建設する方向でアメリカ側との合意を目指していますが、アメリカの有力議員が、この案の見直しを提言するなど新たな動きも出ています。これについて、北澤防衛大臣とゲーツ国防長官が会談し、これまでの方針どおり普天間基地の移設先を名護市辺野古にするとともに、可能なかぎり早期に移設を行うことができるよう努力することを確認しました。ただ、北澤大臣とゲーツ長官は、移設先の新たな施設が運用能力を備えるまでは、移設作業を始めるのは難しいという認識でも一致しました。また、会談で北澤大臣はゲーツ長官に対し、日米が共同開発している新たなミサイル防衛システムについて、日本側が設けた基準に従うことを条件に、アメリカ側が別の第三国に輸出することを認める方針を伝えました。具体的な基準について、北澤防衛大臣は、アメリカがミサイルを輸出できる第三国として、アメリカの友好国であるとともに、ミサイルをさらに他の国に輸出しないことが確認できる国を挙げました。