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菅首相:退陣表明 「投げ出し」「当然」 播磨からも失望や批判 /兵庫

 2日に自民党などが提出した内閣不信任決議案は否決されたものの、退陣の意向を表明した菅直人首相。東日本大震災からの復旧・復興への道筋が見えない中での表明に、播磨地方の有権者からも驚きや失望、「当然」という声など、さまざまな受け止め方が見られた。【高橋一隆、小泉邦夫、渕脇直樹】

 被災地の宮城県石巻市から避難してきた加古川市臨時職員の桜田千春さん(34)は「不眠不休で復興に取り組んでこられたと推察しますが、現在の被災地の状況を思うと、『投げ出すの?』って感じです」と感想を語った。また、民主党内の“造反”の動きには「この時期、与党がどうして挙党態勢にならないか、不思議です」と首をかしげた。

 相生市大石町の無職、中塚克巳さん(85)は「(退陣表明は)党内を分裂させず、収拾するための苦肉の策だろうが、退陣時期を明示しないのは、やり方がきたない」と話す。さらに、「今は与党とか野党とか言っている場合ではなく、一致結束して復旧・復興に全力を挙げ、福島原発問題に取り組むのが先決。自民党も協力すべきだ」と語気を強めた。

 姫路市役所前で客待ちをしていた市内のタクシー運転手(66)は「菅さんは首相として存在感が軽過ぎる。一刻も早く辞めてほしい」と突き放した。小沢一郎、鳩山由紀夫両氏らが菅首相に退陣を迫るなど、民主党が分裂状態となっていることについては「足の引っ張り合いで見苦しい」と批判した。

 ◇「政治混乱、非常に残念」--行政や経済界なども声

 経済界や行政、労働界からも懸念や批判の声が上がった。三宅知行・姫路商工会議所会頭は「日本経済の復興を目指すべきこの時期に政治的混乱を招き、非常に残念」との談話を発表し、大震災からの復旧・復興に向けた与野党の一致協力を求めた。姫路市の石見利勝市長は「震災をはじめとする内外の課題への迅速かつ一貫性ある対応の継続を望む」との談話を発表した。

 一方、連合姫路地協の岸田信一議長は「国難ともいうべき課題が山積している中で、国会を空転させてまで採決しなければならない問題か」と疑問を呈し、「被災者の生活安定を最優先に考えることが筋だ」とのコメントを出した。

〔播磨・姫路版〕

毎日新聞 2011年6月3日 地方版

 
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