東京(CNN) 福島第一原子力発電所の事故を調査していた国際原子力機関(IAEA)の専門家チームが1日、報告書の概要を日本政府に提出した。津波が原発に及ぼす危険が過小評価されていたと指摘する一方、事故発生後の日本の対応を「模範的」と評価している。
調査団はマイク・ウェイトマン英原子力施設検査局(NII)長官を団長に、世界12カ国からの専門家で構成。報告書は、同原発が最大5.7メートルの津波を想定して設計されていたのに対し、実際には推定14メートル以上の津波が押し寄せたと指摘した。これによって電源が失われて冷却不能となり、核燃料の損傷や一連の爆発が起きたとしている。
ウェイトマン氏は声明で、団員らは津波による被害の実態に圧倒される一方で、現場作業員らの献身的な対応に深く感銘を受けていると述べた。調査団はまた、原発周辺住民の避難などで政府が示した対応を高く評価している。
報告書の最終版は、ウィーンのIAEA本部で今月開かれる原子力安全関連の閣僚級会合で発表される。