鳩山氏「ペテン師まがい」菅首相に早期辞任を要求

　民主党の鳩山由紀夫前首相は３日午前、菅直人首相が年明け退陣の意向を示したことに対し、早期退陣を強く要求した。「内閣不信任決議案が否決されたら『辞めない』というペテン師まがいのことをしてはいけない。守らなければそれだけの処置を断固として取っていく」と記者団に述べた。この後、鳩山グループのメンバー約２０人と国会内で協議し、両院議員総会の早期開催を執行部に求める方針で一致した。松本龍防災担当相は６月末までに辞任すべきだとの認識を明らかにした。

　首相は３日午後の参院予算委員会で、不信任案否決を受け「これからの東日本大震災の復旧、復興や原発事故収束にこれまで以上に全力を挙げて取り組む」と述べた。

　鳩山氏も月内退陣が念頭にある。不信任案に反対した鳩山氏が早期辞任を求める立場を明確にしたことで「菅降ろし」をめぐり民主党内対立が再び激化するのは必至。退陣先延ばしに反発している小沢一郎元代表支持派も攻勢を強めそうだ。

　一方、野党も即時辞任を要求。自民党は参院での問責決議案提出も視野に入れ首相を退陣へ追い込む方針だ。

　枝野幸男官房長官は記者会見で退陣時期について「認識が異なっているのは残念だ。（いつ退陣するかは）首相の専権事項だ」と指摘。斎藤勁国対委員長代理も記者団に「退陣が何月になるかという政治の運びは考えにくい」と述べ、具体的な時期は決めていないとの認識を示した。

　これに対し、鳩山氏は２日に首相と合意した「確認事項」について「辞める時期で確認を交わしたのは厳然とした事実だ」と強調した。

　首相は２日の民主党代議士会で、東日本大震災復興や東京電力福島第１原発事故の収束にめどがついた段階での退陣意向を表明し、採決での大量造反を回避した。

　だが２日夜の記者会見では、退陣の具体的時期を問われ「（原子炉を）冷温停止し、放射性物質がほぼ出なくなるところまで持っていくために全力を挙げる。当然、私の責任だ」と当面の続投を強調した。

（2011年6月3日13時43分  スポーツ報知）

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