内閣不信任案が否決された2日、県内の各党からは「否決は当然」(民主)「茶番だ」(自民)などの声が上がった。永田町で演じられたドタバタ劇に有権者は冷めた目を向けた。【石山絵歩、梶原遊】
民主党県連の渡辺嘉山幹事長は「野党は『今なら勝てる』という思いから不信任案を出したと思うが、被災者や国民のことはまるで考えていない。否決は当然」と批判した。
採決では、小沢一郎元代表に近い一部議員が本議会を欠席。比例東海ブロックの笠原多見子議員も棄権した。渡辺幹事長は「一丸となるべき時にどういう真意があるのか。いずれ話を聞かなければならない」と述べた。
同党の柴橋正直衆院議員(岐阜1区)は「今は政争をする時ではない。党の大義を考えれば野党に同調する選択肢自体あり得ない」と強調した。
一方、自民党県連の古屋圭司会長は「全くの茶番」と一言。「辞任表明は評価するが、辞める人が国のトップに居座ることを海外はどうみるのか」と疑問を呈した。
公明党県本部の岩花正樹代表は「不信任案には、政権を取りたいというより震災復興を進めてほしいという思いがあった。何もしなければ何も進まなかった」と評価した。
街では冷めた声が多い。岐阜大3年の佐藤雄斗さん(20)は「東北の状況を考えたら、政権どうこうを言っている場合ではない」とあきれ顔。岐阜市の会社員、新川真人さん(35)は「震災によって菅政権が抱えている問題が表面化しただけ」と突き放した。本巣市の中島和夫さん(69)は「自民党が50年以上かけて作ってきたつけを民主党が1、2年で返せるわけがない。自民党に政権が戻っても政治とカネの問題はつきまとうのでは」と話した。
毎日新聞 2011年6月3日 地方版