二つの見方

                          院長 下司孝麿


ウイスキーの瓶の中身が半分になったのを見て、「たった半分になった」と悲観をするか、「まだ半分残っている」と安心をするか、二つの異なった見方が事実は一つでもある。

悲観的と楽観的と相反する二つの考え方が生じる。

アルコール依存症でも同じだ。「もう一生飲めない、残念だ」と悲しむも人生。
「これから体が元気になって、皆に迷惑もかけず、明るい人生を送れて有り難い」と思うも人生である。

どちらの方向に今後の身の振り方をきめるか、ここが思案のしどころだ。願わくば楽観的で積極的な人生を歩み、達成困難な断酒の成功者となって欲しい。

悲観的で消極的な人生を選び、この世の敗残者にならないように望むのである。

                                      1999年3月14日


 
断酒心得帳
                下司孝麿 改訂 1988年4月29日
 

私は酒のために、我が身を傷つけ、害い、家族を泣かせ、親類、友人を欺き、社会に迷惑をかけました。

誠に償っても償いきれない大罪であり、その責任は、酒を飲んだ自分にあります。

飲酒の原因を他人のせいにせず、自分に向け手厳しく反省することが断酒への基本的な考え方です。

今後二度とこのような罪を犯さない様、酒を断つことを心から誓います。

断酒の第一歩は断酒例会で、酒害者の話を聞くことから始まります。

そして、自分が酒害者であることをハッキリと自覚します。同志の話に耳を傾け、その良いところを取り入れて、自分の血とし肉とします。

次に自分の体験談を話すことによって、自分の気持ちを整理し、自分の心を深く掘り下げると同時に、同志に深い影響を与えることが出来ます。

断酒例会こそ断酒達成の道場です。

葉隠れには、「武士道とは死ぬことと見つけたり」と。出ています。それでは、「断酒道とは、例会出席と見つけたり」ではないでしょうか。

断酒例会を立派に育てましょう。
 


                    同志の断酒

                          下司孝麿 改訂
                (同期の櫻の替え歌 昭和63年)
                          1988年4月27日 

               1、貴様と俺とは 断酒の友よ
                   同じお酒で 苦しんだ
                 辛い時でも スクラム組んで
                   みごと 断酒に勝ち抜こう

               2、貴様と俺とは 断酒の友よ
                   手を握りしめ 誓ったぜ
                 例会出席 いつまでも
                   これぞ まことのおいらの命

               3、貴様と俺とは 心の友よ
                   別れ別れに なろうとも
                 つなぐ断酒の友綱切れぬ
                   やろうぜ この道死ぬまでも


断酒会出席五つの喜び
                 理事長 下司 孝麿
 
          一、断酒して元気に出席できる喜び

          一、同志に出会って断酒仲間の連帯感を味わう喜び

          一、自分の話を発表し、同志に認めてもらえる喜び

          一、同志の話に感激し、教えてもらう喜び

          一、石垣の一つの石のように、断酒会を支える石になり
             少しでも同志に奉仕できる喜び

                                  昭和62年6月26日作

 
断酒鉄言 (例会のあり方)

    下司孝麿 1980.5.23

           1、 断酒の芽を皆で育てよう
           2、 例会は説教よりも体験談
           3、 例会はまず聞くことだ
           4、 同じ話でも繰り返せ
           5、 繰り返せば話し上手に
           6、 よい話には共感を示せ
           7、 酔った人には発言させぬ
           8、 断酒継続者を褒めよう
           9、 失敗した人を責めるな
           10、失敗者も温かく迎えよう
           11、失敗を繰り返す原因を分析しよう
           12、断酒会だから節酒論は発言はさせない
           13、反対意見でも非難せず自分の意見を話すのみ