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サッカー日本代表MF本田圭佑(24)=CSKAモスクワ=が2日、報道陣に「3―4―3システム論」の封印を願い出た。1日にキリン杯・ペルー戦を戦った日本代表はこの日、新潟市内で軽めの調整を行い、チェコ戦に向けて神奈川県内に移動。ペルー戦の後半45分間に出場した本田は、同戦でアルベルト・ザッケローニ監督(58)が採用した新布陣について問われると、「その(3―4―3の)話はヤメにした方がいい」と要求した。
異例の“お願い”だった。時に舌鋒(ぜっぽう)鋭く、指摘や批判などを繰り返してきた本田。ペルー戦翌日の2日、軽めの調整を終えた背番号18は、周囲を取り囲む報道陣に対して、珍しく要求した。
「みんな、3―4―3に固執しすぎですよ。システムは、何でもいいんです。その話はヤメにした方がいい。数字の話をしていても、前に進めない。みなさんも一緒に成長していきましょうよ。よろしくお願いします」。
1日のペルー戦で、ザッケローニ監督が採用した「宝刀」の3―4―3。周囲の注目を集めながら、初陣で機能しきれなかった新布陣の話題を、ザック・ジャパン不動の司令塔が制した。
“本田流”の考えの表れだった。4―2―3―1となった後半から出場した本田は、ベンチで見守った前半を「3―4―3だって、流れによっては、4―5―1になる場面もある。相手ありき、なんですよ。昨日は(3―4―3を)保とうとして、気持ち良くプレーできていなかった」と評した。新布陣を意識するあまり、日本の持ち味である流動性を欠いた。必要以上にシステムにとらわれない姿勢を、チームメートにも求めた。
ザッケローニ監督は、この日の練習前、「練習を2日間しかしていないし、メンバーも代わった。3―4―3がうまくいかないことは想定内」と選手に語りかけた。新布陣への不安を取り除いた指揮官の一方で、本田は「(うまくいかなかった)理由はいくつもある。(後半から3―4―3を行ったJリーグ選抜との慈善試合と比べて)メンバー、相手、雰囲気も違う。うまくいかないと思えたことが収穫だった」と平然と言い放った。システムなどは、関係ない。どう強くなるか、成長していくか。本田の頭には、それしかない。
◆3―4―3システム ザッケローニ監督がセリエAのウディネーゼやACミランを率いた際に採用。DFを3枚にし、中盤の両サイドMFに攻撃意識を高く持たせることで、4バック時より攻撃的に。“ザック流”は守備時には両サイドMFの一方がDFラインに入って、4バックを形成することも。しかし連係がうまくいかないと、サイドMFが両方下がり、5バックの守備的な布陣になる問題点もある。近年の日本代表では、ほとんど採用されていない。
(2011年6月3日09時57分 スポーツ報知)